TAMRON CZ-715 70-150mm F3.8


前回記事は「TAMRON CZ-715①」。

 前回はバルサム切れと勘違いした玉の汚れを解消した。その文章の中で「明るくなったらテストする」と書いたが、秋の陽は落ちるのが早く案外暗くなってしまった(^^; 真っ暗になる前に速攻でテストする。

 いつものことながらAPS-C(K100D Super)での評価である。35㎜フルサイズでは周辺画質の関係でまた違った評価になる事は留意してほしい。もっとも広角と違って望遠なので周辺はフルサイズと変わらないと思う。


★画角テスト
 70-150㎜という事で「どのくらい画角が変化するのか?」をテストしてみる。ついでに無限遠でピントが出ているか確かめよう。なおカッコ内はAPS-Cの画角である。

=150㎜(対角線画角11度)=
gakaku150
 まずは150㎜だ。オッ!ピントが合っている中央のマンションは結構良いなあ。但し前ボケはかなりヒドイ。非点隔差が開いているのだろうが乱視になりそうだ。

mugen_toubai
 無限遠チェック!メーカー調整は許容範囲には入っている。この場合手前の灰色の建物がボケてマンションの屋上のタンクと避雷針?にピントが来ればいい。真の∞は月を写さないと分らないが、これでも150㎜程度のレンズまでなら許容できるくらい判る。300㎜を超えると700~1kmでもボケるのでコリメーターや月以外で無限遠を調整するのは不可能である。ジャンクで開けられているレンズを今まで何本も見てきたが、∞がキッチリ出ているレンズは一本も無かった。そこらのジャンカーの∞テストは滅茶苦茶だという事だ。厳密に無限を出したいならAFレンズのようにわざと微妙にオーバーインフにしてマニュアルでしっかり合わせるようにすればいい(AFやFIはあまりアテにならない)。

=120㎜(対角線画角13度)=
gakaku120
 あれっ?150㎜には無かったハロが…(^^; この辺りズームレンズは不可解な挙動を示す。何しろテスト焦点距離を変える度に出たりでなかったりする場合があるのだ。そういうレンズはバラした時に偏心しているのかもしれない。

=100㎜(対角線画角16度)=
gakaku100
 これもちょっとハロがあるが120㎜よりはマシ。それにしても細かい描写だなあ。

=85㎜(対角線画角19度)=
gakaku085
 ハロが消えた。周期的に変わるので玉が回ると変わるのではないか?つまり偏心が疑われる。何しろ筆者がバラしたレンズである(^^; それにしても真ん中の描写の細かい事!これなら単焦点の代わりに使うのもアリかも。

=70㎜(対角線画角23度)=
gakaku070
 最も画角の広い70㎜である。いやホント細かいよ。ディティールがJPEG85%で消えてしまっているのが惜しい。その細かさと長焦点時の前ボケの汚さが印象に残った。このレンズを使う時は前景に細かいモノは入れない方が良いな。


★中距離テスト
 日没までに時間が無いので(^^; 150㎜に限定して行なう。

=F3.8開放=
150m038
 大方の予想通りって言うかハロっぽいソフトな画質だ。そんなものよりアウトフォーカス部分(つまりボケ)の汚さが気になる!乱視のように見えるのは非点収差だろう。でも色収差が少ないなあ。もっとも150㎜だから今まで見てきた200㎜より目立たないのは当然かもしれないけど。

=F5.6=
150m056
 ご存じの通り70年代のレンズは一段絞るとガツーンと画質が向上するわけだが、このレンズは開放からソコソコなのであまり変わった感じは無い。だがディティールは明らかな向上を見せている。多少は過剰補正の分があるんだろう。

=F8.0=
150m080
 いやー来ましたねー。右の方の碍子とか下の方のターンバックル部分とか。この質感は申し分ないですね。非点収差のブレブレボケも気にならなくなったし。

=F11=
150m110
 更に画質が向上して全画面に渡って最高画質である。ケチを付けるところは無い。


★遠距離テスト
 本来遠距離は無限遠に近い所でテストするのだが面倒なので150mくらいで(^^; 暗くなるとピントが不安なんだよ(現在17時過ぎ)。

=F3.8開放=
150f038
 ゲゲッなんだこれは!携帯のアンテナがこれまで見た事が無いくらい(注)解像しているぞ。加えて色収差が極度に少ない。もちろんSD(ED)ガラス使用レンズには負けるが一般ガラスとしては高いレベルだろう。球面収差のハロも少ないし目を疑った。

=F5.6=
150f056
 ゲゲゲッ!開放から良いからもう変わらないかと思ったら更に向上したぞ(^^; 全体的にモヤが消えてビシッとした。このサイズならこれでもう充分だろう。

=F8.0=
150f080
 ゲゲゲのゲッ!さらに向上した!携帯のアンテナがもうこれ以上無いくらいに解像している。おいおいニッコールかよ!という声が上がる。

=F11=
150f110
 流石にもう変わらないが、周辺のピントがきた分だけシャープに見える。レンズが「もっと良いカメラを使えやコラ!」と叫んでいるようだ。ただ今19時だがさくらやに駆け込んでK-7、イヤ最低でも1600万のK-5くらい買いたい気分だ(^^; マジで。結論としてこのレンズは「ピントが合った所は非常に素晴らしいレンズ」という事になる。

注:もちろんHJCLのジャンクレンズの話です(^^;


★周辺光量
 我々は気にしないが調べてくれと言われたのでテキトーに見てみた。空に雲があるので判りにくいが…。なお焦点距離は望遠端だけである。このレンズの場合は焦点距離が短ければ短いほど光量低下は少なくなる(70㎜だと殆ど気にならない)。これは短い焦点距離ほど中玉群が前にせり出してくるのでケラレが減るのだろう(予想)。

=F3.8開放=
shuuhen038
 御覧のようにまるで周囲を焼きこんだように暗くなっている。筆者はわざとこのようにする場合が多いので助かるなあ。やはり人工モノより天然モノだよね(^^

=F5.6=
shuuhen056
 一段絞ると一気に解消する。が、まだ皆無と言うワケではない。

=F8=
shuuhen080
 上とパラパラマンガのようにして見ると解るのだがこれで実用上は満足かな。

=F11=
shuuhen110
 がしかし更に絞ると向上する。もっとも計測上と言うだけで気になる人はあまり居ないだろうけど。この場合は雲もあるから全く気にならないと言っても差し支えない。


★続く
 全く期待していなかったが実に良いレンズなので驚いた。600万画素のK100D Superでは明らかに力不足で泣けてきた(^^; このレンズの解像力を活かすには最低でも1400~1600万画素のカメラが必要だろう。現代のレンズより重くて大きいので、ミラーレス+マウントアダプターではブレ防止も大きな課題となる(かなり難しい)。こうやってテストをすると実感できるが、望遠レンズの解像度を落とす主原因はブレである。例の焦点距離分の一なら大丈夫とかの言い伝えを信じないように。経験則というは無根拠だからね。