遂にバラされる日がやって来た(^^;


 TAMRON 40Aも完全に手の内に入れたので飽きてきた。そこで異様に低いコントラストとヘドロのような発色を改善すべくカビ取りしてみる事にした。以前後ろから途中までバラしたがその後が判らなかったので中断したのだが、今回は滅茶苦茶やって何としても分解する。もし元に戻らなかったら諦めよう(実際もう一つあるので実害は無い)。

今回バラした方:TAMRON 40A (91xxxx)
汚れが少ない方:TAMRON 40A (20xxxx)

 いずれも2017/05/07に中神で同時に手に入れたもの。


★まずは後ろから分解
 まずは後ろから分解して必ず絞りまで到達してみせる。絞りより前は前から開けねばならないので後回し。調査ではどうも絞りの隣の玉にカビがあるようだ。経験上絞りの後のレンズで画質の6、7割は決まると考えているのでこれは落とさねば。絞りを見るまでは分解を止めないぞ。


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 今日は初めてこのレンズのマウントを取り外す。これを外してヒドイ目にあった事は何度もあるが、それから2、3回成功してだいぶ慣れたので大丈夫だろう…と思ったが、実は掃除が終わってからヒドイ目に合っていた事が判った(^^;

 以前はここでカニ目を外して外から2枚目までは外せたんだな(記事)。だがその下の3枚目以降のレンズを外せなかったので今日はマウントから分解してみたのである。絞りリングは外さなくても良いのだが外れてしまった。これが失敗の要因か?


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 カニ目が付いていたのだが届かないので滑って傷だらけ。頭に来たのでプライヤーで掴んで回してしまった。こんな回し方をするなら絞りやマウントも外す必要は無かったね。傷は黒い塗料でスポットしよう。まだまだ実験は続くので当分やるつもりはないけど。それはさておきこのユニットが外れればもう大丈夫。


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 更にカニ目と言うか穴が開いているネジを回さねばならない。これもネジロックされているようなのでアルコールを掛けたら掛けすぎて洪水だ(^^; これが後に絞りに致命的な障害になった可能性がある。


bunkai04
 回す時に傷だらけになり、何かもうズタボロになってしまった(^^; 他人には決して見せられない状況だ。しかも玉がアルコール漬けで蒸気でクモっている。もう上で傷が付いていたので傷付くのは諦めている所がある。他人のじゃないから別に構わない。売るつもりも無いし。完成したら傷はスポットしておこう。


bunkai05
 絞りだ!遂に後群を制覇した。TAMRON 40Aの玉バラし記事はいくつか検索でヒットするが、ここまでバラした記事は見つからなかった。絞り手前のレンズがカビていたのでこれでもう全部の玉が掃除できる。絞りが少々濡れているのが判るだろうか?アルコールがここまで浸みてきている。


bunkai06
 カビ玉だ!かなり酷かったけど、中性洗剤で洗ったら新品と変わらないくらいの状態になった。で組み直したのだが…。

 これで絞りリングを付けたのだが、何と絞りが動かなくなっているではないか。恐らくアルコールを入れ過ぎて絞りの方まで回ってしまったか、連動する内部のアームが何かの拍子に外れてしまったのだろう。現状サッパリ解らないので放置する。何かもう全バラしないと使えない気がしてきたな(^^; ズームレンズの鏡胴はバラすと部品数が多くて始末に負えなくなるのでやりたくない。

 後群はこれでキレイになったのだが、実は覗いてみると前群にもカビがあるようだ。これも絞りの手前である。現状絞りが動かず、もう使えないのが確定しているのでヤケクソだ。次は前群を壊す気で徹底的にやってやろう。後ろと同じく絞りを見るまでは絶対に撤退しないぞ。


★前群をバラす
 後群を全部見たので結構自信が付いてきた。このレンズは恐らく厄介な樹脂溶着部分は全く無いのだと思われる。前群は後ろのように絞りメカも無いのでもっと楽なのではないだろうか?甘い?


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 実は前玉群を外すのが至難の業だった。手持ちのゴムではカバーできないくらい大きかったからだ。しかも銘板と前玉が一体化している?レンズ構成図で見ると2群3枚である。前は外れないので後ろを外す。これは手でネジって開けられた。この前玉群はほぼ汚れは無い。一度もバラされていないレンズだから。


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 次はこれだよ。これが前群最大にして最後の関門である。カニ目が付いているのだが細くて浅いのでなかなか回せなかった。専用治具を用意するしかなさそうだ。次に分解する時には用意したいな。


bunkai09
 上で最大・最後と書いたが、何故最後かと言うとこのユニットを外すと次はもう絞りなのである。これでこのレンズの全ての玉を指で触った事になる。それが今日の目標だったのでまあ良しとしよう。このレンズは4群ズームなのだろうが、絞りの前には2群なのでこれで終わりだ。前群は上のカニ目を回せさえすれば楽勝の部類に入る。但し外すより付ける方がもっと難しい(^^;


bunkai10
 その外した第2群をバラす。このバラしには吸盤が必須である。18~9年前に買った吸盤があったのでそれで吸い出した。「オレは吸盤なんか要らないよ」と言う人は無しでやってみても良いけど多分涙目になる(^^

 あとで組み立ててから覗いたら拭きムラが出来てしまっていた。あと無水がもったいないので水分の入った消毒用アルコールを使ったらコバが溶けて落ちてしまった。なんかもう途中でヤル気が無くなったから投げやりだな。絞りが動くようになったらまたバラして掃除しよう。もう一度やる時は前後とも10分もあればバラせるのではないか。現状「40Aなら任せろ!」状態σ(^^ でもすぐやらないとまた忘れそう。


★テスト
 漸く組み立てたものの絞りが動かないので再び開放専用に逆戻りしてしまった。しかも途中で投げたのでテキトーにチリ紙で拭いたら拭きムラでクモリ気味になった。タムロンのマルチコートは良くできているのか拭くのが大変なので超音波で洗った方が良いかも知れない(シルボン紙使えよ^^)。まあ前玉はもう何時でもバラせるからいずれ。メンテ用にカニ目より他に穴開けて回しやすくするかな?銘板を回すのも何か手を考えねば。全てのカニ目を統一しないとか、メーカーは作業の効率と言うよりはバラしづらいように注力している気がする。それはさておき、


1before
 清掃前の写真。コントラストが低く色がドブのように濁っている。玉の半分くらいを覆っているカビなので影響も大きいのだろう。


2after
 清掃後。コントラストが向上してスッキリしている。いわゆるヌケが良い状態なのである。しかし惜しいなあ~これで絞りが動けばバリバリ現役でいられるのに。


★続く
 という事で今回もまた「清掃に成功したが使えなくなった」と言うブザマな結果になってしまった。あと1、2回やれば成功するようになるんじゃないか(^^; 絞りはいずれまた暇になったら修理したい。どうも神はこのレンズを完全な状態にさせたくないらしい。恐らく憑いているのは貧乏神なんだろうな(^^;