TAMRON QZ-210 85-210㎜ F4.5
TAMRON QZ-210①
今回は中距離のテストである。全焦点距離で開放F4.5~F11までチェックした。
★85㎜
まずはワイド端の85㎜である。全絞りに渡って使える。絞ってもあまり変化しない。
=F4.5開放=
昔のズームにありがちなハロハロ画面を想像していたが殆ど滲みは感じない。コントラストも付いてよい画質だが、後ろの電柱の辺りと上のワイヤーハーネスの辺りのボケにやや不安がある。非点隔差が開いている描写だ。
=F5.6=
半絞りだがコントラストが良くなっている。感じなかったけどハロが微妙にあったようだ。非点収差は絞っても本質的には変わらないが、ピントが深くなった分だけ目立たなくなる。
=F8.0=
F5.6と殆ど違いは無いが周辺部の描写が上がっている気がする。気がする程度なので安定した描写と言えるだろう。
=F11=
ここまで絞るとパンフォーカスに近くなり破綻は見られない。写真は示さないがこれ以上に絞るとF16は良いとしてF22は全体的にボケ始める。
★100㎜
この焦点距離では開放以外は安定している。
=F4.5開放=
この焦点距離では85㎜の時に見られなかったハロが発生している。代わりに非点隔差はまともになってボケが改善している。
=F5.6=
半絞り絞って微妙に改善した。
=F8.0=
この絞りで明らかに画質が向上した。85㎜よりも良いように感じるが微妙な差である。
=F11=
特に変化は見られない。
★120㎜
ズーム目盛では中間となる120㎜である。
=F4.5開放=
ハロが更に増えたが非点収差がさらに改善している感じ。筆者はどちらかと言えばこの焦点距離が良い。
=F5.6=
半絞りなのでガツンと言う感じではないがハッキリ球面収差のハロが改善した。
=F8.0=
ハロが完全に消えて更に全画面に渡ってコントラストが上昇。
=F11=
ピントが深くなっただけですね。
★150㎜
=F4.5開放=
開放のハロはこの焦点距離が一番大きい。尤も子のハロは使い道もあるので必ずしも有害と言うわけではない。バックのアウトフォーカス部分は非点収差よりも色収差の方が気になってくる。
=F5.6=
球面収差は改善したがまだ充分とは言えない。ピントが深くなった分色収差も目立たなくなる。
=F8.0=
やはりこの焦点距離もF8が一番変わる。全画面に渡って不満の無い画質になる。
=F11=
ピントが深くなっただけで画質に変化は無い。
★210㎜
最後にテレ端の210㎜である。
=F4.5開放=
この焦点距離ではやはり色収差が一番気になる。それとバックのボケに口径蝕が感じられる。ハロはあるが150mmほどではない。
=F5.6=
半絞りでもだいぶハロは消えた。筆者はこの絞りで充分写真が撮れるね。
=F8.0=
更にコントラストが大幅上昇。色収差も気にならなくなっている。碍子の質感がなかなかよろしい。
=F11=
F8から差は全く感じない。ピントが深くなっただけ。
★次回に続く
どの焦点距離も個性があるので「これがベストの焦点距離」と言うものは無い。用途によって変わってくるだろう。遠距離でもこの傾向は全く変わらなかった。次回は無理やり近接撮影のテストをしてみる。最短撮影距離2.0mでどんな絵が作れるのか?