ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

77D

TAMRON 77D⑤

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


TAMRON 77D①
TAMRON 77D②
TAMRON 77D③
TAMRON 77D④

 更に引っ張ってしまった。当初は個性が無くツマランと思っていたこのレンズだが、ピントが逃げたり画質が頭打ちになったりして面白いのですっかりハマってしまった。初心者向けに売られたレンズではあるが、使いこなすにはプロ並みの高度な技術を要する初心者には敷居の高いレンズと言える(^^


★最短撮影距離
 このレンズの最短撮影距離は70㎝となっているが、どうも実際はテレ端の80㎜の時だけのようだ。ワイド端の28㎜で実測したところ1mちかく、レンズ前面からでも約85㎝はあった。そのため前回のマクロ撮影は28㎜に合わせた最短撮影距離85cmでテストしている。書くまでも無いがマクロ倍率も80㎜の時のものである。マクロ撮影にはプロクサーが欲しくなるね。


★ピント移動
 このレンズは絞った時のピント移動が大きいと書いた。この被写体だと気にならないだろうが、例えば平面なモノを写した時はボケボケになるレベルだ。文字が書いてあったりすると覿面で悪化に気づく。


4dan_sibori
5dan_sibori
 これは上の被写体でのピント移動。上の四段絞りと下の五段絞り、どちらも被写界深度内なのだがミノルタロゴの辺りのシャープさが入れ替わっている。どうも絞ると後方に大きく移動してしまう模様。28㎜だと更に大きく三段辺りから前ロゴがボケ始める。これだとあまりハッキリしないが前回のマクロ写真でも分ると思う。


★おまけ
 同じ元画像からでも解釈の違いで仕上がり画像は大きな差になる。今回の写真を仕上げてみた。80㎜(2段絞りなのでF8くらいか?)の撮影だが、この1400万画素のノートリ1/2サイズだと意外と見栄えがする。日没寸前なので低照度ノイズは気にしないでね(^^ あとブラウザで縮小して見ないように。それはブラウザの画質です。


hosei1
 ジジイで目が悪いのかスマホ見過ぎで目が悪いのか知らないけど素人はこういうハイコントラスト画像を好む。素人の画像の評価基準はテレビなのだそうだ。筆者はこれだと目が疲れるよ。ついでに言うとこの手の画像はJPEG圧縮率も落ちる(^^ 下の画像と94kバイトの差がある。これは中程度の大きさの画像1枚分だ。


hosei2
 筆者的にはこの程度か。色は人によって見ている色が違う(医学的に個人差がある)のであまりこだわっても意味は無い。色について力説するほどムダな事は無い。アナタの見ている色と私の見ている色は同じものを見ても違う。解像力なら文字が読めるか読めないかだから誰でも客観的に同じように分るけど。色に関しては測定器で測るしか評価の方法は無い。そして測定器で違いは出てもどれが一番とは言えない。


★おまけ2
yuki_77d
 テスト当時はクソ寒く雪が降っていた。雪が写るかどうか試しに撮影してみたが、結果は御覧の通りで雪と言うよりは砂糖菓子だった(^^; これは28㎜の開放だがホント雪はまともに写らないな。ちなみに窓越しなのでガラスの汚れがボンヤリ写っている。


yuki77d2
 50㎜開放。漸く溶けたと思ったら十日後にまた雪だよ…(^^; 今度は積もらなかったがベランダが使えないのは間違いない。そろそろ掃除しないと泥だらけだな。


yuki77d3
 これは80㎜だが、開放だとハロが出るので雪が綿飴みたいになってしまう。これはこれで面白いけどリアリティが無い。廉価で雪が写るレンズは無いだろうなあ。


★テスト終了
 開放からコントラストが良いから恐らく完全補正の早熟型だろうと思っていたが予想以上だった。大昔まだアスフェリカルが広まり始めたばかりの頃に「アスフェリカルのレンズはイヤ!もうコリゴリ」と言っている人が居たが絞り込んで使ったのかもしれない。或いはピント移動が大きかったとか。当時は「何言ってんだコイツは?」と思ったが、今になって何となく言っている意味を理解してきた(^^

 これで一通り実用の為のデーターは揃った。もし次回があるとしたら外に持ち出して一般撮影してみたい。玉にダメージは無いので開放~二段絞りだけでソコソコやれると踏んでいるのだが。ただピント合わせの困難さは今から容易に想像できる(^^; 本当はAFを使う為にα7000に付けてフィルムで写真を撮りたい。今なら少しはマシな写真が撮れそうな気もする。

TAMRON 77D④

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


TAMRON 77D①
TAMRON 77D②
TAMRON 77D③

 マクロでまだ引っ張る。どうしてもピントが気になるので平面を撮影してテストしてみた。


★平面複写
 おなじみビックカレンダーを撮影してみた。アベイラブルライト(笑)で暗かったので低照度ノイズが酷くて分かりにくいかもしれない。くれぐれもノイズと画質を混同しないように。まあそこまでアホな奴はこのブログを読んでいないと思うが。

=開放F5.6=
zenkei
 これが全景である。このサイズだと分らないかもしれないが廉価版標準ズームでここまで均質な画質は見た事が無いレベル。いつもそうだがHJCLの画像を見る時はお節介なブラウザで縮小しないでね。

080bic0s
 これがセンターの画質。稍ボケ気味なのはピントがずれたのか?解像自体は問題ない。

080bic0c1
080bic0c2
080bic0c3
080bic0c4
 これだと周辺が判らないので左上、右上、左下、右下の画質である。この通り均質である。尤もAPS-Cだから当然と言われるかもしれない。ここからが周辺悪化本番なのかもしれないが、HJCLで見てきた標準ズームでここまで均質なレンズは無い。

=1段絞り=
080bic1s
 センターの画質。確実に向上している。ほぼ問題は無くなった。

080bic1c
 コーナーは均質なので左上だけ。コーナーも画質が上がっている。

=2段絞り=
080bic2s
 センターの画質。更に上昇してどうやら最高画質のようだ。申し分なし。

080bic2c
 コーナーも最高に近い。

=3段絞り=
080bic3s
 早くもボケてきたね。それでも1段絞りと同じくらいだから充分使える。

080bic3c
 コーナーは2段絞りと変わりない。

=4段絞り=
080bic4s
 更にボケて開放並みになってしまった。尤も開放が良いので使えないというわけではない。

080bic4c
 コーナーもやや落ちてきたが開放並みで特に問題にはならない。

=5段絞り=
080bic5s
 ハッキリ落ちてきた。開放とは違った感じにエッジのキレが無くなっている。いかにも回折の影響らしい。もう使いたくないレベル。

080bic5c
 こちらも中央と同じく均質に低下している。

=6段絞り=
080bic6s
 遂に細かい部分が解像しなくなってきた。これは誰だってNGになるだろう。もちろんノイズの影響もあるが文字がボケているので致命的。

080bic6c
 こちらもボケてきたが中央部と全く同じ均質さを持っている。驚きだね。


 これは80㎜辺りの限定評価となるがピークは2段絞りで、3段以降は1段毎に確実に画質が低下する。5段目以降は開放にも劣る。それでも全画面の均質さは全絞りに於いて変わりなかった。いやー不思議だなあこのレンズ。今まで見た事が無い種類のレンズなので驚いた。筆者が使うとしたら開放から3段までしか使わないな。それでHD以下の小サイズなら何とかイケるのではないだろうか。もちろんちゃんと撮影されている条件だが。


★マウントアダプタの絞り
 このマウントアダプタの絞りは一定間隔で開放から6段まで絞れるようになっている。1段クリックは少なくともこのレンズでは1絞りではないようだ。

=1/2ステップの場合=
0(開放):F5.6
2段絞り:F8.0
4段絞り:F11
6段絞り:F16

=2/3ステップの場合=
0(開放):F5.6
3段絞り:F11
6段絞り:F22

 シャッターから推定すると1/2~2/3絞りなのだが、1/2だとF16、2/3だとF22まで絞れることになる。感覚的には1段辺り半絞りと思っている。そうするとF11辺りから急激に劣化していることになるな。やっぱり頭打ち・劣化が異常に早い。


★続く
 これでテスト撮影は終了だが次回は補足事項を幾つか。

TAMRON 77D③

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


TAMRON 77D①
TAMRON 77D②

 前回の遠・中距離テストに続き今回はマクロ(最短撮影距離)テストを行なう。前回のテストでレンズの性格は焦点距離に因ってあまり変化が無いと判明したので、今回のマクロ撮影は28、50、80㎜に限定する。前回は絞りは二段絞りまでだったが、今回はマクロのため最少の六段まで絞る。

 今回の記事では画像の提示法を変更する。28㎜は等倍で中央部付近をトリミングして切り出す。サイズが小さいと何も判らなかったのでこうした。50㎜と80㎜は1/2して真ん中を切り出す。等倍だと一部しか見えないのでこうした。どちらにしても周辺は判らなくなるが、このレンズに関しては全画面均質なので等倍で見ても破綻は無かった。なおコメントは等倍画像を見ている。


★28㎜
 ワイド端の28㎜である。この焦点距離でマクロ撮影をやる人は居ないだろうが、広角レンズでは寄りは基本である。尤も85㎝では「寄り」と言う感じではないが…。

=28㎜全景=
028mc_zenkei
 アリャ?5xiのボディキャップが90度傾いている(^^; 言い訳その1、このボディキャップは手抜き品でバヨネット爪が無いので曲がって付いてしまう。閑話休題、いやーこれは良いコントラストだ!開放からほぼ全開で、真ん中のコントラストは今まで見た事の無いレベル。今まで70~80年代ばかり見てきたから新鮮だ。このサイズならパーフェクトに近い画像なのだが。

=開放F3.5=
028mc000
 実はコントラストは良いが解像度は大した事は無い。それでも開放からハロが殆ど無く全開のコントラストなのは間違いない。小サイズ写真を想定して低周波の再現に絞って仕上げているのだろう。筆者の嫌いなタイプだがまあいいか(^^;

=一段絞り=
028mc001
 あまり変わらないけど締まった感じ。ハロは皆無になって解像度は微妙に向上している。

=二段絞り=
028mc002
 特に変化は無い。安定している。

=三段絞り=
028mc003
 このあたり前がボケ始める。ピントが移動している模様。

=四段絞り=
028mc004
 全体的に画像がボケ始める。サイズが小さければ見られるだろうが…。

=五段絞り=
028mc005
 ピンボケのようにボケてしまった。これはもう誰が見ても悪いと判断するだろう。

=六段絞り=
028mc006
 全画面に渡ってハッキリ判るほどボケてしまった。これほどボケたレンズは過去にHJCLでテストしたレンズでは存在しない。これが新品の時からだとすればスゲエ製品だな。普及コンデジでもこれよりマシなのはある。


★50㎜
 丁度中間の50㎜である。ここら辺りの画質が良いと使えるのだが…。開放F4.0なのであまりボケない。ちなみに前回もそうだが、一連の記事に書いているテレ・ワイド両端以外の開放F値はα7000のものを表記している。αならどれも同じだろう。

=50㎜全景=
050mc_zenkei
 このサイズだと本当にいいね。これが安物標準ズームの開放だと思うと驚き。だがしかし。

=開放F4.0=
050mc000
 ちょっと大きくすると冴えなくなる。それでもこの画質なら筆者は文句無しだね。こんな画質のレンズは前時代には無かった。

=一段絞り=
050mc001
 微妙なハロが消えて更にシャープ感(←使いたくない微妙な表現^^;)が増した。

=二段絞り=
050mc002
 被写界深度が深くなっただけで特に変化は無い。

=三段絞り=
050mc003
 一寸ボケてきたが使えるレベル。

=四段絞り=
050mc004
 歴然とボケたね。小サイズなら使えるが。

=五段絞り=
050mc005
 ボケボケ。細かい所は解像しなくなって来ている。

=六段絞り=
050mc006
 低照度でノイズが入ってしまったがボケボケが酷くなったのは間違いない。もう普及コンデジにも負けるかもしれない。


★80㎜
 テレ端の80㎜である。この焦点距離で漸くマクロという感じになってくる。

=80㎜全景=
080mc_zenkei
 短い方に比べ稍コントラストが落ちてきたが悪くない。ボケも特にイヤなものは感じられない。開放なのだから合格である。

=開放F5.6=
080mc000
 コントラストが低いが描写は悪くない。やはり開放から全開だ。

=一段絞り=
080mc001
 ハロっぽさが消えて見違えるようにシャープになった。いいね。この辺りはやや昔風。

=二段絞り=
080mc002
 特に変わりなし。超安定。

=三段絞り=
080mc003
 ありゃ?微妙にボケ始めたぞ。コントラストは相変わらず良いがキレが稍不足してきている。

=四段絞り=
080mc004
 完全にボケてきたね。

=五段絞り=
080mc005
 更にボケた。もう細かい部分は解像していない。文字が有ったら気になるレベル。でもノイズが酷いのでよく判らなくなってきた(^^;

=六段絞り=
080mc006
 コンデジ並に転落。だが小サイズなら使える。80㎜はピークの緩やかな安定型だね。ノイズ酷過ぎ。でも解るので直さない(実は環境が変わって撮り直せない^^;)。


★続く
 という事で画質は全画面均質だが絞ると頭打ちが早いレンズという事になった。当初思っていた通りなので意外性は無いが、ここまで早くしかも悪化するとは思っていなかった。

TAMRON 77D②

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


TAMRON 77D①

 前回の続きで今回は実際に撮影テストしてみる。今回は遠・中距離、つまり風景撮影である。焦点距離の短い標準ズームのため遠距離と中距離は一緒にする。

 今回問題になったのはやはり絞り値の問題である。マウントアダプターの関係で絞り値が不明なのだ。シャッター速度から絞り値を推測する事も考えたが、今回はマウントアダプターの絞りに入っているクリックを一段ずつ絞って記録していこうと思う。理由は面倒だったからだが、これでも絞りと画質の関係は充分に判ったのでこれを採用する。

 今回は掲載画像が小さいが、これは等倍で見てもあまり意味は無いというか目的外のような気がしたから(^^; 適宜等倍画像も掲載する。なおコメントは等倍画像に付いて語っているものだ。掲載サイズでは恐らく判らない。


★28㎜
 ワイド端の28㎜である。鏡胴はテレ端80㎜と同じ長さまで伸びるが大した事は無い。

=開放F3.5=
028m0350
 開放は少々解像度が低いね。コントラストは開放からほぼ全開なので余計に気になってしまう。もちろん28㎜という事を考えればこんなものかもしれないが。

=一段絞り=
028m0351
 まだ不充分ながら微妙に解像度が向上している。コントラストは全くと言って良いくらい変化は無い。

=二段絞り=
028m0352
 解像度が漸く使えるレベルに達してきた。

=三段絞り=
028m0353
 特に変化は見られない。あと絞っていくとかなりピントが移動する。AFしか想定されていないので仕方が無い。もう設計段階で「ピント移動は気にしない」って事になったのかな?

 28㎜は開放から三段絞りまで画質の変化が殆ど無いと言える。変化の無いレンズはユーザーの夢・技術者の理想と言われてきたが、イザ実現してみるとサッパリ良いと感じないのは何故か?良いレンズの条件を備えていても個性が無くて面白くないという事だろう(^^;


★35㎜
 あまり変化は無いが一応確認しておく。

=開放F3.5=
035m0400
 これも開放からコントラスト全開だ。流石に90年代のレンズと言えよう。ただ28㎜でも思ったが解像度は高くないというか低い。

=一段絞り=
035m0401
 絞っても特に何の変化も無い。ピントが移動したのが判るだけ(^^;

=二段絞り=
035m0402
 特に変化は無い。以下三段絞りは省略する。


★50㎜
 丁度中間の50㎜である。この焦点距離の時に鏡胴が一番短く縮む。なので結構使い道のある焦点距離なのだ。

=開放F4.0=
050m0450
 ちょっとハロっぽいが。周辺まで流れも無く解像している。コントラストも問題無し。但し絶対値は高くない。

=一段絞り=
050m0451
 周辺のコントラストが開放の中央並みに向上した。中央は更に締まってきて文句無し。

=二段絞り=
050m0452
 周辺の画質はさらに向上したが中央部はもう上昇していない。これ以上絞っても無駄。


★70㎜

=開放F4.5=
070m0500
 微妙にハロがあるが問題にはならないか。これも開放からほぼ全開に近いコントラスト。

=一段絞り=
070m0501
 ハロが消えてほぼ最高画質に。

=二段絞り=
070m0502
 上がった気もするがこのサイズだと分らない。


★80㎜
 テレ端の80㎜である。

=開放F5.6=
080m0560
 開放からいきなり全開だ。ハロはあるがコントラストは充分で解像力も問題無し。

=一段絞り=
080m0561
 ほやっとしていたのが締まってきた。

=二段絞り=
080m0562
 更に上昇。これが全画面に渡って最高画質だ。

 これ以上絞ると逆に低下していく。このレンズは巷の評判がよろしくないのだが恐らく絞って使ったのではなかろうか(絞ると開放より悪くなるっぽい)。なんて早熟なレンズなんだ…。APS-Cだとやはり80mmが一番かなあ。


★次回に続く
 開放からコントラストが全開に近く三段絞っても殆ど変化しなかった。これは完全補正または低収差レンズの特徴である。まさかこれほど初戦全開型だとは思わなかった。馬で言えば新馬をブッチギリで勝って2戦目からはずっと勝てなくて3歳で地方競馬へ転籍という早熟タイプだな(^^; もちろん絶対値は違うけど後のデジタルレンズに通じるものがある。変化が無く面白くないと言えば面白くない。

TAMRON 77D①

TAMRON 77D 28-80㎜ F3.5-5.6


 またもやタムロンだが、このレンズはαマウントで最初に手に入れたレンズなので仕方が無い。またレンズメーカーの標準ズームの中で最もネコマタギな部類に入るレンズである。これ以上敬遠されるのはエロスΣしか無いからな。このレンズはこの時代の廉価版標準ズームの典型というか雛形ともいえるレンズだ。これを入手した当時はまだαマウントは持っていなかったが、いずれ買うだろうという読みで先物買いした。少々時間はかかってしまったがこうしてテストできるようになってめでたい(^^


★仕様
 タムロンのサイトに拠れば以下のような仕様となっている。AF時代となり残念ながらタムロンアダプトールマウントを含む交換マウント方式は終わりを告げ、この時代からはタムロンレンズでも完全固定マウントとなっている。家でカタログを探したが、丁度このレンズが出た辺りのカタログが無かった。恐らくAFになって興味が失せたのだろう。今考えてみると総合カタログくらいはもらっておくべきだった。まさか後にジャンクでズームを手に入れるとは当時は夢にも思っていなかったから。イヤ当時どころか数年前の筆者は夢にも思っていなかったね(^^;

=TAMRON 77D 製品仕様=
モデル名:77D
マウント:ニコンAF-D/キヤノンAF/コニカミノルタAF/ペンタックスAF
焦点距離:28-80mm
開放F値:3.5-5.6
レンズ構成:7群7枚
最小絞り:F22
最短撮影距離:0.7m(注)
ズーム形式:回転式
最大撮影倍率:1:8(80mm)
フィルター径:58mm
フード:C2FH
重さ:237g(ニコン用)
最大径X全長:72mm×70.4mm(ニコン用)
価格:38,000円(Canon用のみ40,000円)
発売時期:1995年
製造終了:1998年
広告売り文句:広角28mmから中望遠80mmまでをカバーする標準ズーム。 237gの軽量設計ですので、気軽に持ち運びできます。
注:実際使用してみたところ焦点距離に依り多少違っているようだ。


tamron77d
 残念ながら日本製ではなくCHINA製である。尤もOEMではないので中華製による品質の低下は無いだろう。カメラ業界ではない何処かの業界のように中国人に丸投げしなければ問題は無いのです。


aspherical
 アスフェリカルという赤文字で非球面レンズ採用製品である事が判る。この頃から安価なガラスモールド非球面やハイブリット非球面が光学ガラスのサプライヤーから供給されるようになり爆発的に広まった。しかし廉価版レンズの場合はそれらの殆どがコストダウンや小型化に用いられたため画質の向上には貢献しなかった。上がった分は何所かで削ってしまったから。ただこの頃から開放から高コントラストになってきたのは事実だ。最高性能は同じでもタイプが変わってきているんですね。


a_mount
 徹底したコスト削減により全体的にプラスチックを多用し、通常は金属を用いるメイン鏡胴やレンズマウントまでプラ製となっている。このレンズはタムロン製だが、αシリーズ自体がそのプラスチック化の先鞭をつけたカメラシステム群なので似合いと言えない事も無い。何しろカメラのマウントにもプラスチックが採用された時代である。

 新品の時にはそれなりの品位があるが、当該品のようにジャンク箱の出身ともなると細かい傷だらけでかなり安っぽく見えてくる。表面のかなりの部分を占めるラバーが劣化しやすい事も大きい。ここら辺りが金属製に対する弱みと言えよう。コスト削減は材質だけに止まらずMF用の距離指標も廃止されている。僅かにMF用の細いリングにゴムが巻かれているだけまだ配慮がある方だ。ヒドイのになると掴む(つまむ)所が無いモノすらあったから(某ミノ製)。


c2fh
 これが専用フードのC2FHであるが、御覧の通りかなり浅いフードとなっている。デジタルのAPS-Cはおろか35㎜フルサイズでも浅すぎて遮光効果は皆無に等しい。せめてSIGMAの花形フードのように効果のありそうなものが欲しい。このように効果が無さそうなフードをわざわざ手に入れたのはこの記事の撮影の為である(^^ このレンズはコーティングは前時代よりかなり進化しているが、必要に応じて自身でハレ切りしないと悲惨な事になる場合もあるかも知れない。


★動作チェック
 現時点ではαシリーズのDSLRは所有していない。そのためフィルム時代のαを使って動作チェックしてみた。カメラは最初期のα7000、3xi、後期のSweetだがAFは問題なく完全動作した。AFの速度や騒音はまあ時代なりという事で…(^^; 外見はずんぐりして見栄えはしないが、プラ製で軽い事もあり装着バランスは悪くない。当該品は再三書くようにジャンクだが、経年劣化と思われるのは振った時に若干カタつきが大きいかと言う程度である。ズームリングは35㎜辺りで稀に引っかかりを見せるが問題無し。元々プラスチック製のためリングを回した時にトルクと言うか潤いを感じない。MFは新品時から厳しいが不可能ではない。現に今回のHJCLのテストは全てMFで行なっている。この場合ピントリングが軽すぎるのが問題となる。合わせたあとで手を放す時にズレてしまう可能性が高い。

a7000_77d
 玉は青箱の奇跡か?パッと見で傷は全く見られない。中玉隅に繊維のような極僅かなカビの生えかけ?が見られるが現状では特に問題にならないレベル。覗いた時のコントラストからはクモリも認められない。当該品は分解清掃の必要は無さそうだ。尤もこのレンズはエレメントが樹脂で封印された一体設計なので分解は不可能である。無理やりバラしたらもうTAMRON 77Dとは呼べない。


★∞ピントチェック
 このレンズはαマウントでAF専用レンズである。AFレンズはどのメーカー製でもAFメカの必要上∞の先にオーバーインフの余裕が設けられている。そのためシロートにバラされていない限り∞が出ない事は有り得ない(有ったら明らかに不良品と言える)。元々この手の廉価版AFレンズは非分解式の部分が多いためシロートがメンテしている確率はごく低い。筆者がジャンクで入手したAF専用レンズでバラされたものは一度も見た事が無い。幸いこのレンズもバラされていないようだ。なので無限チェックと言うより無限遠付近の画質チェックを兼ねている。掲載画像はいつものようにRAW等倍からトリミングして中央部をXGAで切り出したもの。

=全景=
mugen

=28㎜ F3.5=
mugen28

=35㎜ F3.5=
mugen35

=50㎜ F4.0=
mugen50

=70㎜ F4.5=
mugen70

=80㎜ F5.6=
mugen80

 ワイド端28㎜は広角で開放F3.5という事もありピントの山がよく判らない。何しろ熱糞のMFアシスト14.0倍でも判然としないくらいだ。尤も広角側は被写界深度も深いので実用的には困らないかもしれない。標準域やテレ端ではピントの山は大体分るがF5.6だとかなり深度が深いので判然としない。以前から書いているがこの中央のマンションは無限遠ではなく有限距離700mである。がしかし望遠レンズではないし、ピントが合った所からリングには更に充分な余裕があり∞でも問題にはならないと思われる。望遠レンズの∞は正確には月でも撮影しないと判らない。


★ピント移動
 これはAF時代のズーム全般に言える事だが、このレンズも例に漏れずズーミングによるピント移動がかなり大きい。このレンズの場合はテレ端やワイド端でピントを合わせ、ズーミングで反対側の焦点距離端に持って行くと画像が使用不能なほどボケボケになる。MFズームではこれほどピントが外れるレンズは故障品以外は存在しない。何故これを故障と判定しないかと言えば他社の廉価AF標準ズームでも多かれ少なかれ同じだったから。AFになってからピント移動などはどーでも良くなった(廉価版に限る)のではなかろうか?その証拠にこれをAFで使っていた時にはピント移動は全く気にならなかったのだ(^^;


tele_wide
wide_tele
 上がテレ端で合わせてワイド端に移動したもの、下がワイド端で合わせてテレ端に移動したもの。これはレンズの定義から言えばズームと言うよりバリフォーカルに近い。恐らくコンテニュアスAFが前提となっているのだろうがMF派にとってはちょっと悲しいものがある。当初は軽いピントリングを触って動かしてしまったのかと思い、何度も試してみたが結果は変わらなかった。

 尤もこれが設計時の性能ではなく経年劣化であるという説もある。何故ならこのレンズはズームのカムに至るまでプラスチック製だからだ。経年摩耗によってガタがきて、通常機械式のピント補正が働かなくなっているという状況だ。こればかりはバラしてみないと何とも言えないのだが、いくらエンプラでも20年程度でそこまで摩耗はしないかな…。


★次回に続く
 大体の素性と使い方が判ってきたところで次回は実際にこのレンズで撮影テストしてみる。90年代中盤のズームレンズは何が何処まで改良されたのか?

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