ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

ケチケチ戦術(^^;;;

ケチケチ戦術(^^;
ケチケチ戦術(^^;;

消耗品:クリーニング液


 更に問題はクリーニング液だ。消耗品の上に紙よりチョットだけ初期投資が大きい。しかも厳密に言えば期限があり劣化していく。HJCLではレンズ専用液などはもちろん使わない。汎用アルコールで充分だ。ただ一口にアルコールと言っても複数ある。


musui
 常識的にはこの無水アルコールを使う。これがとんでもなく高い。これを高いと感じない人は金銭感覚がおかしいと思う。少なくとも筆者には高過ぎてこんなモノは使いたくない気分。レンズが高々100円(注1)だという事を忘れてはいけない。エタノールはレンズをバラすのにも使うし大量に必要なのだ。無水は基本的にセンサークリーニングにしか使っていない。


iyakuyou
 そこで消毒用アルコールだ。価格的にはこっちを使わない方がバカというくらい明らかに安い。じゃあなんでみんなこれを使わないのか?勿論理由はある。

 無水アルコール(99%以上)と消毒用アルコール(概ね75~80%)の違いは何か?汚れ落としの力は変わらないか消毒用(有水)の方が上の場合すらある。問題は有水は無水と比べ乾燥が遅い点にある。逆に考えれば乾燥が遅くても良いところならこれで充分という事にもなる。筆者は早く乾燥してほしいカメラのセンサー掃除には無水を使い、HJCLのどーでも良いジャンクレンズの掃除用には全て安売りの消毒用を使っている。この時はペーパーを1枚ではなく2枚使って拭き取り工程を加えるのがポイント。これだと乾燥の心配は無用である。


meta
 燃料用はもっと安いのだがメチルアルコールなので毒性が心配である。イソプロピルアルコールは水抜き剤に使われていて安価だが不純物が心配だ。アセトンはプラ部分が確実に溶けるかひび割れるか曇るので絶対に不可。MF時代にもプラレンズやハイブリット非球面レンズはあるのだ。


kateiyou
 更に安いのを発見した(1リッター500円)。これは消毒用だが問題は食品添加物が入っていることだ。早い話が医薬用より純度が低いのだ。ネジ緩め用に買ったが量が多くてもったいないのでどーでもいいAFズームレンズ磨きに使う事にした。プラスチック製のAFズームレンズは後世に残らないので持ちが悪かろうが変質しようがどうってことは無い。玉だけ大切にしても他が壊れるからね。で結果だが現在までのところは大丈夫だ。レンズの寿命までは持つんじゃないか(テキトー)。この格安エタノールを使うようになってから禅除去などだいぶ経済的に出来たと思う。


 次はカビ取りだ。カビキラーを使っている人も多いがHJCLでは使わない。カビキラーがアルカリ性が強くてコーディングに良くないのも大きいが、いつも使わない汎用性の無いモノは使いたくないのだ。早い話カネがかかるから(^^

 カビ取り・油取りは中性洗剤を使う。これはお徳用の大瓶をセールの時のタダみたいな数十円の価格で買う。参考までに大瓶が50円くらいで売られる時がある。スーパーやドラッグストアのセール情報を主婦のように監視しなくてはいけない(^^ ちなみにカビは界面活性剤に弱いっぽい。カビの胞子が作っている水を通さない膜が界面活性剤で破壊されるのだろうか。このようにカビは洗うのが一番。生えかけの表面カビならほぼ痕跡を残さないくらいまできれいになる。超音波洗浄機も使ってみたけど洗った方がはるかに手軽で早い。実際は超音波洗浄機をセットするのが面倒くさいのだが。

注1:レンズ100円と書いたがそれは最近の買い物だけで、平均価格は2018年1月現在では236円である(最大価格864円、最少価格10円)。


 俺たちのケチケチ戦術はまだ始まったばかりだ。他にも出てきたら随時書く。というかそれらはまだ使う状況になっていないんだな。例えばクモリ玉を磨くガラス磨きとかバルサム代わりの接着剤とか。これらもいずれはやってみたいけど何時になる事やら。いつものパターンとして一度やれば飽きるだろうから多数出てきてほしくないのも事実(^^;

FA 28-80mm F3.5-4.7②

SMC PENTAX-FA 28-80mm F3.5-4.7


 前回も書いたようにクモっているっぽいレンズだが、調査のためバラす前に思い残す事が無いようにテストしておく。パワーズームはバラしたら元に戻らない可能性が高いから。ちなみに手動ズームは復活したので焦点距離を変えられるようになっている。


1_048i045
 JRの送電線。50㎜の開放(F4.5)でシャッターは1/1000である。ピントは合っているけど解像している感じが無い。コントラストはクモリのせいだが解像度が低いのはレンズの個性である。


2_080i047
 同じ位置から80㎜の開放(F4.7)でシャッターは1/640である。1インチ未満の普及版コンデジよりややマシな程度か。なお28㎜が無いのは撮影に失敗したから(^^; 28㎜も大した事は無いです。


3_050i045
 JPEG圧縮が掛かりにくい画像(^^; このような写真は解像度の低いレンズて撮ると悲惨なものになりやすい。このレンズの場合は…まあクモっているから仕方が無いけどギリギリ及第点と言ったところか。50㎜の開放でシャッターが1/200である。


4_050i045
 等倍で見てみる。人の顔は分るけど「お知らせ」はちょっと読めないですね(^^;


5_050i045
 ムカついたのでデジタルインチキ処理をしてみた(^^ コントラストを上げてシャープも掛けている。がやっぱりあと一歩足りない。解像しているレンズの画質はデジタル処理で改善できるが元々原画に無い物はどうやっても出てこない。「お知らせ」は日本語なので前後関係から大体読めるけど。コントラストが低いのはあまり気にしなくて良さそう。


6_028i035
 公園の中心部。28㎜の開放(F3.5)で1/1250である。こういう風に撮ると28㎜でも広角感が出る。こうして見てもクモリがハッキリと判る。


7_028i035
 西門前から夕日を逆光で写す。クモリで拡散するのでSMCでもフレアーっぽい(^^; でも眩しい感じは充分出ているのでこれで良いかも。これは28㎜の開放でシャッターは1/1000である。日が沈むのでテストも終了だね。


8_050i045
 今日も千駄山演習場にてテストした。おなじみ解像度テストだが御覧のように暗くなってしまったので参考記録。50㎜開放でシャッターは1/320なので殆どブレは無いと思うが。


9_050i045
 等倍で無理やり明るくする。この周辺案内図の細かい文字がハッキリ読めるレンズは今後出て来るだろうか?廉価標準ズームでは無理だと思うけど楽しみにはしている。ちなみに書いてある文字は知っているので読めてしまうけど、初見で見たとしたら絶対判らないだろう。


 はー疲れた。いつも「作品」風にならないようにしようと思っているのだが、こうして並べるとやはり作画を意識してしまっている(^^; 修行が足りんな。それはさておき絞りをいちいち書いたけどよく見たら全部開放だった。あとテレ端80㎜をもっとテストしたかった。

 画像を見るとやはりクモっているのでコントラストや色はアテにならない、と言うかこれで評価したらレンズがかわいそう。この写真で判るのはピント個性と歪曲だけか。まあ実際デジタルでレンズ評価できるのはそれだけなんだがな。

ケチケチ戦術(^^;;

ケチケチ戦術(^^;

消耗品:ペーパー


 実は道具よりもこっちの方が問題だ。何故なら道具は一度買えば基本的にいつまでも使えるが、消耗品は一度使う度に減っていくからだ。これもチョーシこいているとレンズが買える値段になる。何しろ100円で買えるのがジャンクレンズだからな。


dusper
 消費率ナンバーワンがレンズクリーニング用ペーパーだ。これは基本的に再使用が出来ない使い捨てである。シルボン紙が良いのは分っているが高いので基本ジャンクレンズには使いたくない。筆者は自分のレンズ(笑)とセンサークリーニングにしか使っていない。ニコンもオリジナルも中身は同じだ。


kimwipe
 で昔ながらのキムワイプだ。シルボン紙より毛羽立ちやすいと言われているが使い捨てなので大した違いは無く同じ風に使える。紙が大きいのでやりやすい部分もある。こちらの方が明らかに楽なのは洗った玉を拭く時だ。サイズの大きさが生きる。価格はシルボン紙の半分で、しかも近所でいつでも安定供給できるのも大きい。


jkwiper
 もっと大きな玉はこれを使う。サイズは225㎜×215㎜とかなり大きい。ハードタイプなのでコーティングに傷が付くかもしれないけどモノコートでやってみたら特に問題無かった。硬いからクモリ落としにも良いかもしれないな(未確認^^)。まあ自分のレンズには使わないけどね(^^ 玉を置いたりする時に下敷きにしたり、保存する時に包むのにも使っている。


bizole
 ヘリコイドグリスを拭き取る時に使うのはペーパータオルで充分だ。紙のカスが付きやすいが、グリスを全部落とした後で水洗すれば解決する。以前死んだ50円コムラーは玉もチリ紙で磨いてしまった。特に何ともなかった(あってもHJCLのだから構わん^^)。

 試しにペーパータオルで玉を拭いてみた。HJCLのジャンクでも生きているレンズはイヤなので死亡したタモ論レンズの玉を拭いてみた。特に問題は無さそうだけど自分の大切なレンズには絶対に使わない。待てよ?クモっている玉をこれで拭いたらクモリが取れるかも知れんな。いずれガラス磨きとこれで実験してみよう。


 という事でオチは無いけどチリ紙も積もればカネがかかるという事。

FA 28-80mm F3.5-4.7

SMC PENTAX-FA 28-80mm F3.5-4.7


 2017/11/28に324円で入手したレンズ。K100D Superってパワーズーム動作しないのね(^^; ブチ壊れていると思って滅茶苦茶手動で動かしてしまったよ…無知で申し訳ない。おまけにこの個体は手動でもズームリングが動かない。何か引っかかっているようでズームリングが手前に引けないのだった(注)。そんな訳で現時点ではズームになっていない。焦点距離が変えられなければ詳細テストは無理なので今回は80㎜だけ見てみる。

注:この原稿を書いた2017年11月の時点ではそうだったが、2018年2月現在は掲示板に書いたようにちょっと弄って手動で動くようになった。

★遠距離

=F4.5開放=
080f045
 まずは開放のF4.5である。何だこれは…まるで70年代に逆戻りしてしまったかのようなフレアー画面である(^^; 大丈夫かよコイツ。ドブ色の空に玉のクモリを感じる。

=F8.0=
080f080
 F4.5の次のF5.6では変化は殆ど見られなかったのでF8.0まで飛ぶ。さすがにこのくらいまで絞るとまず問題無い画面となる。

=F11=
080f110
 さらにコントラストアップ。これ以上は被写界深度が深くなるだけで画質は全く変化は無かった。ただやっぱりクモリっぽいなあ。


★中距離

=F4.5開放=
080m045
 F4.5開放ではやはりここでもフレアーだらけで使える状態ではない。だがしかしFA 28-70mm F4 ALで見られた像の崩れは無い。筆者としてはこちらの方が断然画質が良く感じる。コントラストが低いのは確実にクモリのせいだろう。ハイブリットレンズのクモリだったらもう寿命だね。新品の時に使ってみたかった。

=F8.0=
080m080
 ハロは消えてスッキリした。前ボケ(下側のワイヤーハーネス付近)にやや不安があるが大体この辺で使い物になりそう。

=F11=
080m110
 アリャ?センサーゴミが出てきた(^^; そろそろ掃除しないとな。それはさておき画像はさらに向上した。これだけやってくれれば文句無しだがもうF11だからなあ。


★無限遠
 テスト日にうまい具合に月が出ていたので無限遠のチェック。但しちょっと薄めの月なのでコントラストは低い。ピントが合うか心配だったが大丈夫みたいだ(^^ なおRAWフルサイズから真ん中だけトリミングして取り出している。

=F4.5開放=
mugen045
 上のテストでも解っていたが開放ではボケボケである。とても使える画像ではない。但し∞は出ているようだ。

=F8.0=
mugen080
 F8.0で漸く模様がハッキリしてきた。月の動きは案外速いので位置が変わっているのが判る。

=F11=
mugen110
 シャッタースピードとの兼ね合いもあるがこの辺りが一番だろう。


★一般撮影
 マクロテストが面倒になったのでテキトーにその辺を写してみた(^^; 全部開放で撮影した。

ippan01
 これと同じ写真をロッコールPF5518で撮ったのを思い出した。

ippan02
 どうもコントラストが低いなあ。その点でこの時代の廉価版レンズは本当にイヤ。プラレンズやハイブリットを多用しているので劣化すると絶対に元には戻らない。真の意味でゴミ。

ippan03
 がしかし、こんな被写体ならコントラストが低くても大丈夫。これで夜景も撮ってみたいが、夜になると他に色々面白い事があるので写真を撮る気にならない(^^;


★続く
 クモリがあるようなので力を発揮できる状態にない。だが新品時の画質はFA 28-70mm F4 ALよりは良いだろうという予想はできる。次回はクモリを磨いてみたいけど、パワーズームのレンズは巷の噂ではバラすと元に戻らないらしいので解体されてそのままゴミ直行という事も有り得る。筆者でもバラせるようなら直すけどやってみないと分らない。良いレンズっぽいので出来れば元に戻したいが。

ケチケチ戦術(^^;

 HJCLの入手したジャンクレンズはその殆どが再メンテナンスを要求される。早い話が不具合品でそのままでは使い物にならないのが多いのだ。そもそも安いレンズと言うのは余程の不人気でもない限り不具合があるから安いのだ。という事でHJCLもメンテ覚悟で安いのを買う。

 で、メンテなのだがこれが結構カネが掛かる。要求に応じるままにメンテナンス専用品をバンバン買っていると保証付き中古を買った方がマシと言う極めてアホ∧情けない事態に陥る。例えばプラスチック部品の欠け・割れを修復するプラリペアは4000円以上するからな。それだけ払えばまともに動くレンズが数本買える。そこで常にカネの掛からないメンテナンスの研究をしている。この際だから手間賃は考えない事にする。これは趣味だからメンテは楽しみながらやるしかない。筆者に限ればあまり楽しくないけど、金を掛けずに手間暇をかけるのが趣味の本質だ。当然ながらお仕事でやっている人はこの文章を読まないでくださいm9(^^

工具編


 やはり節約は工具だよな。レンズのメンテに使う道具と言えばまず浮かぶのがカニ目回し。


kanimemawasi
 これだな。これらは20年以上前に買ったので幾らなのかよく判らないけど、数百円でないことは間違いない。クソ重い鋳鉄のような奴は一体幾らするんだろう?換え爪だけで1500円ってどういう事よ!これだけでHJCLのレンズよりはるかに高いぞ(^^; 全部で万単位逝っているのは間違いない。この金でレンズ買えよ!と今の自分なら思う。

 意外と使えないんだぜ。まず深い所のは回せない。届かないからだ。腕が当たってしまって回せないとか、先端が合わないとか、これを使う機会は実は多くない。と言うか買ってから殆ど使用した記憶が無い(^^; 恐らく「何となく今後使いそうだから」揃えたのだろう。カッコと道具立てから入るのは筆者の常道である…昔はこれでも稼ぎが良くて金持ちだったので、レンズに軽く○○○○万円は使っているくらいだ。写真の道具って全部まともに新品で買えば軽く億単位行くよな~(スタジオも含む^^)。


kegaki
 昔こんなのも買ってみたが、このケガキコンパスも結構高い。通販で売っている中華カニ目レンチの方がよっぽど安いので持っていない限り新たに買うのは無駄だろう。安物中華ピンセットの方がはるかに安上がりだし曲げられるので役に立つ。これは対象レンズによって自由に形が変えられるのだ。ジャンクズームレンズしか扱わないなら専用カニ目回しを買うのは止めとけ。アホらしいぞ。


compass
 インターネット上でダイソーコンパスを使っている人が居たのでやってみた。弱い。奥の方で回すと恐らく曲がっちゃうなあ。まあ一度どこかのオヤジが分解したユルイ奴なら大丈夫かもしれない。


cap
 今まで一番活躍したのは恐らくこの椅子の脚カバー?ゴムである。色々な大きさと種類があり、使いやすさと径を考慮して決める。ホームセンターで単品売りしている奴は高価な脚もあるので価格をよく見ないと専用品と同じくらい払う事になる。バカは別の部分でやりましょう(^^ なお玉を押して回すと当然傷が付いてしまうので注意。ジャンクで縁の方に傷が付いたのがよくあるんだよね。吸盤は最近小さいのが売っていない。金出せば売っているかもしれないけどこんなモノにカネかけちゃいけない。


driver
 ドライバはノーマルの奴が使えない事が多くて困る。この写真の奴はタムロン製品をバラす為に削ったダイソーの精密ドライバだ。幅が広くて薄いドライバは規格品に無いんだよね。このように新たに治具を作らねばならない場面は結構ある。


chuushaki
 工具ではないがネジを回す時にはアルコールが必要になる。無水エタノールは高価でもったいないので消毒用を使う。乾きが遅いのが欠点だがバラすので関係無い。安い燃料用も使えそうだけど毒性がチョイ気になる。余程のドジを踏まない限り口に入る事は無いだろうが。アルコールは写真の注射器で注入する。くれぐれも入れ過ぎないように!完全分解が必要になる場合がある(^^;


 という事でオチが無いけど工具は金がかかる。ジャンクなので工具もできれば手近にあるもので済ませたい。専用工具を買うくらいならまともな保証付き中古レンズを買えって話になる。それでもある程度のメンテナンス能力はジャンカーには必須だろう。もっともAF時代のレンズになるともう工具ではバラせなくなってくるのだが…。

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