SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5
これの後釜であるカッパⅢやカッパⅣは去年から所有していたが、これまでスルーされて全く記事にならなかった。これはこの初代を入手するまで保留していたと考えよう。念願が叶って手に入れた初代カッパ君は覗いて向こうが殆ど見えないくらいクモっている手負いの物件だった。これ直るのか?とても直りそうにないな…(^^;
http://fanblogs.jp/junklens/archive/12/0
https://blog.goo.ne.jp/ktai_blogzine/c/e1c63335c5352c51702a03397c341a90
上の人たちがこのレンズでいくつか撮影している。写真は小さいが多分この人たちのはクモっていないハズなのでなかなか良さげに見える(^^ 他にも作例を探したが殆ど見つからなかった。ジャンクで出回っている本数を考えると世間では異常なまでに無視されているレンズと言える。もっとも世間の評価が不当だとは思わない。古いMF時代の低倍率望遠ズームなのだからその評価は当然と言える。それでこそ、このネコマタギレンズ研究所で取り上げる価値があるというものだ。
2018/02/28に入手したが、たとえジャンク価格であっても損した気分がするくらい酷い状態だ。元々「3と4が揃ったのでいっその事全部揃えちまうか?」といういい加減な理由で入手したわけで熱意は皆無に等しい。ピントリングのゴムはバラしに備えて外してある。ゴムは洗ったので非常にキレイな状態だ。
本当のクモリであれば直らないが、実際は単なる蒸気クモリというただの汚れの可能性もある。バラして磨くか洗うのは無意味ではなかろう。今日はバラす前の現状保存という事で画像を残しておく。もし元に戻せなかったらこれが遺作となるわけだが…。ズームレンズは組み立て調整がシビヤーで、一旦バラすと元に戻らない可能性も高いので現状保存が必要なのだ。下手するとクモリが取れてもピントが悪くなる可能性もある。まあクモリが取れればコントラストは確実に良くなるだろうが、直接関係無いけどHJCLのズームβはバラしてからイマイチピント補正の調子が悪い。どうもローラーが割れかけているのを位置を変えて誤魔化したのが良くないらしい。やはりこの部品は交換しかないのだろう。
★遠距離700m
=100mm=
100㎜ではピントに特に問題はない。
=200mm=
200㎜では突き当りでも700mはギリギリ。月だと180㎜くらいで一杯だった。これはピントリングを無限に固定して月を見ながら焦点距離だけを変えてみれば判る。尤もマウントアダプタだとそれ(アダプタ)自体が狂っているので参考にならない。
★中距離50m
=100mm=
強引にコントラストを付けたがノイズがかなり酷い。レンズの描写よりそれが気になってしまう(^^;
ちなみにJPEG撮影だとこうなる。上のまともに見える画像はSONYのダイナミックレンジ・オプティマイザーの強力なのを手動で掛けたと思ってもらいたい。
★中距離15m
=100mm=
クモリは御覧の通りかなり酷いです。全く補正していないわけではないが、これ以上は補正しきれないので結果的に使えない事になる。
=200mm=
200㎜になったところでクモっているのに変わりはない。
★マクロ
このレンズは後出しという事もあって同焦点距離のFDに多くの面で勝っているが、その中で最も大きく勝っていると思われるのがこの機能だ。FDにはマクロ機能が無い上に最短撮影距離も長いので日常使用は不可能に近かったが、このレンズの場合は最大1:4.5までのマクロ機能があって日常使用も可能である。最大1:4.5といっても我々が使用するのはAPS-Cなので実際は1:3まで寄れる事になる。
=マクロ無し100㎜最短=
マクロ機能を使わずにメイチ寄ったのがこの画像。マクロ撮影も全て開放だが特に気になるところは無い。コントラストが低いのはクモリのせいである。Σと言えばマクロだがこのレンズもマクロは良さそう。
=マクロ100㎜最短=
ここまで寄ると完全にマクロレンズの領域だ。クモリが無くなったらかなり良い絵になると思う。
=マクロ200㎜=
これまではワイド側の100㎜で撮影してきたが200㎜でも一応マクロ機能は使える。ただそれだとこのようにハロっぽくなりマクロ倍率も反って下がってしまう。レンズ全長が伸びてブレにも弱くなるしテレ側でマクロを使う意義は皆無である。
★続く
低倍率望遠ズームという事でかなりピントは良さそうだ。こういうの描写を見せられるとギャンブルしてでもクモリを取りたくなる。次回はバラしてクモリを取りたい。