HJCLの入手したジャンクレンズはその殆どが再メンテナンスを要求される。早い話が不具合品でそのままでは使い物にならないのが多いのだ。そもそも安いレンズと言うのは余程の不人気でもない限り不具合があるから安いのだ。という事でHJCLもメンテ覚悟で安いのを買う。

 で、メンテなのだがこれが結構カネが掛かる。要求に応じるままにメンテナンス専用品をバンバン買っていると保証付き中古を買った方がマシと言う極めてアホ∧情けない事態に陥る。例えばプラスチック部品の欠け・割れを修復するプラリペアは4000円以上するからな。それだけ払えばまともに動くレンズが数本買える。そこで常にカネの掛からないメンテナンスの研究をしている。この際だから手間賃は考えない事にする。これは趣味だからメンテは楽しみながらやるしかない。筆者に限ればあまり楽しくないけど、金を掛けずに手間暇をかけるのが趣味の本質だ。当然ながらお仕事でやっている人はこの文章を読まないでくださいm9(^^

工具編


 やはり節約は工具だよな。レンズのメンテに使う道具と言えばまず浮かぶのがカニ目回し。


kanimemawasi
 これだな。これらは20年以上前に買ったので幾らなのかよく判らないけど、数百円でないことは間違いない。クソ重い鋳鉄のような奴は一体幾らするんだろう?換え爪だけで1500円ってどういう事よ!これだけでHJCLのレンズよりはるかに高いぞ(^^; 全部で万単位逝っているのは間違いない。この金でレンズ買えよ!と今の自分なら思う。

 意外と使えないんだぜ。まず深い所のは回せない。届かないからだ。腕が当たってしまって回せないとか、先端が合わないとか、これを使う機会は実は多くない。と言うか買ってから殆ど使用した記憶が無い(^^; 恐らく「何となく今後使いそうだから」揃えたのだろう。カッコと道具立てから入るのは筆者の常道である…昔はこれでも稼ぎが良くて金持ちだったので、レンズに軽く○○○○万円は使っているくらいだ。写真の道具って全部まともに新品で買えば軽く億単位行くよな~(スタジオも含む^^)。


kegaki
 昔こんなのも買ってみたが、このケガキコンパスも結構高い。通販で売っている中華カニ目レンチの方がよっぽど安いので持っていない限り新たに買うのは無駄だろう。安物中華ピンセットの方がはるかに安上がりだし曲げられるので役に立つ。これは対象レンズによって自由に形が変えられるのだ。ジャンクズームレンズしか扱わないなら専用カニ目回しを買うのは止めとけ。アホらしいぞ。


compass
 インターネット上でダイソーコンパスを使っている人が居たのでやってみた。弱い。奥の方で回すと恐らく曲がっちゃうなあ。まあ一度どこかのオヤジが分解したユルイ奴なら大丈夫かもしれない。


cap
 今まで一番活躍したのは恐らくこの椅子の脚カバー?ゴムである。色々な大きさと種類があり、使いやすさと径を考慮して決める。ホームセンターで単品売りしている奴は高価な脚もあるので価格をよく見ないと専用品と同じくらい払う事になる。バカは別の部分でやりましょう(^^ なお玉を押して回すと当然傷が付いてしまうので注意。ジャンクで縁の方に傷が付いたのがよくあるんだよね。吸盤は最近小さいのが売っていない。金出せば売っているかもしれないけどこんなモノにカネかけちゃいけない。


driver
 ドライバはノーマルの奴が使えない事が多くて困る。この写真の奴はタムロン製品をバラす為に削ったダイソーの精密ドライバだ。幅が広くて薄いドライバは規格品に無いんだよね。このように新たに治具を作らねばならない場面は結構ある。


chuushaki
 工具ではないがネジを回す時にはアルコールが必要になる。無水エタノールは高価でもったいないので消毒用を使う。乾きが遅いのが欠点だがバラすので関係無い。安い燃料用も使えそうだけど毒性がチョイ気になる。余程のドジを踏まない限り口に入る事は無いだろうが。アルコールは写真の注射器で注入する。くれぐれも入れ過ぎないように!完全分解が必要になる場合がある(^^;


 という事でオチが無いけど工具は金がかかる。ジャンクなので工具もできれば手近にあるもので済ませたい。専用工具を買うくらいならまともな保証付き中古レンズを買えって話になる。それでもある程度のメンテナンス能力はジャンカーには必須だろう。もっともAF時代のレンズになるともう工具ではバラせなくなってくるのだが…。