35-70(28-80)が市場に余っているのは解る。これらのレンズは素人にとってカメラと一体のものだ。つまりカメラを売る時には同時にその標準レンズである標準ズームも一緒に売るから。これらのレンズを買うのは「カメラと一緒の一本目」だから中古で買う人はあまり居ない。買うとすれば壊れたとか、カメラを貰ったけどレンズが一本も無い人くらいだろう。二本目を買う人で標準ズームを選択する人は居ない。そう言う人はある程度写真にのめりこんだ人だからもっと広角やより望遠を目指すものだ。加えて致命的なレンズマウント変更と言うのもある。カメラのマウントが変更されるとそれまでのレンズは過去の遺物となる。その時に元々数の多い標準ズームが市場にあふれるのは当然と言える。結果として標準ズームは市場に余る。

 70-210が何で市場に余っているかというと、それは日本人の基本(笑)である心配性によるものだと思う。カメラを買った時に標準の35-70(または28-80)はまず当然買う。加えて「望遠も持っていないと何か心配・もしかしたら望遠を使うかも」と言う理由で70-210を買うわけだ。これで広角から望遠まで切れ目なく撮影できる!と一安心するわけだが、実は普通の人は望遠なんてほぼ用が無い。たまに運動会などで使ってみるがブレボケで使い物にならない。手ブレ補正の無い時代に、安い(=暗い)望遠ズームレンズはシロートが使えるほど甘くない。そんな訳で次第に疎遠になっていきホコリをかぶる。何年か経って「このレンズ使っていないな?邪魔だから売れるうちに売っちまうか」となるのだ。中古やジャンクのレンズはそんな経験がある人は買いはしないし、ハイアマチュアは元々用が無いから買わない。結果として市場にダブついているのだろう。筆者は70-210が中古やジャンクにあふれている理由をそう推理している。

 こういうレンズを使うシロートは本当言えばレンズ固定のズーム倍率の高い一眼がおすすめなんだよな。見栄を張ってレンズ交換式一眼使うのはギターやオーディオコンポと同じく通過儀礼のようなものだろうか(^^; デジタルカメラになってもこの傾向は全く変わっていない。むしろAF以降はズーム化が進んだ分より顕著になっていると思われる。まあそのお陰でネコマタギレンズが手に入る筆者としては願ったりかなったりの状況なんだけどね。