ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

2018年02月

Tokina SZ-X210②

Tokina SZ-X210 70-210㎜ F4-5.6(857xxxx)


Tokina SZ-X210①

 前回の続き。予告通り今回はいよいよバラしてカビ取りをする。当初の予定はそのつもりだったのだが…。


★仕方が無いのでバラす
 ズームをバラすのは難しい。微妙な組み立て・調整で画質が異なるからだ。これなら単焦点で絞りまで含めて全バラする方が簡単だ。それにも拘らずズームをバラしたくて仕方が無いのは何故か?よく解らないから余計に中身が気になるのだろう。組み立て時の何かの加減で画質が良くも悪くも激変する場合もあるから余計にロマンを感じる(^^ 元々ズームレンズ自体が一本で複数の個性を持っているので、裏表の無い単純な短焦点レンズよりもジャンカー的には魅力があるのだ…と言い訳を書いたところでレンズをバラす。


bunkai1
 前玉群には異常はないので後玉から行ってみよう。しかし…これって罠っぽいよな。何でこんなにこれ見よがしに穴あきリングが見えるのだろう?デカい穴でどんな道具でも思いっきり回しやすそうだが、回したらとんでもない事になったりするかも。再起不能は無いと思うが…。最近騙され続けているので不信なんだよ(^^;


bunkai2
 出ーたよ!出たよ!何じゃこのネジロックは。何か回しづらいと思ったらこんなに塗してあった。しかもこの粉がレンズの中にバンバン入ってしまって出てこない(^^; やっぱやられたよ~。


bunkai3
 おまけに何だこの後玉ユニットは!非分解式じゃないか?カニ目が何処にも無いんだよね。ゴムで回せば回るかもしれないが人柱はイヤだね。という事でこの後玉ユニットの表裏と中玉の後ろを拭いただけで退散する事にした。まだ詳細テストしていないのでブチ壊すのがイヤになった。終わった後でバラせばいいだろう。

 という事で予定を変更して分解は止めました(^^ いずれやるかもしれないしやらないかもしれない。期待していた人には申し訳ないがHJCLはそう言う事もあるのだ。突撃するばかりが能じゃないんだよ。


★テスト
 玉を拭いてカビが半減したのでもう一度テストしてみよう。生憎夜なので同じものは写せない。マクロ域でテストしてみる。


test070mc040
test070mc040t
 まずは70㎜開放で撮影してみる。下は中央部の原寸である。オオッ!これはなかなか良いではないか。コントラストも付いているしカビが取れた効果なのかな?


test210mc056
test210mc056t
 次は210㎜開放である。ブブッ!何だこりゃ。いきなり70sに逆戻りだ(^^; カビのせいではなく球面収差だったのかも。長い方の開放は特殊用途かなあ。


test210mc080
test210mc080t
 試しに一段絞ってみた。コントラストが急激に上昇したのでやはりこれは残存カビの影響ではなくレンズの特性だと思われる。まだハロっぽいが良い感じになりました。尤もこれF8.0だから当たり前だよな~。


★続く
 バラしが無しになったので次回は定型テストを行なう。


★おまけ
 実はこのレンズの記事は大部分は2017年9月3日に書いたものだったりする。その当時はクソ暑かったので望遠の遠距離テストは非常に苦労した。何でHJCLは曇りや日没前にレンズテストしているのかその理由がこれだ。

seeing
 日中ガンガン日が照っている時に撮影するとこんな感じになってしまうのだ。これはseeingに因るものだ。マンションと撮影地の間に大きな池があるのがいけないらしい。この時期日中は望遠レンズのテストは出来ない事になるね。冬になったらなくなるのだろうか?

HJCL日記[18/02/15]

 年末から年始にかけて急に昼間さえもクソ寒くなってきた。今は外で写真を撮る季節じゃない…イヤイヤ、元々外で写真なんか撮っていないじゃないか。じゃあいつもと変わらないって事だな(^^


★レンズカタログ発掘
 先日の呪離暗亭カタログ発掘調査で掘り出されたカメラ関係のカタログだがまだ調査が終わっていない。特にカメラのは現在は興味が無いので全く見ていない。レンズカタログも似たようなのが沢山あってどれが新しいのか並べている最中だ。

 それで判ったのだがタムロンはAFになった頃にもう貰うのを止めたのか1993年末が最後だった。尤もタムロンはサイトにある程度の情報があるので問題は皆無に等しい。シグマは御三家の中ではMFレンズが非常に充実していたので1998年まであるようだ。ただシグマは1995年前後が数年欠けている。トキナーは元々少ないが1995年までで止まっている。その他のメーカーのカタログはまだ発見されていないが恐らく無いのではなかろうか。元々レンズ専業メーカーは御三家以外は眼中になかったからだ。

 90年代の半ばからAF化により35㎜カメラに殆ど興味が無くなり、その後は大判・中判カメラに集中するようになってきた。90年代後半は大判かマミヤ6・7しか使っていなかった記憶がある。ニコンのAi以降の新しい方やエロス系を売却し始めたのもこの頃で、何故かOMズイコーを除く全てのメーカーの28㎜だけを親の仇のように(名玉含む)数十本売却しているのがおかしい。当時の事情は全く覚えていないがなぜ28㎜だけ無くそうとしたのだろうか。事故で頭打っておかしくなったのか?(^^; でもパーになったにしてはOMは残しているから何らかの意図があったのだろうが解らない。

 取りあえず早いところスキャナーでカタログをスキャンできるように、まずはPCから体制を整えなくてはいけない。実はうちのスキャナーは古代の奴でPC-98系と共用でW9xでしか動かない(^^; もちろんUSBなんて上等なものは無くMACみたいにパラレルだったりする(一応当時の高級機なんだけど)。あー面倒くさいな。でも新しいのを買うのはイヤです。


★Super Takumar 55mm F1.8(143xxxx)その後
 「今日の作業[17/12/06]」に於いて無限遠がメチャ狂いと書いたSタクマー55㎜F1.8(非Th)だが、筆者は「マウントアダプターで調整したんじゃないか?」と予想した。実際今日マウントアダプターで試してみたら予想通り∞が出た。K&FのM42→NEXマウントアダプターで撮影している。


mugen_m42nex
 シャッターが足りなくてオーバーの上に球面収差で解りづらくて申し訳ない。このマンションの距離は700mだが∞撮影も可能だった。使用したK&Fのマウントアダプターのフランジバックは実測43.4㎜しかない。マイクロメーターやノギスどころか百均の物差しで測っても短いのは一目瞭然である。規定より3mmも短いこのフランジバックでSマウントレンズをソコソコ合わせたら∞が足りなくなるのは必然だ。やはり予想通りマウントアダプター厨房だったか。これからはペンタックスのカメラで合わせろ…って言うかお前はもうレンズをバラすの止めろ。頭を使った作業は根本的に向いていないんだから。

 ミラーレスの中華マウントアダプターはどれも似ているように全部何処かのマネなんだと思う。フランジバックも元がそうなっていたからマネしたのだろう。中華製はマウントアダプターに限らず似たような製品ばかりで間違いがその通りにコピーされているのが多い。これを「バカがバカをコピーし続けて大きな流れになる」というオレ称”インターネット現象”と呼ぶ。多くの場合良い方には流れないようだ(^^;


★NIKKOR-S Auto 50mm F1.4
 何となく買っていたら2つになってしまった。2700円の奴はOHの必要は無いのだが486円の奴はカビがわずかにある。


nkj5014_1
 取ろうと思って前玉は外せたけどその先が全く進まない。そもそも前玉は汚れていないんだ。


nkj5014_2
 インターネット上ではこのネジを外すと書いてあるのだが…イヤこれメイチ繰り出しても頭が出ていないから回せないぞ?(^^; 飽きてきたのでもうや~めた。


★Webサイトより

>チャンプカメラ
http://www.champcamera.co.jp/
 聞いた話だが以前からここでジャンク市をやっている(やっていた?)らしいのだが、殺伐としていて面白いらしい。遠いから自分で行きたくは無いけど誰か実況してくれないかな(^^ 十数年前にはフジヤでもジャンク市をやっていたんだよね。その時にオークションをやっていて結構面白かったが覚えている人が居るだろうか?オレはカメラでもレンズでもアクセサリーでもない、イヤ写真用品ですらないレンズ調整の治具のようなモノを落札した記憶がある。部品が足りず未だ使用法が判らないので誰か鑑定してください(^^;

>MINOLTAギャラリー
http://www2.plala.or.jp/akaneya/nisida/page3/page300.html
 MINOLTA CAMERA製品を集めた労作である。個人的にこの中ではミノルタSR時代のボディが気になる。ここに出ているのは大体使った事があるけど、まだ一度も所有した事が無いSR-2とSR-3は欲しいな。AF以降のはどのメーカーのもウンコだけどα7000にはそれなりに思い入れがある。一時的とは言えαに負けて性格が捻じ曲がった官能エロスよりは好きだね。


★デジタル一眼カメラに望むこと(^^
 我々はデジタル一眼ではレンズのテストしかしないので、その仕様要求はプロカメラマンやその辺の一般人とは全く違ったものとなる(^^

①超高解像度が必要だ。APS-Cで5000万画素行ってみよう!m9(^^ これでミリ当り180本を超えるのでレンズテスト用としてほぼ満足か。センサーは製品は無いが技術的には現在でも可能だ。コンデジではミリ当たり400本を越えるのがある。筆者のニコポンL32がこれにあたる。解像力乾板はミリ当たり250本を超えていたので本当はそのくらい欲しい。

②高感度など不要!それより低感度耐性が必要だろう。最低でもISO25、欲を言えばISO12が欲しい。今のままでは晴天時F1.2で撮影不能だ。ヘッド(ポスト)アンプは超ローノイズに徹して低ゲインで構わないのだ(^^

③上に関連して超高速シャッターも要るな。デジタルでもメカニカルでも良いけど最低でも1/16000くらいは必要だろう。あまりに短時間露光だとC-MOSセンサーでも相反則不軌みたいな現象が起こるのだろうか?

④出来ればフランジバックが極度に短くアダプターが豊富な事。これだとミラーレス必須になるか。ニコンはアホでもう終わりだからソニーよ何とかしてくれ(^^ 超広角で端の方が紫色になりそうだから裏面照射センサーは当然必須となる。

⑤現状HJCLはMFレンズ専門でAFなんて99%使わないからその性能はどうでも良い。その代りミラーレス必須とまでは言わないがDSLRでもMFアシストのようにピントを拡大して確認できなくてはいけない。色なんてデジタルだから計測できればどうでも良い。デジタル収差補正はもちろん禁止だ。連射なんて電池を食うだけの無用の長物で必要なし。雨の日は決して撮影しないので防滴である必要はなし。ついでに寒い所には好き好んで行かないので耐寒である必要は全く無い。ラボで電池使用はアホ臭いのでACアダプタが使えるのは当然だ。

 まあこれを全て実現したカメラを売り出しても筆者以外は誰も買わないだろう。この中の多数がマッチしたカメラが筆者にとっての理想のカメラとなるわけだ。

 シグマが自社のフォビオン使用MTF測定器を市販してくれれば一番良いのだが(^^ イヤ高くて買えねーか。昭和のニコンMTF測定器は億単位(メンテだけで数千万^^;)だったけど、ある程度簡略版で構わないのでリッターバイクくらいの値段で何とかならないだろうか。そのくらいなら馬券当てたら買っても良いし。10ギガオシロより断然安いし(^^

Tokina SZ-X210①

Tokina SZ-X210 70-210㎜ F4-5.6(857xxxx)


 2017/09/01に50円で入手したレンズである。既にOMマウント版を入手していたがスッカリ忘れて再び買ってしまった。もっとも前回の半額なので知っていても買ったかもしれない。


★仕様
szx210_70
 トキナーブランドの非常にコンパクトな70-210㎜である。大きさは標準ズームと大差無いくらいだ。筆者は写真をやっていた頃はズームレンズには全く関心が無かったが、それでもこのズームを見て「これが70-210㎜?!」と驚いてドヨ橋で覗いてみたのを記憶している。小型化のためF4-5.6と望遠側が暗いのが欠点だが、廉価の割に贅沢なSDレンズを使っているので期待できる。動作チェックで試写した感じではやはり色収差は少なそうだった。


szx210_210
 ちなみに210㎜の時はこんな感じ。大した違いは無いので取り回しは非常に楽だ。

 トキナーは既にメーカーとしては存在しない。ケンコー・トキナーとなっているが存続会社はケンコーでありトキナー光学は吸収消滅している。現在のトキナーはレンズのブランド名として残っているに過ぎない。そのためサイトには過去製品の情報も無く製品仕様を調べるのは不可能に近いが、HJCLには幸運にも1995年のカタログがあったので仕様を書いておく。

焦点距離:70~210mm
明るさ:F4~5.6
レンズ構成:8群12枚
画角:34°20'~11°50'
最短撮影距離(マクロ):1.3m
マクロ最大倍率:1:5.1
最少絞り:32
絞り羽根:6
フィルターサイズ:52φ
全長:85㎜
最大径:66㎜
重量:420g
希望小売価格:34,500円(1995年9月現在)
マウント:MD/Ai-S/KA/FD/Y-CX

 補足するとマクロはシームレスで事実上は最短撮影距離がマクロ域である。ユーザーはマクロ撮影を特に何も意識する必要はない。参考までにAPS-Cだと最大1:3くらいになるのでかなり大きく写せる。なおこのカタログにはマウントにOMが無いが、HJCLはOMマウントの製品を所有しているので存在はするようだ。時期によって無かったり有ったりしたのかも。


★状態
 今日はヒマなので(ウソ)ちゃんとカメラ屋の査定のように細々とチェックしてみるか。

①本体の外観、傷・汚れ
 本体はジャンク品とは思えないほどキレイである。ジャンク棚で揉まれた時に付いたと思われる小傷が2、3あり極上美品とまではいかないが中古良品と言ったところか。

②レンズ前玉の状態(傷・汚れ・クモリ)
 前玉には目視できる傷は無いし、コーティングの異常も全く無いベストな状態である。

③レンズ中玉の状態(傷・汚れ・クモリ)
 絞り前後の玉に僅かだがカビが確認できる。

④レンズ後玉の状態(傷・汚れ・クモリ)
 僅かにカビが確認できる。目視できる傷は無い。コーティングはカビを取らないと分らない。

kabi_szx210
 玉を覗いた時のカビの様子。一枚一枚は僅かだが総合するとそれなりのカビである。このようなカビは解像力などにはぼほ影響は無いがコントラストを低下させるため眠い感じになるだろう。

⑤ズームリングの作動状態
 動きは悪くないが真下に向けるとズームリングが下がる時があるのは元からなのか?具体的には70㎜の時は下がらないが110㎜以上にすると150㎜過ぎまで下がってしまう。突き当りまで下がってしまう事は無いがこれは稍気になると言えば気になる。尤も真下や真上にカメラを向ける事は通常まず無いだろう。斜め45度程度では上がりも下がりもしない。恐らくローラーは少々摩耗しているだろう。

⑥フォーカスリングの作動状態
 全く問題は無いが稀にシャリっとした感じがある。ヘリコイドに異物が混入しているのだろうか。

⑦絞りの状態・作動(錆・油回り・自動)
 新品時と変わらず良好である。

⑧絞りリングの作動状態(硬さ・ガタ)
 あまり感触は良くないが新品時でもこんな感じだったと思う(^^;

⑨マウントの状態(摩耗・変形)
 あまり使われていないのか変形も摩耗も確認できない。使用時に必ず付くホンの僅かなスレが確認できるのみ。良好と言える。

⑩全体の緩み・振った時のガタなど
 ガタや緩みは無い。振った時に僅かにカタカタと音がするが、新品時もこの音がしたかもしれない。少なくとも劣化から来るガタは出ていない。

⑪∞が出るかどうか?
 アダプターではワイド側がオーバーインフだが開けられていないのでメーカー調整のままだろう。逆にテレ側はギリギリなのでカメラやアダプターを選ぶかもしれない。うちのよく調整されたSRT Superでは∞はほぼ出ていた。調整はそれなりにとれているだろう。

szx210
 210㎜開放による無限遠の撮影。無限遠は出ており問題は無い。

szx210_toubai
 ピントは700mなので厳密に言えばアウトフォーカスだが羽田発のジェット旅客機だという事は確認できる(^^


★分解前テスト

=70㎜=
before070m040
 ワイド端だがこれはかなり酷いな。夕方の弱光下で右サイドライトだがカブったようにコントラストが下がっている。デジタル写真なら補正でどうにでもなるが我々はデジタル写真は考えていない。これではダメですね。

=210㎜=
before210m056
 同じ環境でテレ端だがこれもダメ。デジタル処理に失敗したようにしか見えない。ちなみに経験上ではカビがあるとホワイトバランスが誤爆するのか汚い色になる。何でだろう?いずれにせよカビ取りしなくては安心して使えないようだ。


★続く
 それにしてもカビだけとは思えないほどコントラストが低いのでもしかしたらクモリもあるのかもしれない。以前テストしたTAMRON 40Aもカビを取ったら実はクモっていたというパターンだった。ガラスがクモっていたら残念ながらお仕舞いだ。次回はいよいよバラしに入る。

ZEN仕上げ除去(^^;

SIGMA DL ZOOM 75-300mm F4-5.6[KAF]編


 シグマの90年代前半のレンズにはZEN仕上げという表面処理が行われている。新品の時には滑りにくく無反射で高級感もあって良いのだが、この塗装が加水分解により経年劣化するのだ。加水分解した塗料は手に付着するくらいのノリ状になり、稀にズームリングの動きも阻害してレンズは全く使用不可能になる。これの除去作業はジャンカーの重要な仕事の一つなのだ(^^

 実は最初に不幸箱の中に入っていたDL3570の作業を行なったのだが、記事にする気が無かったので写真を撮っていなかった。今回記事を書くにあたって新たにZEN時代のSIGMAレンズをわざわざ買ってきた(^^ ちなみにZEN塗装を除去すると完全に元通りに戻るわけではない。絞り表示やレンズ名など表面の一切の印刷が消えてしまい非常にカッコ悪くなるだけでなく、ズームの焦点距離表示も無くなって極めて不便だ。つまり本質的にはこれは修理ではなく、非常に悪い状態から別の悪い状態に移行するだけだ。それでもベタつき状態だと見てくれ以前に使用できないので除去するしか手が無い。


★用意するもの
 以前書いたがXR-7のグリップも同じように加水分解によるものだった。他にもプラスチック系カメラの「グリップがベタつく」などと書いてあるジャンクの殆どがこれに当たると思う。このゴム塗料は経年劣化により各所で被害をもたらしているのだ。この加水分解したゴム塗料の一種はアルコールでほぼ完全に除去できる事が既に判明している。


al78_1
 先日入手した家庭用消毒アルコールである。1リッター500円未満なので経済的だ。他のベンジン・シンナー・ケトン類の有機溶剤は止めた方が良い。これらでベタつきが取れたとしても本体も死んでしまう可能性が高い。燃料用アルコールは安いが毒性が心配だ。


al78_2
 本来消毒用のため口がスプレー状なのが面倒くさい。これ無しの詰め替え用を販売してくれないだろうか?もちろんもっと安くね(^^


biz_ore
 拭き取りはこちら。格安のペーパータオルである。筆者はこの手のペーパータオルが非常に嫌いだがこの際だからしょうがない。トイレットペーパーなどチリ紙でやったら悲惨な事になったのでもうやらない。やりたい人はご自由にどうぞとしか言えないが、紙の場合はアルコールと違って大して価格は違わないので止めた方が良いと思う。節約はもっと効果の高い所でやりましょう(^^


★SIGMA DL ZOOM 75-300mm F4-5.6[KAFマウント]
 2017年忘年会の時に268円で入手したレンズである。直進式のズームリングに大きなゴムが巻いてあるので安全地帯(持ってもベトつかない部分)が比較的大きい。除去作業はやりやすい部類に入る。ただKAFマウントの為にEOSやαに比べ絞りリングの分だけ面倒が増える。このリングは非常に凸凹しているのだ。


dl75300zen_1
 Σのレンズは同じ名前で幾つも種類があるがこのタイプである。価格シールの貼ってあるゴム部分と、ピントリングのゴムが安全地帯となる。ここを持って除去作業を行なうわけだ。


dl75300zen_2
 伸ばしてみたら下の部分はまだ劣化が進んでいないようだ。ただ劣化は既に始まっているので除去は行なう予定である。一番最後に回すけど。


dl75300zen_3
 ゴムは外せる限り外すのが基本だ。外したゴムは中性洗剤で洗う。ブラシも使えばゴムの宿命である白化もある程度直る場合が多い。経年劣化しているモノもあり、外す時に下手すると破れやすいので注意。ZEN時代(90年代)のなら大丈夫だと思うが油断は禁物。

 保護フィルターやマウントキャップは着けたまま作業を行なう。フィルターが無ければキャップでも良いがすぐ外れるのでフィルターの方が良い。HJCLでは保護フィルターなどは使わないので捨てるつもりで付けておく。


dl75300zen_4
 絞りリングもZEN仕上げだ。絞り表示が全く無くなってしまうのが痛いが、KAFならば本体で絞り制御できるので気にしなくても良いと言える。それより凹凸が多くて拭きづらいのが骨が折れる部分。完璧に仕上げるにはリングを外した方が良い。そうでないとリングの隙間がベタついたままだ。溝があるので外してどぶ漬けでも良いかもしれない。

 次は距離指標の窓の周りだ。この辺りはピントリングを回す時に触れてしまうのでかなり困る。拭いているうちに下地処理も一部剥がれてきてしまった。これが剥がれるとマットブラックがテカテカのエンプラ仕上げになるのでカッコ悪い。

 その次はレンズ名が書いてある部分だ。このレンズは銘板が無いレンズだ。レンズ名はここにしか書いていないのに今回の作業で消えてしまうので、除去前に撮影するなりメモしておかないと後でレンズ仕様が判らなくなって泣きを見る(^^


dl75300zen_5
 最後は被写界深度などが印刷してある本体鏡胴部分だ。面積が非常に大きく面倒な部分である。まだ劣化していない所は取れないので放置。300-200-135-100-75㎜の表示が消えてしまうのが困る。筆者はズーム世代ではなくズーミングでフレームする事は無い。焦点距離はある程度決めて撮るので無いと困る。いや筆者の好みなどどうでも良い。HJCLの定型テストが出来なくなるのが困るのだ。まあカンでやるしかないか。或いはEXIF見ながら手で書くか…それもめんどくせえな(^^;


dl75300zen_6
 スッカリ消えちまいましたぜ(^^; 表面の印刷は何処にも何にも無し。シリアルナンバーは窪みにシールが貼ってあるだけなので安全だ。ちなみに普通にやれば下地処理は消えないのでマットブラックのままである。この艶消し下地処理だけでも品位は失われないと思う。


dl75300zen_7
 完成した。ゴムも洗ってキレイになったので一皮むけて愛着がわく。だいたい美しく蘇ったが表示が全て無くなってしまったのでもうこのレンズはシグマとは言えない。謎のレンズとして活躍してもらおう。それにしても何でAFなのに直進式ズームなのか理解に苦しむ。考えられるのは「MFと共用にするため」「部品が余ったから」くらいか。どちらにしてもただのケチという事で片づけられる(^^

 取りあえず焦点距離表示を何とかしなくては。これがないと定型テストが不可能となってしまう。ズームレンズは焦点距離に依って性格が変わるところに唯一の面白さがあるので重要なのだ。

TAMRON 17A③

TAMRON 17A 35-70㎜ F3.5


TAMRON 17A①
TAMRON 17A②

 今回も引き続き分解前テストを行なう。今回はマクロ域のテストである。


★マクロ
 このレンズはM.O.D セレクターシステムと称する機能を搭載している。これをご存じない人の為に書いておく。基本的にこのレンズのマクロは70㎜時であるが、ズームリングがどこに有っても最短撮影距離0.9mより繰り出すと自動的にズームリングが70㎜の方に移動していくのだ。いきなり70㎜になるのではなく徐々に長い方へ移動していくので、見かけ上は最短撮影距離が焦点距離が長くなるほど短くなるように機能するのである。慣れれば使い勝手が良いのかもしれないが、ズーム世代(注)ではない筆者にとっては焦点距離が勝手に変わってしまうのは少々違和感を感じる。今回のテストは70㎜だけである。ピントリングは0.25~0.35の間でほぼマクロの最短撮影距離である。ピントはいつものようにレバーの赤丸辺りに置いている。露出はアンダー病が出るのでオートは止めてマニュアルでやった。開放だけ+2/3補正している。画像は上が1/2全画面で下が中央付近の元(RAW)サイズだ。

=F3.5=
070mc035
t070mc035
 このくらい近づくので手前からレフで起こしたかったが、何しろワーキングディスタンスが皆無に等しいので無理だった(^^; 僅かに甘さがあるがハロは少ないし開放から充分に実用になる画質。

=F5.6=
070mc056
t070mc056
 開放時に僅かにあった甘さが無くなりシャープになった。これってマクロ補正しているのか?と思ってしまう。このサイズであれば全く申し分のない画質だ。まあこれは遠・中距離テストの時も感じていた事だが。

=F8.0=
070mc080
t070mc080
 更に画質が向上した。真ん中辺りはもう飽和状態だ。

=F11=
070mc110
t070mc110
 厳密に言えば更に画質が向上している。周辺も含めればこの辺りが最高画質かな。

=F16=
070mc160
t070mc160
 あっオレが写りこんでいる!現役を離れて久しいとベテランであってもこんな間抜けな失敗をします(^^; 閑話休題、フレアっぽくなり一寸コントラストが落ちたがシャープさは変わらないっぽい。

=F22=
070mc220
t070mc220
 ホエ?真ん中に盛大なフレアーが発生したぞ(実はF16でも発生している)。以前SIGMAズームで発生したあれと同じで、かなり絞って小絞りに於いて発生するのだから回折の影響なのだろうか。尤もこのレンズはカビだらけなので無ければ発生しない可能性も高い。この辺りはカビ取りに成功したらまたテストしてみよう。

=F32=
070mc320
t070mc320
 フレアーがかなり酷くなった。こうなるともう実用は不可能レベルと言える。早くカビ取りしてテストしてみたい。なおフードはいつものハマの折り畳みゴムフードを一杯に伸ばして使用している。純正品(42FH)はAPS-Cや4/3では浅くて実用にならない。

 今回テストしたマクロ機能だが、手負いのレンズにもかかわらずなかなかの性能を見せた。ひょっとして近距離補正をしているのだろうか。何にせよ他の廉価ズームで見受けられる「ただ寄れるだけ」のレンズではなくマクロ用として充分に使えるレンズだと思った。

注:ズーミングに依ってフレーミングを行なう事に全く抵抗の無い世代のこと。ズーミングに依ってフレーム(画角)だけでなく遠近感も変化するのだが気にならないのだろうか?筆者は遠近感に問題があまり無い望遠・超望遠ズームを除いてはハッキリ受け付けない。尤もこのマクロ機能の場合はマクロなので遠近感は全く気にならないし、ズーム倍率変更によってF値も変わらないので実害は無いだろう。


★続く
 次回はカビ取り作業である。成功したらもう一度マクロテストもしてみたい。なぜ成功したらと条件を付けるかと言うと、このレンズは分解が非常に面倒で失敗するのではないかと危惧しているためだ。HJCLではこれまでにレンズ3本死なせているし自信は無い。

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