SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5


Σズームカッパー①

 前回の続き。今日はバラしてクモリ玉を取り出す予定。玉が磨ければ磨き、無理そうなら諦めて元に戻すだけだ。全バラではないので元に戻せるだろう(^^


★バラす
 ズームレンズをバラすのはレンズマニアにとってはご法度である。ズームレンズは一度バラすと元と同じに組み立てても完全に元通りになるわけではない。何故ならリングネジの締め付けトルクやカムの微妙な位置によって調整がズレて来るからだ。カムの経年摩耗でピント補正も変わって来るから性能が元とは全然違ったものとなる。これまでに見てきた素人修理で元通りに組み立てたモノは一杯見たけど全て調整はメチャ狂いだった。組み立てたあとでピントの移動がAFレンズ並みに大きかったらまず失敗だ。補正されていないという事だから。

 逆に自分でバラした時に何かの拍子に奇跡的に?調整が上手く行って、メーカー出荷時を越えるのではないかというスゴイ性能が(一部で)出る事もある。これはもう一度味わうと麻薬みたいなもので、それを見たさに分解していると言っても良いくらいだ。調子こいて所有レンズを全部バラしてしまわないように「バラしていいのは不具合のあるレンズだけ」というHJCLの掟を作って抑止しているわけ(^^

 閑話休題、前玉はクモっていないのでバラす必要はない。よって銘板リングを回す必要はない(尤もこのレンズに銘板は無いが玉止めのリングはある)。今回用があるのは中玉なので途中から分解する。


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 分解の方法が判らないのでまずローラーのネジを外してみた。前後に1本ずつ、計2本である。するとヘリコイド枠が回って取り外せるのかと思ったがハズレた(^^; このネジは関係無い。外さなくてもいいのかな。


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 実はこの穴から見えるネジを外すのだった。しかしそれにはピント表示位置調節ネジを緩めるか外さねばならない。ネジの頭が完全に露出しないからだ。前後2つ、合計4つのネジを緩めるか外す。その後頭が出たネジを外せばヘリコイド枠が外れる。

 このレンズは鏡胴の細身なところとか、直進ズームだけどヘリコイドとズームリングが二重になるところとかが瑞光に似ている気がする。尤もこのレンズはヘリコイドのガイド枠が直線で、瑞光は斜めに回転しながら進むから全く同じ機構と言うワケではない。


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 そのすぐ下がクモっている玉である。このメーカーはこの時期ネジロックが厳しかったのでこのネジもなかなか回らないかと思ったが非常に緩かった。何となく誰かがバラした気もするが跡は全く分らない。4つ穴なのはそういう治具があるんだろうな。4つ穴だとバランスが取れるので治具に取り付けてそのまま回せる。


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 外した玉はまず中性洗剤で洗う。汚れだとすれば油分なのでこれで取れなければガラスの変質による正式な?クモリであり復活は不可能に近い。酸化セリウムで磨けば取れるかもしれないが、その場合はコーティングも無くなりΣズームκではなくなるので意味が無い。我々はどんなものでも良いからジャンクを復活させたいわけではない。あくまでもΣズームκを復活させて使いたいのだ。


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 だいぶクモリ濃度は下がったが、やはりガラス表面が変質しているのかある程度までしか改善しなかった。もっとも分解以前は向こうが見えないくらいだったのでこれでも充分だ。瑞光100200の似た形状の中玉が全く同じようにクモっていたがアレと同じガラス構成なのだろう。変質の触媒としてはグリスの中の成分だと思われる。貼り合わせ部分のクモリという事も考えられるが、それはいずれ瑞光の玉を剥がして確認してみたい。


★その他
 フードが汚れていたので外して洗った。勿論洗う前に反射防止布をクリーニングしてからだ。これにより反射はともかく見栄えは非常に良くなった。ジャンクではなくいつも使っているレンズに見える(^^


★続く
 クモリはあまりスカッと無くならなかったが、現状は覗いた時にコントラストが低いと感じる程度だ。それではダメだと思うかもしれないけれど、クモリ取りをする前は向こうがよく見えないくらいだったのだ。なのでこれでも改善していると思う。次回はこの稍クモリ取りバージョンをテストしてみたい。どのくらい違いが出るか楽しみ。