SIGMA ZOOM-β 70-150mm F3.5(Σ-51xxxx)


SIGMA ZOOM-β①
SIGMA ZOOM-β②

 前回はマクロ撮影だったが、今回は中景(約10m)撮影テストをしてみる。全絞りだと面倒なのでタムロンの時と同じく開放~F11までとする。焦点距離はシルク印刷されたものをテストする。


★70㎜(対角線画角34度、APS-Cでは23度)
 まずはもっとも短い70㎜から行ってみよう。柱上トランスと言うよりその周りも含めた風景になってしまっている。

=開放F3.5=
070m035
 んー、コントラストが低いね。HJCLの09Aや旧17Aにソックリ(^^; 尤もこれは汚れによるコントラスト低下も含まれている。ピント自体は良好でバックのアウトフォーカス部分も破綻が無い。イイじゃないか。

=F5.6=
070m056
 一段(正確には一段半、以下同じ)絞ったらコントラストが向上した。汚れだけではなく球面収差の影響もあったようだ。このサイズなら申し分のない画質だ。

=F8.0=
070m080
 バックのピントが深くなっただけで画質に違いは見られない。

=F11=
070m110
 ほぼパンフォーカスに近くなっている。右下のエアコンの室外機のファン部分にモアレが出ているが、絞って画質が変わる度に変化しているのが確認できる。


★80㎜(対角線画角30度、APS-Cでは20度)
 お次は80㎜だ。何で80㎜かと言うとズーム目盛がそうなっているからという単純な理由だ。これを次回のクソレンズ王決定戦に出すかな(^^ F5.6ならだいぶ下の方になるはずなんだが。何しろ参加レンズは疵物が多くてね。

=開放F3.5=
080m035
 全画面に渡ってコントラストが低い。解像度もやや低下しているが、流れたりボケたりしている訳ではないので見られる画像だ。

=F5.6=
080m056
 開放よりわずかに引き締まった画像になった。70㎜との焦点距離の差は僅かなので画質の差も少ない。

=F8.0=
080m080
 室外機ファンのモアレがF5.6より増えた。解像度が向上しているのだろうか?

=F11=
080m110
 開放からここまで画質の変化が少ないのは特筆できる。F5.6まで絞ればもうあとは気にしなくて良さそう。


★100㎜(対角線画角24度、APS-Cでは16度)
 あまり変化が無いけど今度は100㎜だ。巷の「ズームレンズは中間画角が最強」というレンズ格言から言えば恐らくこの辺りが最高画質だと思うんだけど。

=開放F3.5=
100m035
 開放画質が70~80㎜に比べ明らかに向上しているのが判る。加えてアウトフォーカス部分の軸色も気にならない。この画像を見た限り普通に実用になる。この時期(70年代)のズームとしては驚きだね。

=F5.6=
100m056
 一段絞って更に画質が向上した。ただ差は僅かなので画質向上の為に態々絞るほどではない。

=F8.0=
100m080
 画質変化は少ないが右下の方の画質(特に窓枠)は非常に細かい良い画質だ。これは使える。

=F11=
100m110
 ピントが深くなっただけでF8と画質は変わらない。


★150㎜(対角線画角16度、APS-Cでは11度)
 最後に最も焦点距離の長い150㎜である。150㎜くらいだと望遠レンズとしての引き付けはちょっと物足りない。このレンズはポートレート焦点距離のレンズと言えるかもしれない。

=開放F3.5=
150m035
 パッと見た目では明らかに長い方が良い。70㎜にあったハロはこの焦点距離ではほぼ見られない。全体的にコントラストが低いがこれは筆者としては好ましい。目の悪いクッキリハッキリ爺さんはこの記事は読まないでください。

=F5.6=
150m056
 一段絞って画質は向上。ピントの合ったところ、例えばターンバックル部分や碍子の質感は申し分ない。

=F8.0=
150m080
 このサイズではもう画質に変化は無いが、等倍ではまだ画質が向上し続けている。

=F11=
150m110
 申し分ないね。ピントをシッカリ合わせてブレないようにする。注意するのはそれしかない。


★遠景テスト…ダメでした(^^;
 次に遠景テストをやろうと思ったらとんでもない事実が発覚した。何とどの焦点距離でも∞が出ていないではないか。しかもかなりヒドイ一目で判るようなボケボケレベル。何しろ無限突き当りのピントが数十メートルしかないのだ(^^; 恐らく目のロクに見えない奴が前玉外してその後テキトーに組んだのだろう。開けたようには見えなかったがこの結果を見れば開けたのは明らか。汚いネジロックもその時に塗られたものなのだろう。何てヒデエ仕事してやがるんだこのジジイは。下に等倍画像を示す。

=70㎜=
before_070f035

=80㎜=
before_080f035

=100㎜=
before_100f035

=150㎜=
before_150f035
 但しピントの合ったところはそれなりのシャープさを見せており、やはりこのレンズは良いレンズという事が判る。


 という事でまだ要調整なので気が早いけど結論を出してしまおう。比較的開放から使える、色収差が同時代の望遠では比較的少ない、長い方が高画質という事になるね。∞が狂っているのは至急直さねばならないな。キッチリ無限を出すために一寸オーバーインフにしてみても良いかもしれない。まあバヨネットなのでキッチリでも問題は無いだろうけど。


★一旦終わり
 いやーこれほど良いとは思わなかった。しかも新品同様ならまだ解るがカビ寸前+ムラ汚れ(注)の手負いレンズである。ここのところシグマに暗雲のように湧きあがった不審と疑惑はこれで吹き飛んだ。もしかしたらシグマはZENの頃が底辺なのか?まだ昔のは1本だけなのでこれだけかもしれないが。という事でこれからも一杯見ていかなくてはいけないな。これでBefore撮影も済んだし玉を掃除する準備は出来た。∞の調整も含めて次回があったら分解したい。

注:想像するに「冬の寒い日に外からいきなりストーブの点いた暖かい部屋へ」のような状況を繰り返されたのではないかと思う(内部に細かい水滴痕がある)。寒冷地で使われたレンズだったら最悪だね。