ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

α

AF 28-80mm F3.5-5.6II⑥

MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


AF28-80mm F3.5-5.6II①
AF28-80mm F3.5-5.6II②
AF28-80mm F3.5-5.6II③
AF28-80mm F3.5-5.6II④
AF28-80mm F3.5-5.6II⑤

 前回に引き続き千駄山演習場にて撮影テストを行なう。いやー、何しろ人が多くて何か変な物は撮影しづらいな(^^;


ippan018
 実際今日は開花宣言が出た桜を撮りに来たんだよな。


ippan019
 あー、家が邪魔だな。世界の黒沢なら「あの家を取っ払え!」というところだが(^^


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 枝垂桜。開放だと一寸ボケるので変な感じ。もっと明るくして色も変えればいいのかな。


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 夕日なので色が偏っている。


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 花見の客もだいぶ帰って御覧の通り。逆光なので月の輪が出ている。


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 枝の先までピントが来る予定だったのだが…(^^;


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 だんだん桜に飽きてきた。ここで見せたカットは少ないが、実は他のカメラやレンズでも撮っている。


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 毒々しい色を狙ったが、レンズが期待以上に応えてくれてしまった(^^;


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 やはり80㎜開放だと滲んでいるんだなあ。


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 50㎜でもやはり滲む。滲まないのは35㎜以下だろう。


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 28㎜では全く滲まないね。コントラストの面からみると広角側が良いレンズとなるのだろうが…オレはそうは思わないな。


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 保谷市のマンホールの蓋。こういう所にカメラを向けているとそこら辺のジジイが「何かいるの?」と聞いてくるのが笑える。「別に何も居ないよ」と言うと怪訝そうな顔をして去っていく。写真をやるものと一般人の差はこの辺にあるのだろう。


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 今日は生憎電車は通らないな。これも光源が入ったので月の輪が出ている。


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 順光だとこうなる。すでに日が暮れかけているのでもう撮影は終了かな。


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 もっと引いててっぺんまで入れて月を右に寄せたかったが、これ以上引くと車に挽かれるんだよ(^^;


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 開放でボケのテスト。やっぱり人とか動物とか、生ものをを撮るのに良さそう。シャッターがヤバくなってきたのでこれでお終い。


★エピローグ
 αマウントレンズはMFだと非常に使いづらい(ピントリングの話ではない)のは確かだがひと癖あるレンズが多く、これを一介のビンボージジイやワケワカラン初心者に渡すなんてもったいない。MFの癖玉なんてチョロイと思えるくらい「操る楽しみ」がある。レンズを知り尽くした(と自分では思っている^^)ベテランにこそ、この難解な面白さを知ってほしい。よく写らなかったら使い方が悪いか(←殆どコレ^^)レンズが逝かれていると考えて良い(この時期のHB非球面レンズは短期間で逝かれやすい)。

 かく云うオレ自身、今まで蛇蝎のごとく嫌っていた90年代のプラスチック製AFズームレンズがこれほど面白いとは思わなかった。80年代以前の味は無い、かと言ってデジタル時代のような明快強烈なコントラストも無い90年代レンズ。造りは安っぽく持つ喜びも無いこれらのゴミ(扱い)レンズで何かの拍子にスゴイ画像が出来てしまった時の快感は忘れられない。

 加えて金属時代のMF単焦点は(容易に手に入るものは)粗方使って使いまくったので飽きてしまったというのも大きいかも知れない。未知の領域はいつだってワクワクする。いずれ(現時点では)クソ呼ばわりしているデジタルレンズを使って未知の驚きを感じているかもしれない。レンズの楽しみにゴールと言う到達点は無い。

AF 28-80mm F3.5-5.6II⑤

MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


AF28-80mm F3.5-5.6II①
AF28-80mm F3.5-5.6II②
AF28-80mm F3.5-5.6II③
AF28-80mm F3.5-5.6II④


★一般撮影
 3月末にはだいぶ暖かくなったので外に持ち出してみた(この記事がいつ出るか分らないがその頃に書いた記事^^;)。AF専用レンズを戸外で、しかもMFオンリーで撮影するのは初めての試みだ。この辺りは撮るものはそんなに多くないが、季節がらジジイの好きな花くらい撮れるだろうと考えた。オレはサービス精神が旺盛なのだ(ウソ)。実は桜以外の花はまだ蕾が多くあまり咲いていなかったのだが。

 この日は風が強く当初より被写体ブレが懸念されたが予想は的中、何と64カット撮って半数近い31枚もボツになってしまった(^^; 自分の作品ならブレたのでも場合によっては使ってしまう場合があるが、この場合は曲がりなりにもレンズのテストなのでブレたのはまず使えない。それとレンズテストでは極度に使いやすいミラーレスだが、こと一般撮影に於いては地獄の使いにくさだった。適材適所と言うのは確かにある。同時に使ったペンタックスが何と使いやすい事か!(^^ 今後の一般撮影テスト用にEVF付きのミラーレスも必要かもしれない。


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 今日も千駄山演習場こと東京都立東伏見公園にやって来た。これは西門の案内板だがモロにレンズ面に光が当たる逆光なのでテストになりそう。結果は御覧の通り月の輪が現れたがまあまあ良くやっている方だろう。ちなみに今日の撮影は全て開放絞りである。開放こそ味が出る…と言うワケじゃなくて絞るのが面倒だったため(^^;


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 解像力チェック!まあこの距離だから全部解像するのは当たり前。ちなみに80㎜である。


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 もう一丁、これはサイドライトで都市計画公園事業の案内を撮る。これは80㎜である。


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 上画像の等倍である。ま、80㎜なので余裕で解像する。しなかったらゴミです(^^


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 これは50㎜である。80年代のズームだともうこの辺りで怪しくなってくるが、流石にこのレンズは90年代なので問題無し。


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 上画像の等倍。80mmよりむしろよく見えたりして。


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 さて問題の28㎜だが、全体で見ると実に良いコントラストだね。開放でここまでやれるレンズは80年代には殆ど無かった。


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 上の等倍画像。流石にちょっとヤバゲだが全部解像したので合格だな。少なくともコンデジよりは一枚上手と言っておく。


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 更にしつこくもう一丁。これは80㎜である。


ippan010
 上画像の等倍。何かボケているな…。チチヤスって東京にも売っているのか。初めて知った。


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 これは50㎜である。写真単体で見ると良い感じだが。


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 50㎜の等倍画像。やはり解像力は大した事は無い。


ippan013
 28㎜の全景。開放からコントラストが非常に良い。


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 28㎜の等倍画像。28㎜としてはまあまあかな。ボケボケだった接写の時とは違う印象がある。


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 解像力テストばかりして花を撮るのを忘れていた(^^; マクロ域だが開放から良いコントラストである。50㎜かな?


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 予想ではこの花が咲いているはずだったが咲くのは4月かな。50㎜である。


ippan017
 80㎜にアップ。白っぽくなりがちな被写体だが文句ないですね。


★続く
 ちょっと長くなりそうなので以下次号。

AF 28-80mm F3.5-5.6II④

MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


AF28-80mm F3.5-5.6II①
AF28-80mm F3.5-5.6II②
AF28-80mm F3.5-5.6II③

 前回までで定型テストは終わったが、まだ一寸気になる部分があるのでテストを継続する。特に像面の平坦性が気になる。


★平面複写
 ズームレンズで最も厳しいテストはこれだろう。もちろん単焦点レンズには及ばないだろうが、それなりに見られるものであってほしい(^^; 全部開放で焦点距離を変えてチェックしてみる。被写体はもはやおなじみビックカレンダー(コジマ名義^^)である。

=28mm F3.5=
028mcm035
 サイズが小さいのは大きな画像の扱いが面倒という手抜きもあるが、一目で全体を見渡したいためでもある。80年代以前のズームレンズでは周辺が流れたりボケたりしていたものだがこのレンズはだいたいピントを結んでいるようだ。コントラストも問題ないし大伸ばしをしなければ問題は無いだろう。28㎜のF3.5だと短焦点でもこれだけ描写してくれるレンズはあまり無い。F3.5クラスは廉価版なので周辺が流れたりするものだ。但し歪曲が大きいのはやっぱりズームレンズだなと感じさせられる。単焦点ではここまで大きいのは恐らく存在しないだろう。昔はこれがイヤでズームを拒絶していた。

028mcm035t
 これが中央部の等倍画像である。コントラストの良さと比べ解像力は低い。読めない文字はほぼ皆無だが何となくピンボケしたような甘さである。28㎜では大伸ばしはしない方が良いかもしれない。


=35mm F4.0=
035mcm040
 更に画質が上がってコントラストも申し分ない。歪曲もだいぶ減って単焦点並みとは言わないけど使える程度にはなっている。直線を写さなければ気にならないだろう。

035mcm040t
 これが中央部の等倍画像である。28㎜よりはだいぶマシになっている。まだボケた感じだが見苦しいほどではない。


=50mm F4.5=
050mcm045
 歪曲はほぼ気にならなくなり、画質も広角側と比べると良くなっている。ただこの辺りから開放ではややフレアーっぽい気がする。画質重視なら一段絞りたい。

050mcm045t
 これが中央部の等倍画像である。拡大するとやはりフレアーぽっくなっている。コントラストが下がってきて昔風のレンズになって来ているのだ。広角側は90年代そのもので標準以降は80年代風になってくるわけだ。この辺りは二面性があって面白い。


=70mm F5.6=
070mcm056
 このサイズでもフレアーっぽさが出てきたのがハッキリ判る。ただフレアーっぽいのとは裏腹に解像度は上がってきている。恐らく飛ばしてしまった60㎜辺りに解像力のピークがあると予想している。

070mcm056t
 中央部の等倍画像である。全面的にベールが掛かってコントラストが下がっているが解像度に問題はない。こういうレンズは一段絞ると急激にコントラストが上がって明快になるはずだ。今回は絞らないけど。


=80mm F5.6=
080mcm056
 文字が拡大されたこともあって地図が読めるようになって来ている。一段絞れば恐らく最高画質になるだろう。昔風とは言ってもやはり90年代のレンズである。

080mcm056t
 中央部の等倍画像である。フレアーっぽいがこれはポートレートのような撮影では良いかもしれない。解像度は高くはないが問題ない程度。


 近接撮影でも遠距離や中距離と同じく中央部は1段、周辺まで入れても2段絞れば最高画質になる。3段以上絞ると悪化し始め、5段絞ると開放の方がまだマシである。このレンズを使ってみて良い結果が出ない場合は恐らく絞り過ぎであろう。筆者なら1~2段絞りしか使わないと思う。その辺りに絞りを設定して絞り優先オートで使う。


★妄想
 このレンズってズバリ言って時奈に似ているよね?同時期変宅糞やニコポンにも同じようなレンズがあるが、それもこのレンズと同じ出身である可能性は高い。90年代辺りからカメラメーカーは利益率の低い廉価ズームは自社生産しなくなった。このレンズもそんな流れで時奈製である可能性は高いと思う。

 …って現役時代に思ったのだが、時は流れて現在は健康時奈が蓑ルタの旧製品のサポートをやっている。やっぱりあの時思ったのは事実だったのではないか?と今になって思う。日本ではこういう事実は各メーカーとも努めて隠そうとするが、筆者としては別に隠す必要はないと思うのだが(海外では公開している例もあるらしいし)。


AF28-80mm F3.5-5.6II③

MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


AF28-80mm F3.5-5.6II①
AF28-80mm F3.5-5.6II②

 初回は遠距離、前回は中距離のテストを行なったが今日はマクロのテストを行なう。

 最短撮影距離は0.38mなので標準ズームとしては悪くはない。その0.38m表示の横にはマクロとあるがこのレンズはシームレスマクロであり、マクロ域に入るための操作は何も必要としないのでどんどん寄っていける。実際このタイプが一番使いやすいね。事実上は最短撮影距離が短いレンズという事になる。


★80㎜(開放F5.6)
 このカメラのピントをどこに合わせたらいいのか分からなくなってきた(^^; 希望として蓑ルタには合わせたくないんだ。で結論としてはレンズに合わせればいいんじゃないか?という曖昧なピントになった。一部露出がアンダーなのはなぜだろう。

=開放=
080mc000
 ややホワッとしているが筆者はこのような描写が好きなので充分使える。ちなみに今日はハイマチック7sが景気悪く下を向かないようにキャップを入れてみた(^^;

=1段絞り=
080mc001
 あー、筆者的にはもうこれ以上絞らなくてもいいかな。ピントがやや浅いので商品写真にはならないだろうけど。

=2段絞り=
080mc002
 だいたいピントが来た。ミノルタは稍ボケているが。

=3段絞り=
080mc003
 ほぼ主要部分にはピントが来た。これより絞るとバックがうるさくなる。

=4段絞り=
080mc004
 ちょっと画質が下がって来たね。

=5段絞り=
080mc005
 全体的にコントラストが下がった。

=6段絞り=
080mc006
 ピントは深いが画質は開放並み。


★50㎜(開放F4.5)
 あー、また露出失敗した(^^; どうもリバサール調にしてしまう癖が消えない。ネガカラーで行かなくては。

=開放=
050mc000
 カメラの撮影には向いていないかもしれないが描写としては良いと思う。

=1段絞り=
050mc001
 一般人でもこれならOKかな。

=2段絞り=
050mc002
 またアンダーになってしまった。カメラの写真としてはこのくらいかな?

=3段絞り=
050mc003
 バックがハッキリしてきただけ。しない方がいい(^^;

=4段絞り=
050mc004
 同じく。

=5段絞り=
050mc005
 画質が明らかに低下してきた。

=6段絞り=
050mc006
 パンフォーカスにしたいとか特殊用途ですね。


★28㎜(開放F3.5)
 書き忘れたが今日は焦点距離ごとに撮影距離を変えている。そうしないと周りに雑多なモノが入ってダメだった。

=開放=
028mc000
 このサイズだと開放から全く問題ない。絞りはF3.5なのだから単焦点並みと言ってもバチは当たらない(^^ APS-Cの28㎜でもボケるね。

=1段絞り=
028mc001
 コントラストが上昇。

=2段絞り=
028mc002
 ピントが深くなってバックがウザいだけ。

=3段絞り=
028mc003
 同じく。

=4段絞り=
028mc004
 もうこの辺りから画質が悪化している。

=5段絞り=
028mc005
 特に用が無い限り絞らない方がいい。

 6段絞りは無し。5段と変化が無いからと言いたいところだが、実はSDメモリに空きが無くなっただけの話でした。


★続く
 定型テストは終了した。次回は補足事項を少々。

AF28-80mm F3.5-5.6II②

MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


AF28-80mm F3.5-5.6II①

 今回は中距離テストを行なう。標準ズームは焦点距離が短いため通常中距離と遠距離を兼ねるがこのレンズの場合は遠距離と分けてみた。実は当初28、35、50、70、80㎜に分けたのだが写真を上げるのが面倒なので抜いた。いわゆる手抜きだが傾向は似ていたので問題無かろう。


★28㎜(開放F3.5)

=開放=
028m000
t028m000
  すまない、都合により全景はこの大きさしかないんだ。全景のサイズだと特に問題なく見える。等倍では遠景では目立たなかったフレアーっぽさが出ている。一寸コントラストが低い。

=1段絞り=
028m001
t028m001
 一段絞って真ん中は最高画質だが等倍だと絶対値的に足りない。本質的に写真レンズは画角に弱い。つまり広角レンズは画質が良くないものなのだ。それを標準レンズとして使おうとすれば結果が出ないのは当然だ。

=2段絞り=
028m002
t028m002
 広角側のケラレはかなり大きいらしく周辺光量は不足するが、空のトーンが落ちるのでむしろ好ましい。真ん中は変わりなし。

=3段絞り=
028m003
t028m003
 等倍は開放以外変わりなかった。つまり一段絞ればもうそれ以上絞る事は無いという事だ。


★50㎜(開放F4.5)

=開放=
050m000
t050m000
 遠景と同じくハロっぽい。これは絞れば解決するだろうと予測ができる。

=1段絞り=
050m001
t050m001
 予想通りガツンとコントラストが上がった。

=2段絞り=
050m002
t050m002
 1段絞りと同じで最高画質だ。

=3段絞り=
050m003
t050m003
 ここで早くも画質低下の傾向が見える。画質重視なら3段以上絞ってはいけない。


★80㎜(開放F5.6)

=開放=
080m000
t080m000
  遠景と同じくやはり開放はハロがあるが、バックが空に抜けているだけに目立たない。開放から普通に使える。等倍ではややピントが悪く見える。ただポートレートのような用途ではこの方がイイだろう。特に女性ポートレートはキリキリにピントが良いと嫌われる(^^;

=1段絞り=
080m001
t080m001
 ここでガツンと画質が上がるが絶対値的にはあまり高くない。小サイズが本領のレンズだ。

=2段絞り=
080m002
t080m002
 ここでピント移動発生。遠景でも出ていたが等倍だとかなり目立つ。厳密な撮影では絞ってから合わせ直しが必要だ。

=3段絞り=
080m003
t080m003
 コントラストは2段絞りと変わりないがピントがボケてきている。やはり早熟レンズだ。


★続く
 次回はマクロ撮影テストを行なう。

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