MINOLTA AF ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II
ジャンクカメラ不幸箱に入っていたレンズのうちの一本。αマウントのレンズはこれまでいくつかテストしたが蓑製は扱った事が無かった。いや同焦点距離のXiを扱ったけどアレは不具合品が確定しているので除外(^^ 望んで買ったレンズではないが非常に興味はある。さて90年代蓑純正レンズの性能はいかに?
ミノルタはネームだけではサッパリ解らないので写真で示す。銀色の奴でα-Sweetとかに似合っている。がしかし案外大きいな。官能のようにモーターが入っているわけでもないのに中に何が入っているんだろう?と疑問に思ってしまう。持ってみると分るがスカスカなので何も入っていないハリボテだろう(^^; 前玉も大きく62φでフィルターワークには影響が出そう。尤もHJCLではクローズアップレンズくらいしか使う事は無いだろうけど。絞りは勿論ピントリングも無い。私見で悪いが外見は野暮ったくてよろしくないと思う。大味なアメリカではウケるかもしれないが、少なくとも日本人でこれを「カッコいいから」という理由で買う者はないだろう。仕様はケンコーのサポートサイトを参照の事。まだ見た事無いけど黒いのもあったのね。
玉の状態は傷は全く無くてコーティングは完全だ。ただ前玉裏にカビが一点ある。これはコントラストに悪影響があるかもしれないが、動作チェックの時には特に問題は感じられなかったので大丈夫だろう。少なくともXiのように評価不能レベルではない。これの結果が新品でも適用出来るはずだ。ところでこのレンズってケンコーと言うかトキナーに似てない?筆者は中身も含めてよく似ていると思うんだけど。
今日はまずは遠距離テストから行ってみよう。これまで標準ズームは遠距離と中距離をまとめて行なったが、まともな(Xiはまともじゃない^^)蓑純正標準ズームは初めてという事で個人的に興味があるのだ。50㎜と80㎜は全景と等倍で、28㎜は全景は無しで次回の中距離画像で兼用する。
★28㎜(開放F3.5)
=開放=
開放の等倍画像である。手前が暗いためチョット露光がオーバーになってしまっているが、35㎜フルサイズの28㎜レンズとしては問題無し。やっぱりXiが死んでただけだな…。
=1段絞り=
多少コントラストが上がったような気もするが28㎜は基本的に開放ドッカンタイプである。画質の向上は僅かである。
=2段絞り=
ありゃ?ピントが奥に行って全体がボケちまったぞ(^^; 回折で画質が低下しているわけではないな。
=3段絞り=
どんどん向う側へ行ってしまっている。このようにピント移動があるのでMFで使うなら開放からF5.6までで止めておいた方がいい。画質は変わりないのだから明るい方を使いましょう。
★50㎜(開放F4.5)
=開放=
まずは全景だがハロハロではないか。28㎜とは打って変わった昔風だ。筆者にとってはこの変化がズームレンズの楽しみなんだよなあ。このサイズだとそんなに悪く見えない。
これも露光がオーバーだが解像度は悪くない。ハロに留意すれば使えるという事だ。
=1段絞り=
期待通り1段絞りでスカッと消えた。このサイズなら申し分ないですね。
等倍だと絶対能力にやや不足を感じるが50%くらいまでなら充分やれそう。実際50%に縮小してみれば解ると思う。単焦点と特に変わりない。
=2段絞り=
もう変わらないね。ピントが深くなっただけ。開放はハロがあったがやはり早熟には違いない。
上と同じ画像を見ているようだ(^^;
=3段絞り=
全く変化なし。50㎜は1段絞りすればOKでそれ以上はなるべく絞らないということで。さすがに90年代のレンズだなあ。
また同じ画像を見せられてしまったみたい。良くも悪くも超ド安定だ。
★80㎜(開放F5.6)
=開放=
これもハロがあるけど…いいなあこの細かさは。想像していたのと全然違うな。
ハロでコントラストは低いが解像度は高い。昔の80年代以前のレンズ風だ。
=1段絞り=
1段絞るとスカーン!と言う音がしそうなほど明快になる。尤も開放が暗いのでやってくれなければ困るが。
ちょっとseeingが発生しているがそれでも判る。標準ズームレンズとして水準以上である。
=2段絞り=
もう絞る必要なし。
全然変わらない。
=3段絞り=
ピントが深くなっただけ。これ以上絞ると画質は落ちていく。
厳密に言うと画質は低下している。画質優先なら1~2段絞りだけ使えばいい。
★続く
次回は中距離テストを行なう。
★おまけ
上の80㎜の画像をデジタル処理して仕上げてみた。あーインチキくさい色だ(^^; こんな風景はこの世のどこにもありませんよ。でもこのサイズで使えるよね。