ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

COSINA 20mm F3.8

或いは「クソレンズは如何にして復活したか?」


 前世紀の1999年4月24日にM42マウント版の新品を購入した。それ以前に入手したニコンFマウント版のCOSINA MACRO 100mm F3.5が想像よりはるかに良かったので遊び用に手に入れたのだ。当時は散歩カメラはペンタックスSPだったように記憶している。なおコシナレンズは全て中野のフジヤカメラで買っている。

 で、このレンズなのだが当時のメモに拠れば「周辺の流れがひどくF22まで絞っても改善されない。近距離の方が画質がよい」とかなりイラついた記述が残っている。筆者は当時ラボ屋にも勤務していたのでモノクロで自分で伸ばしていたが、ネガを見ただけで投げたようでプリントが残っていない。その活躍期間は一週間程度か(^^; もちろん不人気レンズなので売却もままならずレンズ倉庫の肥やしとなってキレイに忘れ去られた。そして筆者は数年後に突如として写真業界から足を洗い、しかも自身の写真自体を止めてしまったので永久に日の目を見ない筈だった。

 それが今年に入って興味本位でDSLRを買って、付けるレンズが無いのでフィルム時代のを掘り出し始めたのである。何しろ全盛期よりかなり減ったとはいえまだ数百本のレンズがある。これが1/10でもデジタルで使えれば言う事は無い。特にKマウントとM42は直付けできるので尚更良い。後者は散歩カメラだったSPの為にソコソコ買っていたので楽しみは大きいのだ。その時掘り出されたのがこの一度は捨てたコシナ広角レンズなのである。ちなみに24㎜F2.8もこれと同時に買ったのだが、これはもう一台の散歩カメラだったOM-1用にOMマウントを買っていた。今となってはこれもM42かKだったらよかったのにと思う。更に付け加えれば最後の散歩カメラはKマウントのXR-7MIIだった。最初の散歩カメラだったSPは売却してもう無いけど、その次のOM-1と最後のXR7-MIIはまだ持っている。


★このレンズの特徴・欠点
 これはもう十数年前のフィルム時代に既に結論が出ている。

①近接能力はソコソコ高い
 短焦点は繰り出し量に余裕があるのでこのレンズも20㎝まで寄れる。

②比較的小型軽量
 ニコポンUD20㎜やミール47kの事を思えばこれなんて涙が出るほど小型軽量だ(^^;

③近接時の中央部の画質は開放から使える
 どちらかというと解像度よりコントラストに振っている感じで、当時としては新しい指向(MTF評価)の設計だったと思う。

④がしかし、遠景は良くない
 使ってみた感じでは近距離の方が良い絵になった。が、これはもしかすると⑦で書いた無限遠が滅茶苦茶なのが影響しているのかも。極端に言えば日の丸構図でアップだけ撮るしかないレンズだった。だから使われなくなったのだと思う。ちなみに24㎜も酷いのだがそれは別の機会に。

⑤周辺画質が酷い(^^;
 具体的に言うと四隅が流れまくる。F16~F22まで絞っても僅かに残るくらいだ。倍率色収差も大きく、モノクロでのピントの悪さはこれも影響していたかもしれない。これは今回確認されるかもしれない。

⑥歪曲はズーム並み
 コシナの超広角ズームよりはだいぶマシかもしれないけど(^^;

⑦製造品質が極めて悪い
 製造のバラつきは世間の噂通りかなり酷い。最初に買った物は無限が出なかったので交換してもらったが、その交換品(現用のモノ)は逆にかなりのオーバーインフである。オーバーの場合はピントリングで何とかなるのでもう交換するのは止めた。いちいち中野まで出向くのが面倒だったからだ。ちなみに説明の為にネガとプリントを持って行ったが、店員は「またか」という感じでアッサリと交換してくれた。それだけ普通の話だったのだろう。OMマウントの24㎜も交換しているがそれはまたいずれ。


★デジタルで蘇るコシナ
 で今回デジタル時代に使ってみたわけだが、これが驚くほど良かったので参った。元々の予想ハードルが極度に低いという事もあるが、予想を大幅に覆すくらいの画質だったのである。これは恐らくカメラが*ist Dsだからだ。つまりこのレンズの最大の欠点であった四隅の悪さが全部消えてしまうのだ。真ん中だけなら昔からそんなにヒドイわけではなかったのだ。


cosina20_1
 まずはいつものように画角チェックから。書き忘れたがM42マウントアダプタは純正Sマウントアダプタである。このレンズはAUTO絞りしかないので開放でしか使えない。なのでどんな無茶苦茶な画像になるか戦々恐々としていたのだが全く問題が無い。それどころか開放でここまでやれればむしろ良い方なのではないか?フィルム時代にありがちな球面収差の過剰補正によるハロも無い。完全補正なのか?だとするとかつて絞って改善されなかった理由もそれで納得できる。となるとピント移動も大きいのだろう。現状では絞れないから予想に過ぎないが(^^; ピントはオーバーインフなので少々苦労した。この場合ちょっと前ピンになってしまったかも。FIは広角の遠距離では使い物にならないし、かといって画像を見て合わせるのも難儀だ。今後のテストではマグニファイヤーを用意しなくてはいけないかもしれない。尤も本格的な広角のテストはαでやるつもりなのでそれほど急ぐわけでもない。


cosina20_2
 今日も都立東伏見演習場(笑)でテストした。ここなら1000㎜級の大砲をぶっ放しても大丈夫だ。但し(一連の写真では意図的に避けたが)人は常時それなりに多いのでおかしな真似をするとすぐに通報されるだろう。何しろその辺の女の子の写真を撮っただけで変質者として警察に引っ張られる時代である。因みに何でこの案内板の写真を撮ったか?もちろん解像力チェックのために写したんだよ(^^


cosina20_3
 中央部の案内板を等倍でチェックしてみる。御覧のように小さな文字はあまり解像していない。何とか判別は出来るけど。尤もこれは35㎜フルサイズの超広角20㎜という事を考慮する必要がある。フルサイズのレンズならニコンやキヤノンの20㎜だってそんなにバシバシ解像するわけではない。勿論カメラの解像度も考慮しなくてはいけない。感覚的にはまだレンズの限界は出ていないと思う。フィルターが良い初代*ist Dだと解像するか?


cosina20_4
 解像力は高くないというかハッキリ言って低いが、コントラストが良いので見かけ上はシャープに見える。サービス版程度のプリントだと見栄えがするだろう。このレンズのユーザーは確実にシロートなのでその狙いはメーカー的には悪くない。四つまで伸ばさないと写真じゃないという筆者に酷評された理由もここにある(^^


cosina20_5
 バックの人々を捨てて手前の木の辺りにピントを置いてみた。開放だと20㎜でも歴然とピントの差が出るのだ。遠景はボケているが木の葉の描写は捨てたものではない。新品で一万円もしない超広角20㎜レンズの開放の描写には見えない。ま、端の悪いところが捨てられているからだが…(^^;


cosina20_6
 先日の記事で書いた通りタムロン40Aと同時にテストしている。同じ鉄塔(カラ巣^^)を写してみたが特に問題は無い。開放だが周辺光量も気になるほどではない。尤も筆者は周辺光量を気にしたことは殆ど無いが。とにかく開放でここまでやれれば言う事は無い。今回の撮影では歪曲も気にならなかった。これも真ん中しか使っていないからだろう。


cosina20_7
 完璧に逆光だが光が弱いのでゴーストは出ていない。電車や古レールを使用した柵の描写はなかなかのものだが左の金網に解像度の低さの影響が出ている。一度でも気になってしまうともう見てられない。このような被写体は避けた方が良いな(^^;


cosina20_8
 近接撮影だ。これも全く問題が無いが、ボケは非点隔差によるものか渦を巻いたような感じである。これは場合によっては気になるだろう。コマ収差は点光源を写さないとハッキリとは分からないな。


 フィルム時代の経験があったし、開放だからもっとヒドイと思っていたのに四隅まで全く破綻が無いのには驚いた。コシナの広角は(28㎜以外は)四隅の流れが特徴なのだが、このフォーマットだと流れは全く確認できない。インターネット上では「良い」という記述は見た事は無いが、少なくともAPS-Cフォーマットで6切程度のプリントならば問題無しとしておこう。35㎜フルサイズは…今はテストできないけどαが来たらやってみるよ。それまで評価は保留にしておく。周辺の点光源の形も見たいので夜景のテストもしたいが、近所に適当な被写体が無いので保留になっている。近距離だけなら室内でもテストできるんだけどね。

=撮影データ=
①ISO200、F3.8、1/1250
②ISO200、F3.8、1/800
④ISO200、F3.8、1/2000
⑤ISO200、F3.8、1/800
⑥ISO200、F3.8、1/1600
⑦ISO200、F3.8、1/800
⑧ISO200、F3.8、1/100


★色収差
 今回のテスト結果は思った以上に良かったが超広角らしく倍率色収差は大きい。しかしデジタルカメラではソフトウェアでどうにでもなる。


iro_mihosei
 これはCOSINA 20㎜ F3.8で未補正撮ったきりの画像である。倍率色収差は通常周辺部の白色またはそれに近い色のエッジがよく目立つ。御覧のように手すり部分にハッキリと色収差が出ている。これはモノクロではエッジの曖昧さになって表れるのだ。


iro_hosei
 これは筆者がRAW現像(@PPL)した画像だが、左の手すり部分を見てもらいたい。デジタル補正により色滲みがスッキリ無くなっている。デジタル画像ならならこのように倍率の色や歪曲(陣笠はダメかも知れない)は消せるので致命的な欠点にはならない。色収差や歪曲で著しく評価を下げていたレンズはデジタルカメラで復権する可能性がある。ペンタのアレとか例のズームとか期待できるかも(^^

 いずれにせよ大伸ばしをしない人には全く関係ない話だが。他所のレンズについて薀蓄書いているブログの写真の多くがVGA、大きくてもXGAサイズ程度なので失望する。その程度のサイズなら100円ジャンクの曇り玉も至宝名玉も殆ど違いは出ないよ。

レンズの話[17/06/16]

★TELEPLUS
 テレプラスを遠距離で使った事が無かったので東伏見演習場でぶっ放してみた。親レンズはおなじみの某レンズである(^^


1mas
 これが親レンズの元画像だ。RAWで撮ってJPG変換した。このように全画面に渡って破綻は無い。


2tele
 これがテレプラスで55→110㎜に変換したもの。APS-Cで端の方は捨てているからか?特に破綻は認められない。仔細に見れば中央部以外はピントが多少甘くなるのは避けられないが、被写体が真ん中にあるなら特に問題が無いと言える。


3trim
 どこかの記事に「テレプラスなんてトリミングしたのと同じ」と書いてあったので元画像から切り出して大体同じ大きさにしてみた。御覧のように真ん中ですらボケボケ。これがテレプラスと同等の画像に見える奴はレンズについて語っちゃダメだろ(^^;


teleplus_mc4
 TELEPLUS MC4でいつもの高圧線の鉄塔を写してみる。これを見て思うにMC4とMC6の差は周辺部にあるようだ。APS-Cだと差が少ないのはそのせいだろう。


★SuperTakumar55mmF1.8(150xxxxの方)OH
 何かゴミが気になるのでバラしてみた。ついでに無限遠も出ると良いな。バラしてみたがバルサムは特に問題無さそうなので玉を磨いてやった。

 実は今回バラした裏目的は例の「太陽に当てたらガラスの黄色ヤケが直った」という例の情報を確かめるのが目的だ。そんなに短期間でガラスが変化するなんて俄かには信じられないので、ウソでも本当でもネタになるからやってみたいのだ。


st5518_hosu
 で結果だが、数値的に解析したわけではないのであくまでも見た目だが本当に薄くなっている。但し全部ではない。前群は元々透明で黄色にはなっていなかった。ハッキリ黄色くなっていたのは後玉とその前の貼り合わせの玉である。この辺りにトリウムガラスが使われているのだろう。そのうち後玉はハッキリ判るような変化は無かった。


st5518_hariawase
 効果があったのはその前の貼り合わせの玉で、これは明らかに黄色が薄くなっている。ひょっとしてこれガラスじゃなくて間のバルサムが変化しているのではないか?それなら納得できるのだが。それはさておき、これが性能に与える変化は皆無に近いと思うが多少気分は良くなるかな。尤も放射線でヤケたのならいずれまた同じようにヤケてしまうだろう。


st5518_sample
 シャープさが増した気がするが、黄ばみやホコリが取れてシャープさが上がるとは思えないので気のせいだろう(^^ だがやはり無限は出ていない。何処かのネジが緩んでいたわけではないようだ。F4.0の時に∞にセットして距離4~50mの被写体はシャープに写るが、距離120mの被写体は早くもボケ始めている。無限が出ないのだけでなくピントリングが軽すぎるのもイヤなので全バラしてOHしたいが、うちには現在ヘリコイド用のグリスが無いので止めておく。このレンズの仕事はお作品ではなく近距離、もっとハッキリ言えばマザーボード撮影なのでこれで良いとも言える。

 裏話。実はレンズを干している最中に突風により下に置いていた紙が吹き飛んでしまった。当然上に置いていたレンズも下に落ちた。確実に傷ついたなこれは(^^; ハッキリ言ってメンテナンスしない方がマシだったかもしれない。


★46A心ならずも解体破棄(^^;
 TAMRON 46Aの2枚目にカビが生えていたのを取ろうとした。がしかし前からでは2枚目を外せないようだった。前玉だけは外せたが、後ろは裏から止まっていて容易に分解できない。おまけにプラリングばかりで一度外すとダメージが大きい。恐らくメーカーで修理する時はエンジンのガスケットのようにバラす度に交換するのだろう。この辺りで嫌気がさして、ちょっと分解してみようという事になった。もちろん元に戻すのは無理だろう。玉だけ取って破棄する予定。


46a_zangai
 バラしたけど、うちにある工具ではバラせない所が多くて難儀した。ネジがロックされていたところなめてしまった部分もある。後ろのレンズの付いた後群ユニットは樹脂溶着でバラせない。恐らくここはユニット交換するのだろう。


46a_tama
 単体で回収できたのは3枚だけ。前玉1枚が凸レンズで他は凹レンズである。実験でこのレンズを超音波洗浄機に入れ洗ってみたらコバがほとんど落ちてしまった。少しは効果があるのか。少なくともこれで洗う時はコバは塗り直しになる事が判った(^^


46a_kougun
 後群ユニットはそのままでレンズになりそう。がしかし、掃除が面倒なので水で洗ったら中に僅かに水が入ってしまった。樹脂溶着なのに水が入るのか。暫く放置して乾かなかったら破壊しようと思ったが一週間かからないうちに蒸発したようだ。あとはDSLRに取り付けるための鏡胴を作るだけだな(^^


46a_shibori
 絞りユニット(もちろん完全動作^^)も何かに使えそうだが…。羽根は9枚である。

 どこもかしこもプラスチック製でメンテナンスを考えているとは思えない。もし分解した時はプラ部品は全部交換するのだろう。結論としてこの手の安いズームレンズはやっぱり最悪だ(それ以前にカビ生やすなよクソユーザーどもが…)。

TAMRON 40A①

結論:全くどうしようもないゴミレンズでした!時間の無駄(^^


 先日の巡回で同時に2本も買ってしまったレンズだ。片方がカビだらけで使い物になりそうにないのでHJCLに供出した(^^ 記事になっていないが46Aは既に破壊してしまった為にHJCLの2本目の所有レンズである(がしかし使えるのはこれだけ)。HJCL所有の唯一のDSLRである*ist Dsと共にテストする。フィルム時代の普及版ズームはデジタル時代に通用するのか?


TAMRON 40A
 タムロンのレンズは過去の製品でもちゃんと製品情報が残っている所がエライ。適合フードが出ているのでジャンクで探しやすい。この点でシグマもトキナーもその他3流4流も会社として足元にも及ばない。自社の製造した商品くらい残しておかなくてどうする。そのデータによれば1985年から1996年まで11年間販売されていたようだ。消長の激しいズームレンズとしては長いほうかな。当時の評価は不明だが、少なくともそれなりに売れたレンズなのだろう。


40a_1
 この時期のタムロン製品は互換レンズメーカーの製品としては落ち着いたカラーリングで高級感がある。トキナー始め互換レンズメーカー製は蛍光色で安っぽい。シグマはこれより僅かに遅れてZEN仕上げなんて始めたけど、これは10年前後で加水分解でベタベタになるので最悪だ。無水アルコール等で拭けば取れるが、MF版は距離や絞り表示の印刷も全部消えちまいます。28/1.8はサッサと手放しておいて正解だった。最初のうちは見栄えも手触りも良いのだけどね…。

 閑話休題、フードは79FHか。あれ、これって持ってた気がするな?と思い探し始めたが見つからない。うちはフードもキャップもレンズと同じく矢鱈多いので遂に探すのを断念した。何しろハードオフ数店分はあるからな(^^; 見つからないフードは持っていないのと同じなのでそのうちHOで探しておくとしよう。もし無くても35㎜(35mmフルサイズ)もしくは55㎜(APS-C)のフードを付けるだけなので全く問題無し。


40a_2
 動作チェックで書いたが、この40Aは最短撮影距離1.5mという「アホか!」レベルのレンズなのだ。それを補う意味でマクロモードが付いているが、そのモードに入ると今度は逆に一般撮影は不可能になる。つまりバリエクステンションチューブ(ヘリコイド接写リング)内蔵のズームレンズと考えればよい。シームレスマクロが当たり前の現代的に見れば使いにくい事この上ない。が、最近はこういうアホなモノをツライ思いをしながら使うのが楽しく感じる。手間がかかっても安くて楽しめれば何でもよい。「世間で評判のアレを使いたい」ではなく「今そこにあるもので楽しむ」というのがいつだってHJCLの基本である。

 インターネット上で検索するとあまり使っている人は居ないようだ。無理も無い、今カメラ屋の店頭で一番人気の無いレンズは昔のズームレンズだからだ。たまに見かけるこのレンズの評価も芳しくない。ただインターネットの評価は良いモノをほめ過ぎ、悪いモノをけなし過ぎるところがあるので信用してはいけない。所詮その辺のサイトは誰かのサイトの転載サイトに過ぎない。特に名玉評価はアテにしない方が良い。通販カメラ屋やオークション転売屋の空気作りかもしれないのだから。イヤその可能性が一番高いな。それ以外の理由で特定のレンズを持ち上げる理由が無いし。レンズの評価なのだからクソみたいなポエムではなく写真で見せて欲しい。そんな写真が撮れればの話だけどな。


★実写してみる
 今回の実写テストに用いたのはまともな方(200xxx)ではなくカビカビの方(913xxx)を使った。この不具合品だけがHJCL所有品だからだ(^^ 折角のデジタルなのであまり酷ければポスト処理で何とかすればいい。倍率色収差や歪曲や周辺光量だってPPL3だけで手軽に補正できるし、色やコントラストなんてレンズの評価には全く関係しない時代なのだ。唯一ピントの良さだけが評価に値する。銀塩時代とは全く違った評価が必要だ。


40a_wide_1
 まずは画角チェック。このレンズは現役当時は35-105と言う標準ズームだったが、現在は*ist DsのAPS-Cなので1.53倍されて54-207という事になる。APS-Cや43だと望遠レンズの方が面白く遊べる。今まで手に入りづらかった400㎜~の超望遠だって×2倍(43の場合)で楽に入手できるのだ。閑話休題、写真は広角端35㎜の画角である。実際は標準なのだが*ist Dsばかり使っているので広く感じてしまう。このようにおいしい所だけ使っているので四隅の破綻は全く見られない。ただ全体を見ればフルサイズ55㎜と比べると画質で劣るのは当然だ。特に解像度は低いので大伸ばしは無理である。


40a_tele_1
 これが望遠端135㎜である。何かハロが見られるな。書き忘れたが、現在アダプトール2をP/ESしか所有していないので開放しか使えない。本日の撮影は全て開放で撮影しているという事だ。実はカビの影響が一番ひどいのがこの望遠域で、全長が伸びて光が拡散する分だけ影響が強いのだろう。


40a_wide_2
 上のように全画面使うと色々アラが見えるが、このような被写体だと全く普通のレンズにしか見えない。これはワイド端35㎜だが普通の描写だ。


40a_tele_2
 同じ被写体をテレ端135㎜で撮影。高圧鉄塔にはカラスの巣(カラ巣^^;)があったんだね。タワマンに住んでいるカラスとは豪勢だな。開放でこれなら筆者的には全く申し分のない描写である。


40a_macro_1
 えーと、昨日の事なのにもう忘れてしまったが(^^; これはハロから見て135㎜域だと思う。どの辺か忘れたが中途半端なマクロモードである。珍しい白いレンゲソウだ。「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」と言う滝野瓢水の句を思い出す。これは青箱のジャンクレンズを買おうとした友人を止める為に詠んだ歌だ(ウソ)。


40a_macro_2
 この被写体、ピントをどこに合わせればいいんだろう?(^^; マクロモードの時のピントリングはグルグル回してもほとんど変化しないのでやってられない。そこで反則かも知れないがマクロリングの方を回してピントを合わせた。という事でこれが何対一で撮影されたのかは分からない。ま、レンズテスト記事を書く場合以外はどうでも良いけどな。


40a_macro_3
 全部にピントを合わせようと思ったが無理だった。赤はJPEGで劣化するのでなるべくデジタルでは撮りたくない。本来ならボツにする所だが、実はこのテスト撮影はコシナ20㎜と同時に行なっており、コシナばかり撮ってしまってメモリが足りなくなった為に作例が少ないのだ(^^;


 あー、またクソみたいな花の写真を撮ってしまった。自分でも撮っておいて言うのもなんだけど、何で他のカメラやレンズのサイトって揃いも揃って花の写真とか猫の写真ばっかり撮るんだろう?金太郎飴のようなブログを見ていると悪寒が走る。閑話休題、マクロモードは使いにくいし画角的にも使いづらい。加えて今回は当方の事情で開放しか使えないというハンデがあったがそれも含めて面白かった。筆者は昔は望遠レンズをあまり使わなかったのでその面でも新鮮だった。


★カビ
 当該レンズのカビだが、タムロンのズームレンズはどうも分解不可能のようなので取るのは無理っぽいな。Web上でもバラして断念した人が多いようだ。HJCLでも46Aは途中までバラしたけど、プラ部品が破損して元に戻らなくなったので玉だけ研究用に取って破棄する事にした。メーカーには専用の治具があるのだろうし、プラ部品は分解する度に新品に交換するのだろう。まあこの40Aはこれからもカビと共に使うという事で。135㎜だとレンゲソウの写真みたいにソフトフォーカスっぽく使えるし(^^


40a_kabi
 何とか中玉のカビを写そうと思ったがこのコンデジでは無理だった。青箱ジャンクの中では大した事は無い普通レベルだが、HJCLや筆者の所有品の中ではトップクラスのカビの多さだ。後玉はカニ目なので取れるが次が外れない。前玉も一番上だけ外れるがその後は外せない。46Aもそうだったがカビの所に届きそうで届かない。やはりズームは100円とかよほど捨て値でもない限り買いたくないな。


★次回に続く
 銀塩写真ではダメだろうがデジタルで使う限りでは充分実用になる。但し35㎜フルサイズだと周辺がどうなるかは分らない。この焦点距離なら急落は無いと思うが。結論として名の通ったメーカー製のレンズならどんなレンズでもそれなりに結果は出る。あとは使う人の問題だという事。

買い物リザルト[17/06/08]

定例会in秋葉原2017春

=パワーLED(紫)=
 いずれ記事になるだろう。が実用品なので大して面白くも無いかも。

=クローズアップレンズNo.1=
 予定通りTELEPLUS MC6と、このクローズアップレンズNo.1と併用して拡大マクロ撮影を試みる。モデルはQuanta製のネトバノート用マザー(型番不明)だ。RAWで撮って×0.5してJPEG(75%)変換である。

teleplus_mc6
 これはクローズアップレンズを付けない方。そこそこシャープに写っていると思う。親レンズはいつものようにスーパータクマー55㎜ F1.8、絞りはF4.0である。流石に×2テレコンだけあって拡大率は高い。インターネット上で「ケンコーのテレコンつかえねー」と書いている人も多いが、少なくともHSDLではマクロ撮影には役に立った。

 更にこれにクローズアップレンズを噛ませる。テレコンは凹レンズ等価なので凸レンズ等価なクローズアップレンズで収差が微妙に補正される。度は調整しないといけないだろうが。

teleplus_mc6_cl1
 マクロ撮影でここまで寄れれば文句はあるまい。これ以上は顕微鏡写真の領域と言っても良い。ピントはIPX450に合わせたが、被写界深度が皆無に近いので基板の印刷がボケている。イヤまあもっと絞ればいいのだが、これでもシャッターが1/50なのでね。併用した状態でワーキングディスタンスも30㎝は確保されている。今回の狙いである収差補正はよく分らんので(^^; 色々調整するためにも次回はもっと段階的に度の強い奴も手に入れたい。

=ハクバ82φレンズキャップ=
 568円のゴミ。ダメもとで真ん中を破壊してやろうと思う。

hakuba1
 真ん中辺が当たるようだ。

hakuba2
 これに付ける予定。前玉が出ているので結構シビヤー。

hakuba3
 無理やり割って当っている部分を取り去る。玉に当たる事は無くなったが…。

hakuba4
 これで着いたけど根本的にこのレンズキャップは出来が悪い。強く摘むと真ん中の部品が取れちゃうし(^^; 加えてフィルターネジ頼りなので直ぐに取れてしまう。このレンズはフィルターネジが無いから被せ式が良いな。暇になったらネジが当たる所にゴムでも貼ってみようと思う。それより前にオリジナルを探した方が早いか。新品で買ったのだからどこかにある筈なんだけどなあ~。15年も経つと「何となくやった行為」は全く記憶に無くなる。

=コニカARボディキャップ=
 FT-1 Motorに付いた。コイツも早く使ってやりたいなあ。

=Kマウントリアキャップ=
 FA28-70に付いた。500円のレンズなので相応のモノを付けなくてはね。

=デジタル超音波洗浄機=
 電源を入れたら何処かが振動しているのか可聴音が大きくて驚いた。本当に超音波なのか?入れてみたけど騒音だけで泡も殆ど出ない。本来ならもっと泡が出る筈なのだが不良品なのだろうか?本物の超音波ならアルミ箔を入れるとボロボロになるくらいだ。ただ細かい振動を与えているだけじゃないのか(^^; 一応指を入れると超音波風呂みたいにくすぐったい感じはある事はある。デカけりゃ風呂にでもなりそうだがな(^^

http://news.mynavi.jp/articles/2015/03/19/donya/
 明らかにこの記事の奴と比べ泡が少ないというか殆ど出ないのでやはり不良品なのだろう。次はこんなショボイのじゃなくてもっと良い槽の大きな奴を買いたいな。これはそのうちバラして遊ぶ事にする。どうなっているのか中が見たいし。大昔のラジオの製作?に製作記事が出ていた記憶がある。

=PENTAXステッカー=
 何に貼るかはまだ決まっていない。無難なところは防湿庫かな?なおマンフロット三脚に貼った某カメラ屋とマミヤのステッカーはボロボロになりつつある(^^;


中神・大和田巡回2017春
 ゴールデンウィーク買い物の掉尾を飾る。

=TAMRON 40A=
 これは20xxxxという古い方だ。汚れは有るがカビは生えていない。ズームリングが使い込んでスコンスコンになっているのが多少気になる。カムが磨り減るともう元には戻らない。尤も筆者は両端しか使わないだろうから関係ないか。35-135という事で一応実用にはなりそうだが、24-135とまでは行かなくとも28-135くらいだとデジタルでも充分使えるのだが。300円に無茶言うなって?

=TAMRON 40A(2本目^^;)=
tamron_40a
 これは91xxxxという新しい方。製造時期がだいぶ違うのかコーティングの色が少々違っている。それと何故かこの新しい方にカビが生えている(^^; タムロンのズームなので完全にバラすのは無理っぽいが、カビの場所は前玉ではなく後ろの方なので取れる可能性もある。これは実験用にHSDLに払い下げる。

40a_35
 広角側(と言ってもAPS-Cなので標準だが^^;)で撮影してみる。勿論開放F3.5だ。マウントがESマウントなので自動絞りしか使えないのよ(^^; それにしてもコントラストが付かないので感動ものだ。このレンズの個性・味と言うよりはカビの影響なのだろう。

40a_135
 望遠側で撮影してみる。これも開放だが望遠側は更にコントラストが付かない。もはやこれはわざとやっているレベルである。このレンズはデジタルでしか使わないのでピントさえ悪くなければコントラストも色も関係無いのだが、実は後述のようにもっと使いにくい欠点があるのだ。

40a_1_4
 これが1:4マクロ機能を使った時の画像。このレンズは切り替え式で1:4~1:7のマクロ機能が付いている。これは35㎜域で1:4マクロを使用したもの。

40a_1_7
 これが1:7である。ちなみにこの機能を使っている最中は無限遠を撮影できない。つまりこれは直付け切り替え式の中間リングと考えることもできる。

40a_saitan
 イヤ実はこの機能が無いと35㎜でも1.5mまでしか寄れないんだけどね(^^; これがこのレンズの最大の欠点である。やたら使いにくいので世間の評判が悪いのも頷けたりする。筆者としては結構なおバカレンズなので気に入ってしまった。タクマーにもそろそろ飽きてきた頃だったので、このレンズが次期主力実験レンズになる予感!ズームってリバースリングに付けた場合はどうなるんだろう?いずれやってみたい。

=CANON FD 50㎜ F1.4 S.S.C=
 稍カビ気味だがこのレンズは元々開放ではコントラストが付かないホヤホヤレンズなので見分けが付かないかも(^^; 尤も逆光だとそれなりに新品と差は出るはず。いずれバラせればバラして磨きたい。それにしても何でカビが生えちゃうんだろうね?カメラを押し入れに入れている人って本当に居るのかな。カメラは何所かにしまい込むよりそこら辺に吊るしておく方が良いと昔から言われている。

fd5014ssc_open
 あ゛ーJPEG最低画質で撮っちゃった!(^^; 絞り開放で1/400秒(ISO200)である。ボケは予想通りだが弱光なので破綻はしていない。軸色がうるさいけどガウス系だから致し方ない。今思い出したけど、このレンズは15年以上前に荻窪で5000円位で売り払っている(それを買ったT見Z氏はまだ所有しているのだろうか?)。なのでうちの法律では買ってはいけないレンズだった。

=PKマウントキャップ=
 前回のが緩かったのでこちらを使う。

=OLYMPUS BCM-2=
 10日間保証だが交換するのは面倒くさいので正常に動いて欲しい(^^; でテストしたら充電器は正常なのだが、付属していたバッテリーがもはや腐っていて使えない…。これの放電器ってあるんだろうか?自作しても良いが。

買い物リザルト[17/06/04]

南ローカル巡回[17/04/28]

=FUJICA名義のフード=
 コレ何のフードだろうか?画角からの推定では35㎜くらいのフードだが、メーカー製は例外無しに極度に浅いのでこれで中望遠用の可能性だって充分にある。昔の専用フードは本当に役に立たない。遮光よりも保護の意味で付けていたのかもしれない。

fujica55hood
 実は下のAUTO ROKKOR-PF 58㎜ F1.4にピッタリなのだ。だから買ったのだが焦点距離が58㎜だとちょっと浅いな。尤もメーカーオリジナルフードもこんなものだが。

=Kマウントボディキャップ=
 *ist Dsにボディキャップが付いてめでたいが、テレプラスにもこれを付けたいので更にもう一つ増やしたい。

=SMC TAKUMAR 200㎜ F4=
 このレンズは比較的簡単にレンズの清掃が可能である…がその簡単な清掃を筆者が失敗したようだ。一部ホコリが残ってしまったよ(^^; でもカビは一部表面だけだったようでキレイになった。何でこのレンズはどれもこれも同じ部分にカビが生えるのだろう?環境のせいなら別のレンズにも生えそうなものだが。もしかするとコーティングが違っているのではなかろうか。コーティングが出来たばかりの頃はコーティングするとカビが生えづらくなると言われていたらしいから。

smct200mm4_before
 これが掃除前。タイルの目地に注目してほしい。この場合はシャドー部分のタイルの境界があいまいになっている。

smct200mm4_after
 掃除後に撮影したら解像力が復活して目地がハッキリしている。これなら普通に中古品として通用するのではなかろうか。ジャンク250(270)円で手に入ったのは喜ばしい。いずれまた東伏見演習場?で長距離砲のテストをしてみたい(TELEPLUSと共に)。

=AUTO ROKKOR-PF 58㎜ F1.4=
 前の奴よりキレイだったので*ist Dsでテスト撮影してみた。もちろんKマウントの*ist DsにSRのROKKOR58㎜F1.4が普通に付く筈が無い。Kマウントの方がSRのマウントより径が大きいのでレンズがスッポリ収まるから手で押さえて撮った。勿論フランジバックの関係で無限は出ないが近距離テストなので一向に構わない。

autorokkorpf5814_1
 ギャ~!乱視になりそうだ!昔のレンズらしくイヤなボケっぷり(^^; ちなみに昔のレンズは汚いボケのが多い。これは昔のレンズの多くが非点隔差が開いていたため。閑話休題、ピントの位置はボディキャップのミノルタの辺りだが、後ろの軍艦部や左のSRT SUPERの文字は完全にボケてしまった。

autorokkorpf5814_2
 ちょっとピントを向う側へ送ったら全部ボケてしまった。この絞りでモノを撮るのは不可能ではないが難しい。杵島隆さんのプラナーF1.4の写真を思い出す。殆ど開放で撮っていたらしい。よーやるわ。昔キヤノンFD 50㎜ F1.4 S.S.Cでマネしたけど良い絵は残っていない(^^;

autorokkorpf5814_3
 開放でもうちょっと距離を取る。白バックでハイキーな写真だとハロで幻想的な写真になる(^^ これはこれで使い道があるな。シャッタースピードはISO200でも1/400秒である。ここら辺は大口径の威力と言える。デジタル時代のF1.4はクソ高いので買う気にもならないがこれなら買ってもいいな。

autorokkorpf5814_4
 F2.8まで絞ったら球面収差の過剰補正分が殆ど消えて真っ当な描写になった。尤も極度に味が無くなったとも言える。やっぱりこのレンズ(に限らず大口径)はF1.4で使ってナンボだろう。筆者はどちらも好きだが。


東ローカル巡回[17/04/30]


真・南ローカル巡回?

=FUJICAレンズキャップ=
fujica_lenscap
 やっとネーム入りの正式なキャップになった。ちなみにリヤキャップはフジカ名義の正式な奴である。

=KOMURAレンズキャップ=
komura_lenscap
 あれ?筆者がコムラーだと思っていたレンズはPetri 180mm F3.5だった(^^; いつの間にか手放していたのか。尤もPetri 180mm F3.5は明確にコムラー製だけどね。仕方が無いので上のロッコール5814に付けた。かなり似合っている(^^

=MINOLTAレンズマウントキャップ=
 同上。同じくロッコール5814に付けた。500円のレンズだから70円ので充分だ。

=PENTAXレンズキャップ58φ=
pentax_lenscap58
 タクマー200㎜F4に付けた。これで完璧。

=PENTAXレンズキャップ49φ=
pentax_lenscap49
 タクマーは不人気で市場に掃いて捨てるほどあったが、最近は勘違いしたデジタル時代の人々が買い漁っているので減ってきた。HSDLとしてはそろそろM42からはオサラバしたいところだね。

=レンズマウントキャップAPK=
 ちょっとユルイ…。

=HEXANON AR 85mm F1.8=
 ARはフランジが非常に短く*ist Dではテストできない。そのためテストはα7に投げるのでまだやらない(^^ 来月辺りには出来ると良いなあ。予算の関係上7RII→妥協して無印で行ってしまうか?

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