80㎜レンズ・南海の大決闘


 しょうもないレンズが結構集まってきたのでどれが一番ヒドイのか確かめてみたくなった。80㎜に限定したのはこの辺りの焦点距離をカバーするズームレンズが多いため。なお一部違う焦点距離も混じっているが頭数を揃える為なので気にしないでね(^^ HJCLはいつでもテキトーなのだ。


★エントリーレンズ
 今回に限って*ist Dsで撮影できるものに限っている。1400万や1600万で画素数が揃えられるようになったら熱糞も使ってもっと多くのマウントを比較するつもり。ちなみにOMマウントやFDマウントの方が色々とヤバゲなレンズが多いと思う(^^; ペンタが1400万になるか熱糞が2400万画素になると1/4で揃えられるのだが果たしていつになるか?解像度が足りない気もするので両方とも1600万で揃えるのも良いな。

1.COSINA AF ZOOM 28-70mm F3.5(PK750xxxx)
 推定20年?くらい前に新品同様の物件を2000円で買った。コシナなので恐らくフジヤだと思う。世間は景気もよくαやエロス等AFカメラの全盛時代で、こんなアホみたいな単体AFレンズを買う奴は誰も居なかったのだ。ついでに言うとM42もKマウントもMFというだけでゴミ扱いだった。そういう時に一気に揃えるのがツウと言うものだ。これは筆者の私物だったが電池ボックスの腐りによりHJCLに寄付した。買った時は恐らく所有レンズ中最低価格のレンズだったが、HJCLでは超高価なレンズと言う扱いである(^^

2.SIGMA APO ZOOM 75-300mm F4.5-5.6(100xxxx)
 これを見つけた時は「やったー!アポが324円だ!(^^」と思ったものだがクモっていて取り返しがつかない奴だった(^^; それでも色収差は検証が不可能に近いほど小さいので流石はアポだなあと思った。

3.SIGMA ZOOM 28-80㎜ F3.5-5.6 MACRO(202xxxx)
 全域マクロ改造でおなじみ。実は筆者もそれを試したくて買ったが、全焦点距離に渡ってあまりに画質がアレだったのでそんな気も吹き飛んだ(^^; 三鷹にて540円。

4.SMC PENTAX FA 28-70mm F4AL(416xxxx)
 *ist DsやK100D Superのテストの為に吉祥寺にて540円でゲト。HSDL(現HJCL)のジャンクレンズ購入の始まりを告げるレンズ(^^ FA時代のレンズを持っていなかったので世代間ギャップが埋まった。

5.SMC PENTAX ZOOM 75-150mm F4(762xxxx)
 えーとどこだっけ?(^^; 確か西砂だと思うが324円のレンズ。下のSMC80-200が非常に良かったので二番煎じを狙った。今更の2倍ズームでHOでも完璧にネコマタギである。

6.SMC PENTAX ZOOM 80-200mm F4.5(514xxxx)
 バルサム剥がれの修理の練習をしようと思って買ったレンズ。がしかし覗いてみてあまりのコントラストの良さにぶっ飛ぶ。これは良いわ~。尤も当時はフニャフニャで定評のあるカビ40Aをメインで使っていたのでアテになるかどうか(^^; 西砂にて540円。

7.SMC PENTAX-F 35-105㎜ F4-5.6(176xxxx)
 864円という稍高価なレンズだがかなりの美品。「唯一のF時代のレンズ」というHJCLでは貴重なレンズである。実は真面目に撮影した事が一度も無いので事実上今回がデビュー戦と言える。

8.TAMRON 03A 80-210㎜ F3.8-4(101xxxx)
 どこかのオッサンがテキトーにバラしたらしく、無限遠のピントが狂って玉が汚かったので修理した。それなりに写るようになったのでデビューである。108円シリーズの一員。

9.TAMRON 17A 35-70㎜ F3.5(202xxxx)
 35-70標準ズームの中では傑作と言われるレンズ。但し当該品は結構玉がカビているのでコントラストに関しては割引きが必要。ハードオフにてケース・マウント(MDだけど)付きで108円だったのでどんな状態でも許す。ちなみにこれは旧タイプである。

10.TAMRON 40A 35-135mm F3.5-4.5(91xxxx)
 ネット上の評価は決して高くないが10年以上も販売された高倍率(当時)標準ズームレンズ。但しこのレンズは絞り横の中玉が薄らクモっている。ESマウント付きで324円だった。

11.TAMRON CZ-825 80-250mm F3.8-4.5(870xxxx)
 皮張り風世代のタモさん。(871xxxx)は新品同様だがコイツは玉汚れがある。108円シリーズの一員。クソ大きくて重いので手持ちでは辛いが、このシリーズのイモカッコいいデザインに惚れる(^^


★ルール
 焦点距離は80㎜にセットするが、どのみちズームの焦点距離などいい加減なので70㎜のレンズも入れてみた。60mm以下だと強烈に違和感があるけど70~90㎜までなら大差無く感じる。

・撮影距離は約10m
 無限遠など遠距離だとピント合わせ誤差が大きく、撮影によって有利不利が発生するため近距離にした。当初はカメラのAFまたはFI機能でピントを全部統一して後腐れが無いようにしようかと思ったが、やってみると全くピントが外れるレンズがあったのでFIも参考にしつつ極力マニュアルで合わせている。情けない事に合わなかったレンズはAFレンズである。何でも手前に合わせようとするので電線にでも食いついてしまうのだろう。レンズの試験をしたいだけの当方にとってはワイドAFエリアなんて迷惑以外の何物でもない。

・絞りはF5.6固定
 開放F5.6のレンズがあったため全てF5.6に固定した。ガタイの大きさによるブレで有利不利もあるだろうが、撮影は全てミラーアップしてから行なっているのでショックは極小だと思われる。

・基本的に撮影後の処理はしない
 RAW撮影だが撮影後に意図的なデジタル処理は行なわない。PPLの設定については過去記事参照。このブログ開始時からこれは変わっていない。サイズは容量の関係上1/2しているが、解説の必要に応じて等倍画像も提示している。JPEGだとペンタックスのレンズだけ依怙贔屓をされる可能性があるのでRAWにしている(DAレンズではないのでまず無かろうが)。


★リザルト
 当初より予想していたが80㎜にセットしても画角がバラバラなのが呆れる。恐らくワイド端は長く望遠端は短いのだろう。この大きさだと画質差は解りづらいが等倍だとかなりの差がある。筆者は等倍画像を見ているので、欠陥に関しては写真よりコメントの方がアテになるだろう。HJCLのレンズ評価記事でダメと書いてあるモノは少ないが、そう書いた奴は本当に使いものにならないくらいダメだ(^^;


1.COSINA AF ZOOM 28-70mm F3.5(PK750xxxx)
cosina2870af
 望遠端は70㎜である。一部ではコシナブルーとか言われるらしいけど、これも気のせいか青が伸びるような「気」がする。ま、デジタルだから特に意味は無いけどね。多少低いコントラストは特に気にしないが、どうも像面の平坦性や非点収差?コマ収差?による流れが気になる。バックの電柱辺りの不安になるボケ方を見て欲しい。一口に言って昔のズームレンズのイメージ通りの画質。もしかするとテレ側よりワイド側が良いのかもしれない。実際使ってみるとそんな片鱗は窺える。


2.SIGMA APO ZOOM 75-300mm F4.5-5.6(100xxxx)
 開放から色収差が皆無に近いのが目から鱗。がしかし、ガラスのクモリ(汚れかも)はいかんともしがたくコントラストは皆無だ。恐らくこのレンズはフィルムカメラでは使えないだろう。しかしデジタルだと補正のしようはナンボでもある。このレンズだけ僅かに後処理を加えてみた。と言っても上と下を詰めてコントラストを稍上げただけであるが。

sigma75300apo
 これでもまだちょっと霞が掛かっているな。チョーインチキだが、それがデジタル写真の本質だから良いのである(^^


3.SIGMA ZOOM 28-80㎜ F3.5-5.6 MACRO(202xxxx)
sigma2880
 時代的に完全補正タイプなのか開放でも球面収差が少ない。加えて色収差が少ないのもハッキリ判る。開放からコントラストがある。そこだけ見ればいいレンズに思えるが左に非ず。このレンズの欠点は恐らく非点収差であり、開放だと本当に被写体の形が変わってしまうくらい汚く崩れる。加えて(この固体だけかもしれないが)偏心しているのか焦点距離によって激しく片ボケする。タイプ的に分類すれば典型的な高コントラスト低解像度のレンズである。

sigma2880_toubai
 等倍で見るともう乱視になりそうなくらいヒドイ。このままではΣの汚点となりかねないのでいずれバラして検分したい。筆者の見たところではバラした跡は無いのだが…。


4.SMC PENTAX FA 28-70mm F4AL(416xxxx)
smcfa2870
 望遠端は70㎜である。上のΣでも思ったが、非球面を使った廉価ズームはどうも枚数手抜きや小型化の為にしか使っていないように見受けられる。画質的には前時代のズームとあまり変わりは無い。初期AF時代のレンズに特有の「コントラストは高いけど解像力は低い」タイプ。AFに適合させるにはそれしか無かったのかもしれないが。

smcfa2870_toubai
 これも等倍にしてみた。何でこんなに上のΣと似てるんだろう?焦点距離は微妙に違うが収差が全く同一に見える。安物ズームだし、本当にペンタ製のレンズなのだろうか?という疑いが頭を擡げる。構成図を見ると全然違うけど。偏心はしてない。


5.SMC PENTAX ZOOM 75-150mm F4(762xxxx)
smc75150
 倍率で無理していない事もあって全焦点距離に渡ってコントラストの高い安定した描写である。それ以外はいかにもフツーなペンタらしい画質で、下の80-200のようなブチ切れ感は無い。それにしてもSMCコーティングは(当時)最強だね。コントラストの良さの半分はSMCコーティングによるものだと思われる。


6.SMC PENTAX ZOOM 80-200mm F4.5(514xxxx)
smc80200
 動作チェックで見た時は感動したコントラストだが、この被写体で見るとあまり大した事は無い(^^; とは言え、かなりの手負い状態(持病のバル切れが酷い)でこの性能は立派だ。これは貼り直したいなあ~。UV接着剤は天然バルサムより経年劣化が早いし致命的に損傷する気がする。寿命に目をつぶって生産性を高めるだけの為に採用されたのではなかろうか。


7.SMC PENTAX-F 35-105㎜ F4-5.6(176xxxx)
smcf35105
 初めてのFレンズだったが全てに於いて水準級で抜けたところは無い。Kマウントレンズのリファレンスとして比較対象には良いかもしれない。筆者は後のFAよりはこちらを選びたい。良いところは特に無いけど悪い所も無いペンタックスらしいレンズ。時代らしくコントラスト重視のレンズで、その後の悪い時代の萌芽は垣間見られるのは事実だ。


8.TAMRON 03A 80-210㎜ F3.8-4(101xxxx)
tamron03a
 CZ-825と比べ時代が下って設計が高度化したためか開放から充分使える描写になっている。この場合は開放から一段絞りなので申し分のない画質だ。仮に1400~1600万画素でも余裕で対応できるはず。やっぱりMFのタムロンは良いのう(AF以降はアレだけど^^)。但し古い望遠系なので長焦点側は色収差の呪縛からは逃れられない。長い方で軸色が全く気にならなくなるのはF11以上に絞った時か。


9.TAMRON 17A 35-70㎜ F3.5(202xxxx)
tamron17a
 望遠端は70㎜である。世間の評価は高いレンズだが、この個体に限ってはカビの為か低コントラストである。但し解像度はソコソコ高いので後処理でコントラストを上げれば見栄えするはず(これは何もしていない)。ちなみにカビの無い(34xxxx)はコントラストはもっと良かった。実は新しいのは中身も修正されていたりして…。


10.TAMRON 40A 35-135mm F3.5-4.5(91xxxx)
tamron_40a
 クモリの為か全体的にコントラストが低いのでシロート受けはしないかもしれない。シロートほど鮮やか系のどぎつい画像を好むからね。それでもレンズメーカー製ズームレンズとしては驚異的な11年間も販売されていた事実は大きい。ジャンク物件数から見ても売れ行きは非常に良かったのだろう。少なくともタムロンとしての評価は高かったのだと思われる。


11.TAMRON CZ-825 80-250mm F3.8-4.5(870xxxx)
tamroncz825
 1970年代中盤に発売されたレンズなので開放では球面収差の過剰補正が掛かっておりハロが出る。がしかし、一段絞ればハロが消えて充分な描写になる。タイプ的には典型的な低コントラスト高解像度タイプである。1970年代中期の古いズームは初めてで、描写は滅茶苦茶なのを予想していたのだが予想外に良いので驚いた。長焦点側の軸色の呪縛からは勿論逃れられないが…。


AUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8(348xxxx)
pf5518
 85㎜の単焦点レンズを参考用に入れようと思ったら国産はKにもM42にも無かった。急遽比較用に入れてみたのがこの55㎜単焦点標準レンズだ。手負い(激しく汚れ)の玉だがやはりズームレンズとは全く違う画質である。1960年代の典型的な低コントラスト高解像度レンズだ。被写体の傾向もあるが発色が墨っぽいのは驚く(^^;


★現在の順位
 焦点距離も明るさも違うので無理があるが、2017年夏現在の順位を無理やり付けてみた。この中でSIGMA APO ZOOMは画像を弄っているので参考扱い。40Aはクモリ、17Aもカビ取りするともっと下になるかもしれない。

1.SIGMA ZOOM 28-80㎜ F3.5-5.6 MACRO
2.SMC PENTAX FA 28-70mm F4AL
3.COSINA AF ZOOM 28-70mm F3.5
4.TAMRON 40A 35-135mm F3.5-4.5
5.TAMRON 17A 35-70㎜ F3.5
6.SMC PENTAX-F 35-105㎜ F4-5.6
7.TAMRON CZ-825 80-250mm F3.8-4.5
8.TAMRON 03A 80-210㎜ F3.8-4
9.SMC PENTAX ZOOM 75-150mm F4
10.SMC PENTAX ZOOM 80-200mm F4.5
番外.SIGMA APO ZOOM 75-300mm F4.5-5.6

 2017年8月現在の王者は”SIGMA ZOOM 28-80㎜ F3.5-5.6 MACRO”となった。これを使ってHSDLのマザーボードやVGAを撮影しようと思っていたのだが、あまりの酷さに今後の身の振り方を深く考えこんでしまった(^^;


★続く
 80㎜決戦と言いながら違う焦点距離が混じっていたが、いずれ続編でサンプル数を増やしたい。参考用に単焦点の85㎜が有れば良いのだが、うちにはKにもM42にも85㎜は無いんだな(ロシアン・ゾナーならあるけど^^)。今後これまで以上に買い物に励まねばならない。