ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

α

AF28-80mm F3.5-5.6II①

MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II


 ジャンクカメラ不幸箱に入っていたレンズのうちの一本。αマウントのレンズはこれまでいくつかテストしたが蓑製は扱った事が無かった。いや同焦点距離のXiを扱ったけどアレは不具合品が確定しているので除外(^^ 望んで買ったレンズではないが非常に興味はある。さて90年代蓑純正レンズの性能はいかに?

AF28803556II
 ミノルタはネームだけではサッパリ解らないので写真で示す。銀色の奴でα-Sweetとかに似合っている。がしかし案外大きいな。官能のようにモーターが入っているわけでもないのに中に何が入っているんだろう?と疑問に思ってしまう。持ってみると分るがスカスカなので何も入っていないハリボテだろう(^^; 前玉も大きく62φでフィルターワークには影響が出そう。尤もHJCLではクローズアップレンズくらいしか使う事は無いだろうけど。絞りは勿論ピントリングも無い。私見で悪いが外見は野暮ったくてよろしくないと思う。大味なアメリカではウケるかもしれないが、少なくとも日本人でこれを「カッコいいから」という理由で買う者はないだろう。仕様はケンコーのサポートサイトを参照の事。まだ見た事無いけど黒いのもあったのね。

 玉の状態は傷は全く無くてコーティングは完全だ。ただ前玉裏にカビが一点ある。これはコントラストに悪影響があるかもしれないが、動作チェックの時には特に問題は感じられなかったので大丈夫だろう。少なくともXiのように評価不能レベルではない。これの結果が新品でも適用出来るはずだ。ところでこのレンズってケンコーと言うかトキナーに似てない?筆者は中身も含めてよく似ていると思うんだけど。

 今日はまずは遠距離テストから行ってみよう。これまで標準ズームは遠距離と中距離をまとめて行なったが、まともな(Xiはまともじゃない^^)蓑純正標準ズームは初めてという事で個人的に興味があるのだ。50㎜と80㎜は全景と等倍で、28㎜は全景は無しで次回の中距離画像で兼用する。


★28㎜(開放F3.5)

=開放=
028f000t
 開放の等倍画像である。手前が暗いためチョット露光がオーバーになってしまっているが、35㎜フルサイズの28㎜レンズとしては問題無し。やっぱりXiが死んでただけだな…。

=1段絞り=
028f001t
 多少コントラストが上がったような気もするが28㎜は基本的に開放ドッカンタイプである。画質の向上は僅かである。

=2段絞り=
028f002t
 ありゃ?ピントが奥に行って全体がボケちまったぞ(^^; 回折で画質が低下しているわけではないな。

=3段絞り=
028f003t
 どんどん向う側へ行ってしまっている。このようにピント移動があるのでMFで使うなら開放からF5.6までで止めておいた方がいい。画質は変わりないのだから明るい方を使いましょう。


★50㎜(開放F4.5)

=開放=
050f000
 まずは全景だがハロハロではないか。28㎜とは打って変わった昔風だ。筆者にとってはこの変化がズームレンズの楽しみなんだよなあ。このサイズだとそんなに悪く見えない。

050f000t
 これも露光がオーバーだが解像度は悪くない。ハロに留意すれば使えるという事だ。

=1段絞り=
050f001
 期待通り1段絞りでスカッと消えた。このサイズなら申し分ないですね。

050f001t
 等倍だと絶対能力にやや不足を感じるが50%くらいまでなら充分やれそう。実際50%に縮小してみれば解ると思う。単焦点と特に変わりない。

=2段絞り=
050f002
 もう変わらないね。ピントが深くなっただけ。開放はハロがあったがやはり早熟には違いない。

050f002t
 上と同じ画像を見ているようだ(^^;

=3段絞り=
050f003
 全く変化なし。50㎜は1段絞りすればOKでそれ以上はなるべく絞らないということで。さすがに90年代のレンズだなあ。

050f003t
 また同じ画像を見せられてしまったみたい。良くも悪くも超ド安定だ。


★80㎜(開放F5.6)

=開放=
080f000
 これもハロがあるけど…いいなあこの細かさは。想像していたのと全然違うな。

080f000t
 ハロでコントラストは低いが解像度は高い。昔の80年代以前のレンズ風だ。

=1段絞り=
080f001
 1段絞るとスカーン!と言う音がしそうなほど明快になる。尤も開放が暗いのでやってくれなければ困るが。

080f001t
 ちょっとseeingが発生しているがそれでも判る。標準ズームレンズとして水準以上である。

=2段絞り=
080f002
 もう絞る必要なし。

080f002t
 全然変わらない。

=3段絞り=
080f003
 ピントが深くなっただけ。これ以上絞ると画質は落ちていく。

080f003t
 厳密に言うと画質は低下している。画質優先なら1~2段絞りだけ使えばいい。


★続く
 次回は中距離テストを行なう。


★おまけ
digital
 上の80㎜の画像をデジタル処理して仕上げてみた。あーインチキくさい色だ(^^; こんな風景はこの世のどこにもありませんよ。でもこのサイズで使えるよね。

Xi 28-80mm F4-5.6爆死(^^;;

MINOLTA AF ZOOM Xi 28-80mm F4-5.6


 前回のタイトルが爆死なのは何でだろう?と思った人も居るだろうが、実は本当に爆死するのは今回の記事である(^^; 画質が片ボケというか部分ボケして無茶苦茶なので分解調査する。

xi2880_2
 今更のように気づいたけどこのレンズってマウントが金属なのね。Xi時代のαマウント廉価レンズはプラ製が当然だと思っていたので意外。


★こんなクソは分解じゃああああっ!
 いやバラして調査しても解らないだろうし元に戻ることも無いだろう。これは直す気が無いというより恐らく直すのは不可能だ。カテゴリは修理・改造だが修理ではない。中はきっとモノスゴイつくりなんだろうな…内部に対する興味本位でバラしたいというのが本音だ。


bunkai01
 まずは定番のゴム剥がしから…がしかし結論を言えばこの行為は全くの無駄であった。これまでのズームレンズとは全く違う構造なのだ。この構造はレンズと言うよりコンパクトカメラの方が近い。


bunkai02
 テープ1はスイッチでした。ご存じの通りこのレンズはリングがスイッチになっている。これはその接点に当たる。


bunkai03
 テープ2も接点だった…。


bunkai04
 テープ3もハズレ…。


bunkai05
 テープ4もハズレ…。


bunkai06
 テープ5もハズレ…。


bunkai07
 最後のテープ6はダブルでハズレ…。結論としてズームリングゴムは外す必要なし。これを外してもズーム・ピント用スイッチ類があるだけで分解とは全く関係無い。これらはそのままで本体は完全に分解できる。


bunkai08
 前オーナーの夢を叶える。剥がしたが銘板はただの名前入りシールだった。結論としては前からは分解できないという事だ。前オーナーは何故か必死に銘板を剥がそうとしていたが、後述のように前玉ユニットは非分解なので前玉を外すのは不可能だ。クラシックレンズの知識はこの際全く役に立たない。


bunkai09
 結局このレンズはマウント側からバラすしかない。これが唯一無二のルートなのだ。


bunkai10
 開けたらどこかのバネが一つ落ちてきた(^^; これもう元に戻すのは諦めた。もともと戻す気もあまり無いのだけど。


bunkai11
 最も怪しいこのネジを外したが何も起こらないぞ?


bunkai12
 パワーズームのスイッチもぶっ壊したが裏に仕掛けは無い。ただシールで貼りつけてあるだけ。これも外す必要は無いのだ。


bunkai13
 と思ったら2つ前の怪しいネジでやはり正解だった。どこかに引っかかっていただけだろう。ごぼっとユニット全体が引き抜けた。


bunkai14
 フォーカス枠が回したら抜けたがどうやって固定されていたのか分からない??元に戻しても抜けちゃうんだよね。これはトリッキーだな。


bunkai15
 HB非球面レンズである。見た目死んでいる感じは無いのだが…。


bunkai16
 うーんやっぱり止め方が判らない。それと気づいたのだが絞りが全開にならない仕様だな。本当はF4ではなくF3.5なのではないか?


bunkai17
 カムパイプもエンプラ製だ。どのくらい持つのかな?それよりヘリコイドオイルがヤバい。


bunkai18
 何故かと言うと知らないうちに絞り羽根に油が回っていた(^^; これって設計の手抜きと言うか欠陥だよな。オイルバリアが無いんだもの。使っているうちにいつか必ず油が回るはずだ。絞りの掃除は難しいね。全バラする覚悟でないと不可能に近い。分解せずに綿棒などで根気よく拭けば取れるかもしれないが今は時間が無いしやってられない。


bunkai19
 何とか元に戻した。


bunkai20
 がしかし、例の小さなバネはやはり何所に付くのか分からない。あとフォーカス枠が抜けてしまうので止めたいのだがストッパーは無いのか?(^^;


bunkai21
 まあいいや。それと上でも書いた通りこのレンズの広角側の開放はF3.5らしい。開放でも絞りが開ききらないようだ。レバーのストロークが足りないだけなのか、それとも最初から設計でそうなっているのかは分らない。

 この開放半絞りの差は大きいので無理やり広げてみよう。方法は絞り連動レバーを外してしまうのだ。もちろん自動絞りどころか開放専用になってしまう。がしかしどうせもう元には戻らないレンズだし構わん。当初羽根を取ろうと思ったが金属板でサンドイッチしてあるので面倒そうで止めた。もしかしたら別のレンズでやる事があるかもしれない。連動レバーを外して絞り全開にしてみたら確かに半絞りくらい明るくなったが画質が更に悪化しただけで大して意味は無さそう。作例写真は誤って消してしまった(^^; これで終わりです。


★終わり
 やはり完全には元に戻らなかったか(^^; いずれこのレンズを開放F3.5の絞り無しマニュアルフォーカス専用レンズに改造するか、玉だけ取り出して遊び材料にしたい。次回このレンズをバラす事があったら分解の仕方は判ったので運が良ければメンテぐらいはできると思う。Xiシリーズは皆同じっぽいので他のXiレンズでもバラせるだろう。いい勉強になりました(と思わないとムカつくからな^^)。

 それにしても複合非球面レンズ使用のレンズは謎の不良が多い。筆者は複合非球面レンズそのものに経年問題が出るのではないかと推理したのだが、今日見た限りでは不具合らしきものは確認できなかった。非球面が見えない範囲で変形しているのかな。プラ複合レンズは高々60℃程度で死亡するレンズなのだから短期でこのような不具合が出ても全く不思議はない。新品で買ってはいけないレンズだね。少なくとも筆者は絶対に買わない。

Xi 28-80mm F4-5.6爆死(^^;

MINOLTA AF ZOOM Xi 28-80mm F4-5.6


xi2880
 Xiシリーズの中で最廉価なズームであり、αXiシリーズの標準レンズとして相当な数が出ていると思う。不人気カメラの相棒レンズとあってレンズ名で検索すると売り広告ばかり(^^; 今時使っている奴は見た事が無い。歴戦のαユーザーだって「このレンズはちょっとね…」とドン引きだ。オークションでも誰も欲しがらないので干からびた回転ずし状態である。状態の良いモノが300~500円で売っていても誰も買わないのだから典型的なネコマタギレンズであり我々の出番なのだ。結果を先回りして書けばタイトルの通りなのだが…初の蓑ルタ製レンズ特集がこれだよ(^^;


a7000_xi2880
 世代違いのα7000に付けても誂えたようによく似合う。尤もこの組み合わせだとAFはエラーが出て動かないのでMFにしないとシャッターが切れないしズーミングも未対応で不可能だ。ペンタックスのような手動ズーム可のレンズではなくモーター駆動オンリーの手抜き仕様だ。それどころかマニュアルフォーカスもパワーフォーカスオンリーである(リング切り替え式)。このレンズ特有の欠点としては「全く寄れない」だ。この当時の標準ズームとしては劣っている最短撮影距離0.8mに加え、それを補うためのマクロ機能も無い。個人的にはマクロ撮影が出来ない標準ズームは実用不可能だと思う。


★現状
coating_kizu1
 HOの青箱の中でもう滅茶苦茶当たりまくってコーティングが傷ついていた。それだから100(108)円なのだが。但しガラスに傷は無いのでピントに影響は無い…はず。強入力にならなければ新品と差は無い…はず。


coating_kizu2
 汚れを取ろうとしてガシガシ磨いてみたら余計に酷くなってしまった(^^; コーティング傷じゃなくてコーティング剥がれに昇格(転落)だ。玉に傷は無いようだが、ハッキリ言ってスポットの欠け傷なんかよりもコーティング剥がれの方が状況はヤバい。傷はある程度の大きさまで影響は無いがコーティング剥がれの影響は面の反射なので大きい。コントラストはある程度諦めねばなるまい。

 現時点では焦点距離が50~45㎜辺りに固定されているので開放F4.5の50㎜単焦点レンズだ。最少絞りは α7000でF27まで絞れた。恐らく28㎜の時はF22、80㎜の時はF32まで絞れるのだろう。50㎜レンズは万能と言われるが、実際は寄るでもなし、引くでもなしで中途半端な詰まらないフレームになりやすい。筆者などはマクロ以外は50㎜は使わないのだが、このレンズはマクロ使用をも拒否する最短撮影距離0.8mという鬼畜仕様である。一体何に使えばいいのだろうか?ズームレンズにマクロ機能は必須だと思う。取りあえず今回はこの50㎜F4.5単焦点状態でテストしてみたい。他の焦点距離の方が格段に良い可能性はあるだろうが現状仕方が無い。これがこの個体(17144074)の最後のテストとなったわけだが…。


★遠距離テスト
 焦点距離が短いため遠距離と中距離は併合する。前記の通り現時点に於いては単焦点レンズなので全絞りで試す。パワーフォーカスは端子に給電されないマウントアダプターでは不可能なのでフードを付けてそれを回す事で行なった(^^

=開放(F4.5)=
050f000
 筆者はあまり気にしないが50㎜でありながら周辺光量の低下がかなり目立つ。開放は勿論のこと一段絞っても確認できるくらいだ。この時代の標準系レンズでこんなに周辺光量が低下するのは珍しい。全体的にハロっぽいが新品でこのようなものかは分からない。恐らく当該品だけだろうとは思う。

=開放(F4.5)等倍=
050f045_dbd
 等倍だとこうなる。無限遠のピントに特に問題は感じられない。ただ解像力が高くないのも判る。疵物なので叩きたくは無いがコンデジ程度という表現がピッタリ。うちのL32の方がマシかも(^^;

=1段絞り=
050f001
 「恐らく当該品だけだろうとは思う」と書いたのは御覧のように絞っても改善の兆しが見えないからだ。玉のダメージは想像以上のようだ。これはもう製品としての評価は止めて当該品の不具合調査に切り替えた方が良さそうだ。

=2段絞り=
050f002
 更に絞ると更におかしな現象に気づく。右の電柱の左側がボケ始めているのだ。しかも全体のピントと言うよりは部分的にそこだけボケ始めているのだ。こんな妙な現象は初めて…ではない。どこかで見た事があるではないか。

=3段絞り=
050f003
 更に絞ると悪化してその辺りの画質はもうピンホールカメラ並みになっている。だがしかし、それ以外の部分は普通に解像しているのだ(ホヤホヤだけど)。

=4段絞り=
050f004
 いよいよ像が見えなくなってきた(^^; 左側も画質が低下してきたが右側の比ではない。

=5段絞り=
050f005
 「写ルンです」でもこれほど画質はひどくないな(^^;

=6段絞り=
050f006
 絞る度にガン細胞が周りに広がっている(^^;


 一連の写真でまず目に付くのが異様な部分ボケである。右の方が絞るほどにボケてしまうのだ。何故こんな風に部分的にボケるのか。その前にこのボケは見た事が無いか?そうだ、あのクソレンズ王と同じ部分ボケなのである。何所かが歪んで偏芯しているか、或いは複合非球面レンズが変形しているとも考えられる。偏芯の場合は絞って悪い方に変化するようなことは無いはずだが。


★マクロ(近距離)テスト
 マクロと言っても0.8mまでしか寄れないので近距離撮影といった方が正確だ。

=開放(F4.5)=
050mc000
 マクロになると遠景とは打って変わってまともな描写である。恐らく新品時は遠景もこんな感じだったのだろう(^^

=1段絞り=
050mc001
 1段絞ると全体的に急激に画質が向上する。なんか昔のレンズみたいだ。

=2段絞り=
050mc002
 ピントが深くなっただけで特に変化なし。頭打ち?もう向上しないのか…(^^;

=3段絞り=
050mc003
 そのままピントが深くなっただけ。

=4段絞り=
050mc004
 何ともう画質が急降下している(^^; 回折にしても早過ぎだ。

=5段絞り=
050mc005
 何と開放より画質が低下してしまった(^^; これは当該品の特徴というより製品としての特性だろう。

=6段絞り=
050mc006
 そのまま変化は無い。


 1段目までは気づかないレベルだが、2段絞るとピントが大幅に後ろへ移動してしまうようだ。という事は球面収差も大きいらしい。絞った時に合わせ直そうかと思ったが、そういうレンズなのだという事をハッキリさせるためにそのまま撮影した。通常このレンズをMFで実用する事は無いだろうが、実際撮影する場合は絞ってからピントを合わせ直さねばならない。MFだとしんどいが元々コンテニュアスAFが前提のレンズだろうから文句を言ってもしょうがない。そういう個性のレンズなのだ。各社ともAF時代になってからピント移動はズーム・絞り共に気にしない方針になったのではあるまいか。ニコポンですらAF廉価ズームは派手にピント移動して萎える。


★続く
 不具合品なのに結論を出すのは気が引けるのだが、開放からコントラストは全開であるところ、絞っての頭打ちの早さは以前テストした77Dに通じるものがある。恐らく77Dの仕様はこのレンズなどに合わせて作られているのだろう。以降のデジタル時代のレンズも(もう少し絶対値がマシだが)全てこのようなタイプである。この時代のレンズが現在の潮流を作ったという事になる。ユーザーの夢・設計者の理想であったはずのこの開放ドッカンタイプのレンズだが、実際使ってみると良い写真が撮れそうな気がしないのは何故だろうか?(^^; もちろん筆者がそれに不慣れなせいもあろうが、個人的感想を言わせてもらえば廉価版ハイコントラスト低解像度レンズはやっぱり受け付けない。写真を撮る道具としてではなくレンズで遊ぶには面白いんだけどね。

TAMRON 77D⑤

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


TAMRON 77D①
TAMRON 77D②
TAMRON 77D③
TAMRON 77D④

 更に引っ張ってしまった。当初は個性が無くツマランと思っていたこのレンズだが、ピントが逃げたり画質が頭打ちになったりして面白いのですっかりハマってしまった。初心者向けに売られたレンズではあるが、使いこなすにはプロ並みの高度な技術を要する初心者には敷居の高いレンズと言える(^^


★最短撮影距離
 このレンズの最短撮影距離は70㎝となっているが、どうも実際はテレ端の80㎜の時だけのようだ。ワイド端の28㎜で実測したところ1mちかく、レンズ前面からでも約85㎝はあった。そのため前回のマクロ撮影は28㎜に合わせた最短撮影距離85cmでテストしている。書くまでも無いがマクロ倍率も80㎜の時のものである。マクロ撮影にはプロクサーが欲しくなるね。


★ピント移動
 このレンズは絞った時のピント移動が大きいと書いた。この被写体だと気にならないだろうが、例えば平面なモノを写した時はボケボケになるレベルだ。文字が書いてあったりすると覿面で悪化に気づく。


4dan_sibori
5dan_sibori
 これは上の被写体でのピント移動。上の四段絞りと下の五段絞り、どちらも被写界深度内なのだがミノルタロゴの辺りのシャープさが入れ替わっている。どうも絞ると後方に大きく移動してしまう模様。28㎜だと更に大きく三段辺りから前ロゴがボケ始める。これだとあまりハッキリしないが前回のマクロ写真でも分ると思う。


★おまけ
 同じ元画像からでも解釈の違いで仕上がり画像は大きな差になる。今回の写真を仕上げてみた。80㎜(2段絞りなのでF8くらいか?)の撮影だが、この1400万画素のノートリ1/2サイズだと意外と見栄えがする。日没寸前なので低照度ノイズは気にしないでね(^^ あとブラウザで縮小して見ないように。それはブラウザの画質です。


hosei1
 ジジイで目が悪いのかスマホ見過ぎで目が悪いのか知らないけど素人はこういうハイコントラスト画像を好む。素人の画像の評価基準はテレビなのだそうだ。筆者はこれだと目が疲れるよ。ついでに言うとこの手の画像はJPEG圧縮率も落ちる(^^ 下の画像と94kバイトの差がある。これは中程度の大きさの画像1枚分だ。


hosei2
 筆者的にはこの程度か。色は人によって見ている色が違う(医学的に個人差がある)のであまりこだわっても意味は無い。色について力説するほどムダな事は無い。アナタの見ている色と私の見ている色は同じものを見ても違う。解像力なら文字が読めるか読めないかだから誰でも客観的に同じように分るけど。色に関しては測定器で測るしか評価の方法は無い。そして測定器で違いは出てもどれが一番とは言えない。


★おまけ2
yuki_77d
 テスト当時はクソ寒く雪が降っていた。雪が写るかどうか試しに撮影してみたが、結果は御覧の通りで雪と言うよりは砂糖菓子だった(^^; これは28㎜の開放だがホント雪はまともに写らないな。ちなみに窓越しなのでガラスの汚れがボンヤリ写っている。


yuki77d2
 50㎜開放。漸く溶けたと思ったら十日後にまた雪だよ…(^^; 今度は積もらなかったがベランダが使えないのは間違いない。そろそろ掃除しないと泥だらけだな。


yuki77d3
 これは80㎜だが、開放だとハロが出るので雪が綿飴みたいになってしまう。これはこれで面白いけどリアリティが無い。廉価で雪が写るレンズは無いだろうなあ。


★テスト終了
 開放からコントラストが良いから恐らく完全補正の早熟型だろうと思っていたが予想以上だった。大昔まだアスフェリカルが広まり始めたばかりの頃に「アスフェリカルのレンズはイヤ!もうコリゴリ」と言っている人が居たが絞り込んで使ったのかもしれない。或いはピント移動が大きかったとか。当時は「何言ってんだコイツは?」と思ったが、今になって何となく言っている意味を理解してきた(^^

 これで一通り実用の為のデーターは揃った。もし次回があるとしたら外に持ち出して一般撮影してみたい。玉にダメージは無いので開放~二段絞りだけでソコソコやれると踏んでいるのだが。ただピント合わせの困難さは今から容易に想像できる(^^; 本当はAFを使う為にα7000に付けてフィルムで写真を撮りたい。今なら少しはマシな写真が撮れそうな気もする。

TAMRON 77D④

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


TAMRON 77D①
TAMRON 77D②
TAMRON 77D③

 マクロでまだ引っ張る。どうしてもピントが気になるので平面を撮影してテストしてみた。


★平面複写
 おなじみビックカレンダーを撮影してみた。アベイラブルライト(笑)で暗かったので低照度ノイズが酷くて分かりにくいかもしれない。くれぐれもノイズと画質を混同しないように。まあそこまでアホな奴はこのブログを読んでいないと思うが。

=開放F5.6=
zenkei
 これが全景である。このサイズだと分らないかもしれないが廉価版標準ズームでここまで均質な画質は見た事が無いレベル。いつもそうだがHJCLの画像を見る時はお節介なブラウザで縮小しないでね。

080bic0s
 これがセンターの画質。稍ボケ気味なのはピントがずれたのか?解像自体は問題ない。

080bic0c1
080bic0c2
080bic0c3
080bic0c4
 これだと周辺が判らないので左上、右上、左下、右下の画質である。この通り均質である。尤もAPS-Cだから当然と言われるかもしれない。ここからが周辺悪化本番なのかもしれないが、HJCLで見てきた標準ズームでここまで均質なレンズは無い。

=1段絞り=
080bic1s
 センターの画質。確実に向上している。ほぼ問題は無くなった。

080bic1c
 コーナーは均質なので左上だけ。コーナーも画質が上がっている。

=2段絞り=
080bic2s
 センターの画質。更に上昇してどうやら最高画質のようだ。申し分なし。

080bic2c
 コーナーも最高に近い。

=3段絞り=
080bic3s
 早くもボケてきたね。それでも1段絞りと同じくらいだから充分使える。

080bic3c
 コーナーは2段絞りと変わりない。

=4段絞り=
080bic4s
 更にボケて開放並みになってしまった。尤も開放が良いので使えないというわけではない。

080bic4c
 コーナーもやや落ちてきたが開放並みで特に問題にはならない。

=5段絞り=
080bic5s
 ハッキリ落ちてきた。開放とは違った感じにエッジのキレが無くなっている。いかにも回折の影響らしい。もう使いたくないレベル。

080bic5c
 こちらも中央と同じく均質に低下している。

=6段絞り=
080bic6s
 遂に細かい部分が解像しなくなってきた。これは誰だってNGになるだろう。もちろんノイズの影響もあるが文字がボケているので致命的。

080bic6c
 こちらもボケてきたが中央部と全く同じ均質さを持っている。驚きだね。


 これは80㎜辺りの限定評価となるがピークは2段絞りで、3段以降は1段毎に確実に画質が低下する。5段目以降は開放にも劣る。それでも全画面の均質さは全絞りに於いて変わりなかった。いやー不思議だなあこのレンズ。今まで見た事が無い種類のレンズなので驚いた。筆者が使うとしたら開放から3段までしか使わないな。それでHD以下の小サイズなら何とかイケるのではないだろうか。もちろんちゃんと撮影されている条件だが。


★マウントアダプタの絞り
 このマウントアダプタの絞りは一定間隔で開放から6段まで絞れるようになっている。1段クリックは少なくともこのレンズでは1絞りではないようだ。

=1/2ステップの場合=
0(開放):F5.6
2段絞り:F8.0
4段絞り:F11
6段絞り:F16

=2/3ステップの場合=
0(開放):F5.6
3段絞り:F11
6段絞り:F22

 シャッターから推定すると1/2~2/3絞りなのだが、1/2だとF16、2/3だとF22まで絞れることになる。感覚的には1段辺り半絞りと思っている。そうするとF11辺りから急激に劣化していることになるな。やっぱり頭打ち・劣化が異常に早い。


★続く
 これでテスト撮影は終了だが次回は補足事項を幾つか。

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