MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


AF28-80mm F3.5-5.6II①
AF28-80mm F3.5-5.6II②
AF28-80mm F3.5-5.6II③

 前回までで定型テストは終わったが、まだ一寸気になる部分があるのでテストを継続する。特に像面の平坦性が気になる。


★平面複写
 ズームレンズで最も厳しいテストはこれだろう。もちろん単焦点レンズには及ばないだろうが、それなりに見られるものであってほしい(^^; 全部開放で焦点距離を変えてチェックしてみる。被写体はもはやおなじみビックカレンダー(コジマ名義^^)である。

=28mm F3.5=
028mcm035
 サイズが小さいのは大きな画像の扱いが面倒という手抜きもあるが、一目で全体を見渡したいためでもある。80年代以前のズームレンズでは周辺が流れたりボケたりしていたものだがこのレンズはだいたいピントを結んでいるようだ。コントラストも問題ないし大伸ばしをしなければ問題は無いだろう。28㎜のF3.5だと短焦点でもこれだけ描写してくれるレンズはあまり無い。F3.5クラスは廉価版なので周辺が流れたりするものだ。但し歪曲が大きいのはやっぱりズームレンズだなと感じさせられる。単焦点ではここまで大きいのは恐らく存在しないだろう。昔はこれがイヤでズームを拒絶していた。

028mcm035t
 これが中央部の等倍画像である。コントラストの良さと比べ解像力は低い。読めない文字はほぼ皆無だが何となくピンボケしたような甘さである。28㎜では大伸ばしはしない方が良いかもしれない。


=35mm F4.0=
035mcm040
 更に画質が上がってコントラストも申し分ない。歪曲もだいぶ減って単焦点並みとは言わないけど使える程度にはなっている。直線を写さなければ気にならないだろう。

035mcm040t
 これが中央部の等倍画像である。28㎜よりはだいぶマシになっている。まだボケた感じだが見苦しいほどではない。


=50mm F4.5=
050mcm045
 歪曲はほぼ気にならなくなり、画質も広角側と比べると良くなっている。ただこの辺りから開放ではややフレアーっぽい気がする。画質重視なら一段絞りたい。

050mcm045t
 これが中央部の等倍画像である。拡大するとやはりフレアーぽっくなっている。コントラストが下がってきて昔風のレンズになって来ているのだ。広角側は90年代そのもので標準以降は80年代風になってくるわけだ。この辺りは二面性があって面白い。


=70mm F5.6=
070mcm056
 このサイズでもフレアーっぽさが出てきたのがハッキリ判る。ただフレアーっぽいのとは裏腹に解像度は上がってきている。恐らく飛ばしてしまった60㎜辺りに解像力のピークがあると予想している。

070mcm056t
 中央部の等倍画像である。全面的にベールが掛かってコントラストが下がっているが解像度に問題はない。こういうレンズは一段絞ると急激にコントラストが上がって明快になるはずだ。今回は絞らないけど。


=80mm F5.6=
080mcm056
 文字が拡大されたこともあって地図が読めるようになって来ている。一段絞れば恐らく最高画質になるだろう。昔風とは言ってもやはり90年代のレンズである。

080mcm056t
 中央部の等倍画像である。フレアーっぽいがこれはポートレートのような撮影では良いかもしれない。解像度は高くはないが問題ない程度。


 近接撮影でも遠距離や中距離と同じく中央部は1段、周辺まで入れても2段絞れば最高画質になる。3段以上絞ると悪化し始め、5段絞ると開放の方がまだマシである。このレンズを使ってみて良い結果が出ない場合は恐らく絞り過ぎであろう。筆者なら1~2段絞りしか使わないと思う。その辺りに絞りを設定して絞り優先オートで使う。


★妄想
 このレンズってズバリ言って時奈に似ているよね?同時期変宅糞やニコポンにも同じようなレンズがあるが、それもこのレンズと同じ出身である可能性は高い。90年代辺りからカメラメーカーは利益率の低い廉価ズームは自社生産しなくなった。このレンズもそんな流れで時奈製である可能性は高いと思う。

 …って現役時代に思ったのだが、時は流れて現在は健康時奈が蓑ルタの旧製品のサポートをやっている。やっぱりあの時思ったのは事実だったのではないか?と今になって思う。日本ではこういう事実は各メーカーとも努めて隠そうとするが、筆者としては別に隠す必要はないと思うのだが(海外では公開している例もあるらしいし)。