SIGMA DL ZOOM 75-300mm F4-5.6[KAFマウント]


ZEN仕上げ除去(^^;

 以前「ZEN仕上げ除去(^^;」で教材に使った75-300㎜ DLを動作チェックしてみる。Σの新し目の75-300はどこまで進化したのだろうか?ネコマタギレンズとしてはAFレンズ中で十本指に入るくらいメジャーなレンズで楽しみ。ZENが痛んでいるのが殆どで300円以下が相場だと思われる。

case
 前回の禅除去の後遺症により表面印刷が全て消え失せパイパン状態である。白板(牌)じゃなくて真っ黒だけどな(^^; HJCLとしては中間焦点距離表示が無くなってしまったのが痛い。以前から何度も書いているように、ズームレンズは焦点距離の変化に因る画質の変化が最大の面白さだからだ。テストの時にどうやって焦点距離を設定するかが問題となる。


★仕様
199312catalog
 シグマは昔のレンズの仕様がサイトに出ていないが、幸いにして手持ちの1993年12月版のシグマレンズカタログにこのレンズが出ていた。売り文句は「中望遠75㎜から超望遠300㎜までカバー。軽量、コンパクト、経済的価格を実現した高性能4倍ズーム」とある。

 このレンズは特殊低分散ガラスの代わりに(注)、前群に通常ガラスで最も低分散のガラスを使用して色収差を押さえたらしい。こういうのって激しく萌えない?通常動力潜水艦で世界最強のそうりゅう型みたいで(^^ 閑話休題、このガラスの件はカタログを見なければ判らなかったので役立った。そう言えば動作チェック時に見た時も電線にまとわりつく色収差が少なかったな。

 それとこのレンズはAFだけでなく同仕様のMFもあったらしい。前回記事で「何でAFなのに直進式ズームなのか」と書いたが謎はここで解ける。なおカタログ1993年版にはレンズ構成図はまだ掲載されていなかった(1998年版は出ている)ので構成図は不明だ。これが判ると色々比較できてもっと楽しいのだが。

=75-300mm F4-5.6 DL ZENの仕様=
AF対応マウント:シグマSA、α、ニコンAF、ペンタックスKAF、EOS
MF対応マウント:FD、KA、Ai、MD、XRP、その他(一部受注生産もあり)
レンズ構成:11群14枚
画角:32~8°
最少絞り:F22~32
最短撮影距離:150㎝
最大倍率:1:4
フィルターサイズ:55φ
ズーム方式:直進式
最大径:75.5mm
最全長:119.5mm
重量:540g
希望小売価格:45,000円(ケース・フード付)

注:特殊な低分散ガラス(FK0xシリーズなど)は一般ガラスの3倍以上と言われており通常は廉価版には使われない。


★無限チェック①
 カメラはいつものようにK100D Superで画像はRAWからの等倍切り出しで、設定や現像法などはいつもと同じ(出来る限り何もしない)である。

=75㎜=
mugen075
 開放F4.0だが大体合っている。書き忘れたがピントはAFで合わせている。上にも書いたがAFレンズはオーバーインフの遊びがあり、そのお陰でMFならば∞が出るのは当然なのでAFで試すのもテストの内である。球面収差の補正具合によってはコントラストで合わせるとピントが前ピンや後ピンになる場合がある。カメラのAFとの一種の相性と呼べるかもしれない。

=133㎜=
mugen133
 焦点距離が判らないのでテキトーに中間に合わせてみた(^^ EXIFによれば133㎜らしい。以前の写真では焦点距離表示は135㎜が真ん中だったので5つの表示はキッチリ等間隔になっていたのだろう。ピントはこれも全く問題無し。今日は右のTVアンテナ(100m程度)にお客さんがいるな。

=300㎜=
mugen300
 一見ブレたような画像になった。これはフォーカスが外れた時のボケ画質に似ておりピントが完全に合っていない可能性もある。ハロが大きくこの焦点距離の球面収差は開放で相当大きいのだろう。シグマはこの頃は完全補正だと思っていた(注)のだがこのレンズは短い方だけなのかもしれない。尤もピントリングには余裕があるので気に食わなければ手動で合わせれば良い。無限遠を撮影する場合にAFは必要無いのだから。電線ボケに色が付いていないのは売り文句通り色収差が少ない事を表している。通常ガラスでこれだけやれれば立派なものだろう。他のメーカー(特にタモ論^^)も頑張ってほしかったな。

注:SIGMA MACRO 50㎜ F2.8が朝亀で絶賛されたように当時のシグマは完全補正が多かった気がする。開放から高画質だが絞るとむしろ悪化していく完全補正タイプは常時F5.6~11に絞って使いたい当時の筆者にとって非常に迷惑な存在だった(^^


★無限チェック②
 上の∞チェック(∞と言っても距離700mだが^^)気になる部分があったので月で試してみる。

=75㎜=
075moon040
 75㎜なので小さくてよく分らないが月の模様は分るのでピントは問題無し。

=300㎜=
300moon056
 300㎜だとかなり大きく写せる。御覧のように開放5.6から月の模様がハッキリと描写された。球面収差が大きくてハロがあるがここまでやれれば通常ガラスレンズとしては合格である。CZ-825では250㎜の開放で月を撮影するのは画質的に無理だった。15年の歳月はダテではないのだ。


★次回に続く
 前回で外装のベタベタは無くなり、今回のテストで動作も全く問題は無かったので次回以降で定型テストを行なう。AFなので一般撮影もできればしてみたい。

このシリーズは2017年~2018年にかけて書かれたもので、現在の状況と一部合わない部分があるかもしれない。以降のシリーズ記事も同じだ。