SIGMA HIGH-SPEED ZOOM-ι(イオタ) 80-200mm F3.5-4


 今年の夏の暑さは尋常ではない。あまりに暑いので地表からの照り返しもハンパではない。その影響でseeingが大発生してHJCLの望遠レンズ定型テストが不可能になっている。そのため予定を変更して当該物件の状態を確認した後、まずは一般撮影テストからやってみる事にした。これである程度時間稼ぎをしているうちにseeingも軽減するかもしれない。ま、10月辺りまでは無理だろうけどね(^^;

 今回テストするのはまだ手に入れたばかりのズームιである。このレンズは初代ズームκと同世代のレンズで、製造番号のアタマにΣ-が付く世代である。HJCL的にはこの世代のΣレンズは当りという感触なのだが、当該品は中玉にΣクモリが発生しているのでいろいろ障害が出るだろう。それも含めて状態と性能の一端を確認したい。このズームιは"HIGH-SPEED"という冠号でも判るように一応当時としては大口径のズームの扱いである。筆者はこの製品が発売された当時はまだ写真を始めていなかったので後継があるかどうか知らないが、検索したところではIIやAFの存在は確認されていない。一発屋だったのかな?このレンズに関する情報はイソターネット上には皆無に等しい。実写記事などは皆無である。誰かが書いた不完全な製品情報を転載屋がコピペしまくっているのが現状だ。HJCLで取り上げる意義はあると言える(^^


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 御覧のようにコーティングは生きている。剥がれているとフラッシュの光を反射してしまいます。前玉に汚れが微妙に見られるがレンズクリーナなどで拭けば取れるレベル。前群にカビなどは一切なくて傷も無い事から状態は良いと判断される。

 全体の傷は中古品のレベルで言えば「中の下」と言ったところ。評価を下げているのはほぼフード前縁の傷で、これは恐らくジャンク在庫時に付いた傷である。入荷した時は上物だったとも考えられるのでもったいない。落下したと思われる傷も無いので鏡筒が歪んでいる事も無いだろう。ズームに限らずアルミ鏡筒は一度落とすと大なり小なり歪んでしまい決して元には戻らない。


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 このようにフードも生きている。この世代は植毛紙が貼ってある手の込んだフードである。この次辺りから溝が切ってあるだけだったり、最悪は組み込みフードではなくプラスチックの内側がツルツルの付属フードだったりする。別付けの方が効果が高いんじゃない?と思うかもしれないが、それがジャンクに付属していることは稀である。つまりカネが掛かるのだ(^^;


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 シールを剥がした痕跡は無い。この辺りが全く分解されていない事を表している。HJCLにとってはこの物件は「良い買い物」となる(^^

 絞りは軽快でクリックも歯切れよく完全な状態である。もちろん羽根に油などは回っておらず動きも快調だ。指でレバーを弾いた時の瞬発力も良好だ。但しこの時代のΣらしくズームリングのカラーは限界近い。まだスコンスコンにはなっていないし下を向けると下がってしまう事も無い。だが中間画角に合わせるのはちょっと難しくなって来ている。つまり動きがスムースとは言えない部分がある。但しピントリングはグリスも効いて非常にスムースである。


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 旧KMマウントである。マウントに傷や歪みは全く無い。レバーも正常∧曲りも無い。奥まった後玉周りにも傷は無いしカニ目を回した跡も無い。ネジロックを剥がした跡も無いので非分解品なのはこれで確定だ。やはりメカ的には「良い買い物」確定だろう。上記の通り中玉のクモリだけが唯一の光学的な瑕疵である。

 子細に観察すると後玉にホコリが積もっている。これは裏返したまま棚に置かれていたからだ。リヤキャップがあれば裏返しておく必要はないのでこれはジャンク品になってからの在庫が極度に長い事を表している。それを裏付ける証拠としてこのレンズは価格が改定されているのだ。この店では相当長い在庫でない限り価格が下がる事はあり得ない。


★続く
 状態はクモリが気にかかるがこのままテストしてみる。定型テストまでやってから分解掃除をしてみたい。このΣクモリは完全には取れないけどね。