ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

2018年07月

記事移動[18/07/29]

 HSDLにあったカメラの記事をこのブログに移動させた。特に必要性を感じなかったが「ブログの引っ越し機能」を試してみたかったから。リンクが張ってあったら不都合が出るかもしれないな。ま、お試しという事で。


買い物結果[18/06]②

アキバ巡回[18/06/17]
 アキバのいくつかのカメラ屋はしばらく回っていないなあ。あまりに分散しているので回りにくいんだよね。「どうせ高くて買えないから回る必要も無い」と思っている部分も多少あるが…(^^; 今回もガード下とレモン社しか回っていない。

=RMC Tokina EMZ 35-105mm F3.8-4.8=
 トキナーの超地味な標準ズーム。このメーカーが傾いた理由がよく分る製品だ。この個体の主な不具合は一番ヒドイのが前玉コーティング剥がれ、次が中玉のカビである。前玉のコーティング剥がれは年数と使用度から見て異常とも言うべき剥がれ方で、元々その部分のコーティング自体が弱かったのかもしれない。前玉・後玉のカニ目に傷は無く、ゴムの下のテープも剥がした後は無い。つまり分解はされていないという事だ。カニ目は入手時に必ず確認している。

tokina_emz35105
 コーティング剥がれには特に影響は感じられないがカビはやはりコントラストを低下させている。がしかし思ったほどではないかな。このままテストにかけて気に食わなければ分解してみたい。

=SIGMA ZOOM 80-200mm F4.5-5.6=
 この時期のΣはギリシャ文字時代なのだがこのレンズにはその冠が無い。輸出用なのかもしれない。ズームリングはほぼ完調でこの時期のΣとしては非常に珍しい状態だ。それだから買ったとも言えるのだが。前玉や後玉の状態もジャンクとしては非常によろしい状態だ。但し中玉に薄らとクモリが出てきている。

sigma_802004556
 コントラストの低さはやはりクモリの影響か。ただこの程度ならデジタルには全く問題は無いのでテストはこのまま行う。

=SIGMA ZOOM-α 35-135mm F3.5-4.5=
 ズームリングが異様にユルユル。これって誰かがバラしてオイルを注したんじゃないか?そういうバカな人はいつの時代にも居るものだ。がしかし素人が開けた跡は無いんだよなあ。代わりにメーカーで開けたと思われる痕跡がある。ひょっとしてユーザーに「軽くしてくれ」とか頼まれて作業したりしたのだろうか?ニコポンのプロサービスなら有り得ない事でもないけどな(目撃したことあるし^^)。それはさておき玉の状態は今回の中で一番イイかもしれない。

sigma_mf_alpha
 このレンズちょっと只者ではないな。ワイド重視なのだろうが鏡筒の中を覗くと興味深い。写りに反映しているかは分からないけど、レンズ自体に興味のある人は中を見てみるといいよ。

=キャップ類=
 キャップが300円の店は辛い。Σが手に入らなかったがいずれHOで手に入るだろう。


西多摩巡回[18/06/24]
 こうして見るとあがりはショボイけど面白かった。

=D57KB=
d57kb
 実はこのフードは持っていなかった。最近は滅多に売っていないし、売っていたとしてもボロボロで付けるのが恥ずかしいような奴ばかり。偶に美品があるとレンズより高い値が付いていたりする(^^; 漸く手に入ってめでたしめでたし。ま、見て楽しむものですよ。

=D55NA=
 MC5814は持っていないんだった…仕方ないレンズを買おう。でもこれ浅すぎて実用にはならないだろうな。

=Sタクマー135㎜・200㎜用=
13525_2004_hood
 うちにあるのはSMC2004だった(^^; まあ同じものだが。

=瑞光35704フード=
zuiko3570_hood
 瑞光35-70㎜F4自体を持っていないし特に買う気も無い。これは流用するのだ。ゴムが白化してみっともなかったが洗ったら完全美品に昇格。

=今日のキャップ:リヤ&ボディ=
rm_cap
 クーッ!これが泣かずにおられようか。FDはそんなに珍しくはないがそれ以前のボディキャップは貴重だ。これでRMはもう手放せなくなったな(^^;

ftb_cap
 こちらは割とどうでもいい。これA1時代のだから合っていない気がするし(^^;

=今日のキャップ:フロント=
 52や49が多いが必要なのは55と58という罠。やり直しや。

買い物結果[18/06]①

 以前は「他人と同じものを買うのがイヤ」「不人気物件は安いから」という消極的な指向だったが、最近は「他人の買わないモノにこそ良いモノがある」と言う積極的な攻めの思考になってきている。筆者は他人と趣味が全く違うわけで、大多数の人が敬遠するものが筆者の趣味に合っている確率が高いのは当然と言える…これって20年くらい前に某マニア氏が同じような事を言っていたような記憶がある。筆者も20年遅れ?で漸くエンスーの境地に達したか(^^ 尤もキャリアも彼より20年短いんだけどね。同年代に比べ始めたのが遅かったから。


南巡回[18/06/03]

=AF ZOOM 75-300mm F4.5-5.6 New=
 これIIだと思っていたらNewなのね(^^; Gを除けば割と楽勝だと思っていたのだがαもハマってみると案外奥が深いなあ。玉の状態は元々良かったが、ゴムを外して洗ったら外見は中古上品に昇格した。写りは「ま、この価格ならこんなものかな」という程度。蓑のこの時期(時奈製造?)はこういう可も無し不可も無しレンズが多い。決して外れないけど大アタリも無いクジ。早いところ全部揃えて比較したい。

=Tokina EL AUTO 75-150mm F3.8=
 カビだらけの上にみすぼらしい昔のトキナー(かなり古い)だがこういうレンズはテンバイヤーは勿論のこと、そこら辺の無知無知ケチオヤジにも相応しくない。ネコマタギレンズ研究所にこそふさわしいレンズなのだ。

el7515038_1
 外見の割にヘリコイドやローラーの状態は非常に良い。かなり小汚かったのでゴムを外して洗ったが、このゴムの付け外しが非常な苦労を強いられた。かつて無いほど難易度が高かったので奥の手を使うか迷ったくらいだ。読者がこのレンズを手に入れる事は恐らく無いだろうが、ゴム付け外しには非常な苦労を強いられることを警告しておく(^^

el7515038_2
 中玉のカビ・クモリ・汚れ?が酷いね。どうせバラさねばならないので着脱が面倒なゴムを付けなければよかったな(^^;

 そう言えばこれでFD系がOM系を抜いて単独4位に浮上。アダプトール系を抜いて3位に上がる日は近いね。何しろこのマウントは各所で物件豊富なんでね…(^^;

=COSINA 28-200mm F3.5-5.6=
 ゴムが白化していたが洗ったらだいぶ回復した。もし売りに出すならもっと徹底的にやるが、テンバイヤーではないのでそんな面倒な事はしない(^^

cosina28200
 テレ側は割といいんじゃないか。ワイド側は決して良くないがそこら辺のオヤジが使うなら充分な画質だろう(^^

=キャップ類=
 バランスが悪いなあ。どうも欲しいモノだけ手に入らない…(^^;


川越街道HOの旅(^^;
 久々の車巡回だ。車だけに自転車では持てない大物を買いたかったが無かったので残念でした。

=COSINA 28-70mm F4 MC MACRO=
 F4の割に前玉が大き過ぎ。後玉はMCだが前玉がモノコートなのが泣ける。玉の縁がかぶれたように汚れている。前所有者は相当テキトーな奴だったらしい。写りは無個性で記事を書くのに苦労しそうなタイプ(^^; コントラストが稍悪いのはクモリの影響かもしれない。

=SUPER COSINA 80-200mm F4.5-5.6=
 COSINA 70-210mmと比べマクロが無いので詰まらんな。これも前玉はモノコート。

scosina80200
 上のレンズと所有者は同じだろう。外装の状態はこちらの方がかなり良い。あまり使われていないのだろう。にも拘らずクモっているのはどうした事か。やはり保護フィルター厨房はアホが多い。前玉だけ保護して安心しているからクモってしまうんだな。

=SIGMA ZOOM AF-APO 75-300mm F4.5-5.6=
 禅ベタベタ死亡、EDガラスクモリ死亡と正に満身創痍。現状手のつけようが無いので保留中(^^;

=SIGMA ZOOM-κII 70-210mm F4.5=
 κシリーズの記事が漸く書けるよ。これもMCだが前玉がモノコートなのはこの時代の主流か。κ1号との大きな違いは100-200→70-210が一番大きいが、それに匹敵する違いとしてはシームレスマクロになった事が上げられる。画質は初代の方が良いが使い勝手は二代目の圧倒的勝利。

kappa2_070
 期待できるのはマクロだけ(^^ 70㎜ではこんな感じ。ピントの合ったところは悪くない。

kappa2_210
 210㎜ではこんな感じ。ボケがちとヤバいがピントの合ったところは良い。2代目を手に入れたのでMFκシリーズコンプリートか?まさか幻のⅤとかねーだろうな(^^;

=TEFNON H/D-MC ZOOM 35-70mm F2.5-3.5=
 これでバラし用とリファレンス用が出来たので安心してバラせる。後玉に遮光フードが付いているが、これのせいで後玉が磨けない。少なくとも同心円状に拭くのは無理。あとFDマウントを知らないアホが弄ったらしくマウントが固まっていた。HJCLに来た時は「何か判らない禍々しいモノ」が付着しており難儀したが現在は美品になった(^^

=RIKENON P 50mm F1.7=
 フィルターを外し前後玉を拭いたら新品同様になった。目につく傷も無く状態はジャンクとしては最上級と言える。パッと見では所有している同F2よりは良さそう。サイズが小型なのも良いね。

人気記事より[2018年夏]

 2018年夏の時点で一日の読者数30人、その内常連読者10人未満(^^; HSDLの二年目より確実にショボいブログだが一人前に人気記事を調べてみる。上位に入った世間から注目されたレンズやマウントをなるべく敬遠すると言う戦略的な意味もある。ネコマターは大変なのだ。

=4-6月の人気レンズ(^^;=
nfd35703545
94:CANON NEW FD 35-70mm F3.5-4.5
50:CANON FD 100-200mm F5.6
45:TAMRON 40A
42:SIGMA MINIZOOM MACRO
39:OLYMPUS Zuiko 100-200mm
34:SMC PENTAX FA 28-70mm F4AL
33:TAMRON 17A
31:TAMRON 03A
26:コムラノン925
10:TAMRON CZ-715
6:Tokina SZ10
5:SMC PENTAX FA 28-80mm F3.5-4.7

 投票数は検索に拠るものだ。恐らくジャンク屋の店先で検索しているのだろう。FDなんて官能ミュージアムの次に出て来るからアクセスが多いのは当然だ(^^ なので店頭に殆ど無いタモ論CZなどはHJCLでいくら持ち上げようと出てこない。同様に青箱には無いレアなレンズも出てこない。こうして見るとやはりカメラメーカー製のレンズは人気だ。そこら辺のオヤジやにーちゃんはレンズメーカーなんて全くと言って良いくらい知らないから当然だ。レンズメーカーの中ではタモ論が一番だ。これも青箱の中に一杯入っているから順当だな。

 元々このブログでは(Σを除く)カメラメーカー製レンズはなるべく取り上げないようにしているが、あまりにネコマタギな物件だとブログの性質上取り上げないワケにはいかない。基本的には青箱に沢山あるレンズというのが進むべき道だろう。但しカメラメーカーのレンズは不人気でも高価な場合が殆どなので今後もなるべく敬遠したい。


4月の人気記事


1.2018-04-02「HJCL総覧2018春」
 所有レンズだけではなくなったのでタイトルを変更した。他にも色々変更したら徐々にアクセスが落ちてきた。ま、内輪ページなのでどうでも良い。

2.2017-09-07「クソレンズ王決定」
 初代クソレンズ王のミニズームマクロは新品の頃はもう少しマシな性能だと思う。ただ短期間で経年劣化するということでダメレンズと呼ばれても申し開きは出来ない。クソレンズ王よりダメレンズ王の方が的確かも(^^ なおHB非球面を採用しているのはこのレンズだけではない。AF時代の安価な標準ズームは殆どヤバいと思った方が良い。

3.2017-12-12「NEW FD 35-70mm F3.5-4.5」
 クソレンズ王以上の実力(クソ度^^)を持つレンズ。これほどの大物がなぜクソレンズ王決定戦に参戦しなかったのか?それは単に焦点距離が70㎜しかないので参加資格が無かっただけだ。これを新品で買った人はさぞかしショックを受けたのではないか。それとも初心者だとこの酷さに気付かないのかな?当時は初心者はサービス版だから気づかなくとも不思議はない。見栄だけで一眼使っている連中にはお似合いのレンズだったのかも知れない。検索順位が官能ミュージアムの直下に来てしまったので望まぬお客が増えてしまって困る。何とかsageでお願いしますよ(^^;

4.2017-11-18「FD 100-200mm F5.6①」
 ネコマタギレンズの典型と言うか権化のようなレンズである。ネコマタギランキングを行なったらミニズームマクロと共にトップ争いだろう。AF時代のネコマタギ王がミニズームマクロならMF時代のネコマタギ王がこれだろうか。連載は一旦終了したが、もう一度コイツで撮影してみたい。大きくて重いしマクロは使えないけど使いたくなるレンズだ。これも検索順位が官能ミュージアムの直下に来てしまった。誰も使ったり記事を書こうとしないからこうなる。ホント不人気なんだなあ…。

5.2017-07-25「TAMRON 03A」
 特に不人気ジャンクと言うワケではないが何しろ出た数が多いので青箱の常連だ。但し最近はSP時代の状態の良いのが少なくなって来ているのでf-outもそんなに遠くはないだろう。シロートにバラされたレンズが非常に多いのも悪い特徴の一つ(^^;

6.2018-04-14「ケチケチ戦術(^^;」
 しょうもない埋め草記事がランクイン。このブログの読者はケチが多いのだろうか?類友か?やだねー(^^;

6.2018-04-04「TAMRON 77D③」
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8.2018-02-09「ZEN仕上げ除去(^^;」
 既に持っているなら仕方が無いけどわざわざ買うのは止めた方がイイ。このゴム塗料は何か体に悪そうなんだよね…。

8.2017-10-13「コムラノン925(^^;;」
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8.2018-04-10「HJCL日記[18/04/10]」
 この記事が出た時にはα-7000は既に3台になっていた。αマウントのテストには欠かせないカメラ。本当はカラ撃ちではなくフィルムを入れて活躍させたいところだが…。


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9.2017-06-12「TAMRON 40A①」
 このレンズのお陰で曲がりなりにもズームレンズをバラせるようになったので感謝している。もっとも今のバラしかたより乱暴で常識的な手順を無視していたのでボロボロになっているが。実は当初は付属していたマウント(ES)の関係で絞れなかったので絞って撮影した事が殆ど無い。いずれまた一般撮影で絞ってのテストもしてみたい。

10.2018-04-28「Xi 28-80mm F4-5.6爆死(^^;;」
 予想の範囲内とは言えやはり復活は不可能だった。AFズームレンズはまだ一度も組み立てに成功していない(尤もまだこれしか完バラしていないが)。それでもこのレンズをバラした事でHB非球面の謎が解けかかっているため損害ばかりではない。転んでも何かを掴んで立ち上がるのだ(^^


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 HJCLには似つかわしくない定評(笑)のあるレンズだ。文章は面倒だった為テキトーなので評価はサンプル写真で判断してね(^^

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10.2018-06-20「Σズームカッパー⑤」
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9.2018-06-01「HJCL一周年記念」
 HSDLと掛け持ちさせられた上でこのハイペースでよくも一年続いたものだ。元々ズームレンズはネタが豊富な分野でもないのでそのうち息切れの悪寒!どこかで息を入れなくては…。現在は得意分野を書いているHSDLの方が面白い(^^

10.2017-11-18「FD 100-200mm F5.6①」

SIGMA APO ZOOM 75-300mm

SIGMA APO ZOOM 75-300mm F4.5-5.6死亡(^^;


 AFズームレンズばかり扱っているとMFも扱いたくなってくる。MFレンズはバラせるところが良い。勿論AFでもバラせる事はバラせるけど、バラしても完全ユニット化されていて調整するところも無いから面白くも何ともない。やはりバラして遊ぶならMF前期~中期までで、後期はAFと同じくユニット化されているのでダメ。そんな訳でMFズームをバラしたらまた失敗してぶち壊してしまった。正確に言うと途中で失敗したので破棄決定したという…。

sigmaapo75300
 2017/06/25に入手したレンズである。300円でAPOレンズを入手して喜んだのもつかの間、致命的なクモリが発生していて使用不能だった(いわゆるヌカ喜び)。その後100円や50円でAPOを手に入れたので当初の喜びはどこかに消し飛び、あとには深い(不快)後悔だけが残った(^^; ダジャレている場合じゃない。


★絵にかいたような完璧なクモリ玉
 このレンズは入手当時から絵に描いたようなクモリが発生している。ここで言うクモリとは汚れの事ではない(HJCL用語についてはこちらを参照の事)。ガラスの変質に因る清掃では解決できない障害である。以前の記事で言えば"Zuiko100-200mm"の外れなくなった中玉がこれに当たる。これの中玉も表面が磨りガラスのようになってしまっていた。また40Aの中玉も同じようにクモっている。瑞光100-200のと働きが同じレンズなので恐らく同種のガラスと思われる。

 なぜこのようになるのかは今のところよく判っていないが、特定のガラス品種だけがクモるのは間違いない。何故ならクモって見えないガラスと同環境の隣に全く透明なガラスもあるからで、これにより全ての光学ガラスで一律に発生するわけではないのが判る。もちろんコーティングとも関連する可能性はあるが。


075f045
135m045
300k045
 御覧のように透明度が下がって後処理でも救いようが無いくらいコントラストが低下する。ホワイトバランスが誤爆するのか色も滅茶苦茶になる。デジタル写真であってもこれはNGだろう。今回はこれがハードウェア的に救済できるかどうか、クモリ玉を実際に取り出して検査してみたい。大方の予想では本物のクモリ玉で直らないと思うが、どの位置の玉がどのように変化しているのか確認するだけでもそれなりに意義はある。


★バラす
 シグマのレンズをバラすのは2回目である。初めてバラしたZOOM-βはちょっと古い製品なので、構造その他は時代と共に変化している可能性が高い。前玉はHJCLで一度外しているのでソコソコ楽だが、他部分は全くバラされていないのでネジが固いだろうな。これはもうエタノール必須である。


bunkai_01
 ズームレンズを分解するのはグリップのゴムを外すのが基本。これはテープで留めてあるタイプなのでそれも剥がす。テープの再使用はできない。


bunkai_02
 上のリングが外れた。


bunkai_03
 次にヘリコイド枠を抜く。


bunkai_04
 ここからが面倒∧難易度が上がってくる。傷を付けずにネジを回すのが非常に困難なのだ。

bunkai_05
 もちろん注射器が活躍する。


bunkai_06
 カムのローラーを外すと中玉ユニットが取り出せる。


bunkai_07
 このストッパーのネジもネジロックで固めてあるのでアルコールが必要。


bunkai_08
 ありゃ?これで終わりだ。スッカリ停滞してしまった。しかしこれで解ったが、クモリ玉はどうやら絞り直後の玉のようだ。


bunkai_09
 やはり嫌いなマウント部を分解しなくてはいけないようだ。ただこの時期のレンズメーカー製はマウントはユニット化されているので割とスッポリ取れるのはトキナーで経験済み。


bunkai_10
 ほらな。マウント移植ももしかしたら可能かもしれないな。


bunkai_11
 黒いカバーが付いていて回せない。マウント枠の3本のネジを外さなくては…。


bunkai_12
 2本は楽に取れたが何故か3本目でやってしまった。ネジを舐めてしまったのだ。更にそのリカバリーが悪くて完全に回らなくなってしまった。これはもう捨てるしかない。だがしかし、同じ捨てるにしてもバラしだけは最後までやるぞ。ネジなどドリルでブチ壊せばいい。


bunkai_13
 御覧のようにドリルでネジ穴に穴を開けた。もっと細いのでやりたかったが無かったので残念でした。


bunkai_14
 ネジを残してカッポリ外れた。アタマの無いネジが必死に頑張ってへばり付いているがもう外れているのでどうしようもない。バカめ。


bunkai_15
 アホなネジも除去。普通の人ならこれで復活させるのだろうが、筆者はドリルで穴開けた光学製品などは使いたくないので金属ゴミ決定です。


bunkai_16
 更にバラしてバラバラになった。兵どもが夢の後と言う感じですね。バラし自体は罠も無く極めて平易だと思う…が何故かそんなレンズに限って壊してしまったりする。


bunkai_17
 これが絞りと中玉ユニット。


bunkai_18
 これが入っていた玉だが…前玉と絞り直後の玉が低分散ガラスだと思われる。完全にクモっているが触媒はグリスや有機溶剤っぽい。前玉はアルコールによるものだと思う。


bunkai_19
 多分これが低分散ガラス。磨いてみたが勿論全く取れる気配も無い。完全なガラスの変質である。コーティングも取れてしまったのか殆ど見られない。何か色々な意味で触りたくないガラスである。


★終わり
 クモリが無ければいいレンズっぽかったので残念でした。300㎜のAPOは他に無かっただけに戦力的な損失は大きい(注)。だがしかし、ギリシア文字時代のΣレンズをバラすノウハウを手に入れたので良しとするか。そのうちこの時期のを色々バラさねばならないだろうから。

bunkai_20
 まあ死んだと言ってもこの低分散ガラスが再起不能なまでにクモっているので遅かれ早かれ破棄されただろう。一年経って漸く踏ん切りを付けるいい機会になったと言えない事も無い。明日は月一の金属ゴミの日なんでね…(^^;

注:その後すぐにこのレンズのAF版をゲットした。使えねーニコポンマウントなのが難点だが。あとやっぱりクモっている模様(^^;


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