SIGMA ZOOM 28-80㎜ F3.5-5.6 MACRO
SIGMA 28-80㎜ F3.5-5.6①
前回一般撮影テストであまりに酷いので捨てたくなったが、高価なレンズ(笑)なので諦めきれずに再テストしてみた。前回結果で何となくマクロが良さそうという事で他のレンズと同じマクロテストをしてみた。
★53㎜
何で半端な53㎜?と思うかもしれないが、レンズを一番短くした時にこの焦点距離だったので決めた。これより短い焦点距離では被写体が小さすぎるのでテストはしない。
=F4.5開放=
おや?ちょっとアンダーだな。大体1/4~1/3絞り程度アンダーになっている。80㎜のテストで判るがどうもこれはこのレンズの特徴らしい。ハイライトの滲みが見られるが思ったより酷くない。ただ解像力は他と比べかなり低いね。
=F5.6=
半絞りなので画質は特に何も変わらないが露出が正常になっている。開放がアンダーになる病気なのだろうか。
=F8.0=
ハイライトの滲みが無くなって画質は向上…と言いたいところだが全体的に明らかにコントラストが落ちてきて首をかしげる。逆光時の画質のようだ。
=F11=
画質はさらに向上した。ただそれはこのレンズとしてと言う意味で、他のレンズと比較するとあまり良くは無い。
=F16=
被写界深度が上がっただけ。コントラストは開放の方がむしろ良かった。
=F22=
ピントが深くなっただけ。どうもレンズ面に光が当たっているのが拙いようだ。前回も指摘した事だがコーティングが全く意味を成していない事になる。
★80㎜
=F5.6開放=
他と比べれば判るように半絞り以上アンダーになっている。尤も他がネガカラー向きなのでリバーサルだとこれでもいいかもしれない。開放だが遠景を写した時のように顔が引きつる事は無い。お世辞にも高画質とは言えないが。
=F8.0=
露出がノーマルになったがハイライトの滲みはやはりある。
=F11=
またこの辺りでコントラストが急降下。何でやろ?バラして洗うしかないのだろうか。
=F16=
チョット盛り返しているけど光の加減なのだろうか。画質的にはこの辺りが最高画質と言えるだろう。
=F22=
再びコントラスト低下。
=F32=
さらに低下。全画面に渡って光が被ってしまっている。回折なのか光の加減なのか。玉を洗ってみる手もあるな。
★マクロモード
このレンズは知っての通り80㎜時にマクロモードに入れる。改造すると全域でこのモードに入れるがそれはイレギュラーな使い方なので省く。
=F5.6開放=
御覧のように開放は上と同じく半絞り近いアンダーになってしまった。絞りの伝達が上手く行っていない事もあるかもしれないが、もう一つは開放が能書きほど明るくない可能性もある。画質は思ったよりはかなり良いがハロが多いのも事実。
=F8.0=
露出はごく普通になった。ピントはレバーの赤丸に合わせたがその辺りの画質は悪くない。これでもまだハイライトが滲んでいる。一応非球面レンズ使用なんだけどなあ(^^;
=F11=
ハロは完全に消えて更に画質は向上した。これが最高画質かな。
=F16=
ピントが深くなっただけ。
=F22=
同上。このようにF11~22がマクロ域のパワーバンドだ(^^ 厳密にマクロ画質を追求するとこの辺りで使うしかない。
=F32=
真ん中の解像度とコントラストが落ちている。これは回折ですね。
★続く
やはりこのレンズは近接撮影、いやマクロモード以外は使えないレンズと言う結論で良いかな。それと逆光に極度に弱いのが気になる。コーティングは90年代のものなので70年代のコーティングに負けるのは明らかにおかしい。やはりバラして検査するしかなさそうだ。尤もバラすのは解体して死んでも良いように思い残さず使い込んでからだ。少なくとも来年ですね。