ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

CZ-825

TAMRON CZ-825②

 前回の続き。今回はマクロ撮影で使ってみる。


★強力マクロ機能
 マクロ機能もあるので使ってみた。ただ寄れるだけで近距離収差補正とかはしてないだろうな。海外のマクロと名が付くレンズでもヘリコイドが繰り出せるだけのレンズは多い。というか近距離対応していない方が普通かも。で、これもありがちな望遠ズームのマクロを想像している人が居たとしたら甘い。何しろ1:2.5マクロなのだ。

macro1
 この辺りがよくありがちな望遠ズームのマクロである。タムロンの望遠ズームも通常のは大した事は無い。これは二段絞りのF8だが、もっと開けても意外と良いので驚く。もしかしたらこの時代としては色々頑張っているのかもしれない。

macro_satsuei
 実は最短ではこんなに寄れる。レンズ先端から20㎝も無い。これはもう完全な本職マクロの領域だ。本職も1:2マクロが主流だった時代だから本格マクロと言ってよい。


macro2
 開放だとこのように球面収差の嵐でホヤホヤハロハロ+軸上色収差でボケがカラーになってしまっているが、筆者としてはこの状態で何か作品を撮ってみたい。この辺りの滅茶苦茶な描写を活かして撮るのがオールドレンズ愛好家の腕(^^


macro3
 一段絞るとこのようにハロがスッパリ消える。軸色はこれでもまだかなり煩いが一応使える。殊にモノクロだと良い感じだろうな。ボケも「ズームレンズ」から連想されるようなウザいモノではない。


macro4
 二段絞ると軸色もほぼ気にならないレベルに低減される。シグマのロゴがシャープに再現された(タムロンとしては複雑な心境だろうが^^)。ここまで来ると完全に実用になりますね。


macro5
 等倍厨房の為に中央部の等倍画像を見せる(^^ 本職には負けるだろうが望遠ズームのおまけとしては倍率も合わせてなかなかのものだ。これでもうちょっと小型なら使用頻度が上がるのだが。


 という事でこのレンズの意外な裏の顔は望遠マクロでした。このマクロ機能をもっと売りにすれば良かったんじゃないだろうか。いや終始売れなかった前提で語って申し訳ないのだが(^^;


★月の撮影
 マクロじゃないけど漸くいい感じに月が出たのでやってみた。月の撮影はその単純さから想像したより面白い。案外上手く行かないからだ(^^ ∞が確認できるという実用的意味もある。


250f056_moon
 ドット等倍だがうーん…何とも言えないなあ。これ開放だとハロハロだからF5.6なんだよね。その割にはビシッと冴えないって言うか。まあ本職の望遠鏡のように行かないのは分っているが、ピント合わせをマズったような気がしないでもない。そろそろマグニファイヤー買うかなー。熱糞だとMFアシストで高精度にピントが判るけど今度はブレブレと言う罠が…(^^; チョイ手を変えてみるか。


250f080_mc4_moon
 世間では悪評高いテレプラスMC4を付けてみた。今度はRAWで撮って50%に縮小している。こっちの方が良い感じになっているね。月面の凸凹感が良い。この評判のよくないテレプラスも中央部だけ使うこういった用途なら充分使える。モノは使いようだね。


 この写真を撮る時に重大な欠点を発見してしまった。レンズを上に向けるとヘリコイドが縮む、つまり∞側にどんどん移動してしまうのだ(^^; 「突き当りの無限で止まるので問題ないだろう」と思うかもしれないが、このアダプタとの組み合わせだとオーバーインフなのでやっぱり外れてしまうのだった。これって自重のせいだけどヘリコイドも緩すぎるのではなかろうか?∞表示が微妙にズレているし誰か弄ったんだな。写真をロクに撮らない人ほど柔らかくするというオレ調査結果がある。


★次回に続く

TAMRON CZ-825①

TAMRON CZ-825 80-250mm F3.8-4.5(87xxxxx)


 一連の108円シリーズのうちの1本である。コイツは今までのと違って少々手ごわい。何しろズーム完全普及前の70年代中期の製品だからだ。これでデジタル時代の真っ当な写真を撮るのはかなり難しい。当時は「ズームだからこの程度」「ズームだから仕方がない」が許された時代である。逆に外装など今の廉価版よりは力を入れねばならなかった部分もあるだろうが。外見重視のHJCLにとっては昔の高価だった頃のレンズには強く惹かれる。

>ズーム比3.12倍(80-250mm)で、高解像力(絞り開放時60本/mm以上)と、ハイコントラストを誇る本格派のズームレンズ。
https://www.tamron.co.jp/data/old-lens/cz825.htm
 1976年発売なので設計はそれより前だ。54500円とまだ廉価ではない。販売は2年で終了している。当時ズームはまだ一般的ではなかったし、それほど売れなかったのではないかと想像する。当時は光学技術も日進月歩だから陳腐化するのも早かっただろう。

=主な特徴=
・ズーム比は80年代と比べ特に劣っていない。
・アダプトール初代のマウントで、上位互換の2でも使える。
・中望遠~望遠域のレンズで、200mmではなく250㎜なのが売りか?
・開放F値はタムロンではおなじみのF3.8(F4.5)で80年代と遜色ない。
・絞り羽根は6枚。
・時代的に絞りは自動絞りとマニュアル絞りが切り替え可能。
・最短撮影距離は1.5mとやや厳しい。
・それを補う意味で最大1:2.5のマクロ機能でかなり寄れる。
・ズームはこの時代なので回転式。
・前玉は大きくフィルター口径が62φ。
・デカい!*最大径71φ×全長180㎜もある。
・重い!*950gもある。手持ちはちょっと厳しい感じ。
・フードは内蔵(だが当該品は脱落している)。

*ニコンFマウントの時。

 自動絞りだけでなくマニュアル絞りが使えるのがESマウントを使用する筆者にとっては有難い。マウントアダプターの為に時代を超えて旧機能が役立った(^^ 回転式ズームなのも好ましい。ズームレンズはこのレンズのように望遠系から普及した。望遠系のレンズを何本も持ち歩くのは苦痛だし事実上不可能に近い。なので望遠系はそれだけ需要が大きかったのだろう。また当時は広角ズームが技術的に難しかったこともある。

fcap
 申し訳ない、レンズキャップはΣの金属キャップである(^^; 当初より内蔵フードが脱落しているためずばりフィットしているので勘弁してね。このレンズは主に外見が気に入っている。昔は皮張り時代のをイモダサいデザインと嫌っていたが最近これの良さに目覚めた。

rcap
 なおリヤキャップはミノルタの古い65㎜のレンズキャップである。これもズバリ嵌ってしまったので外せない。ここはレバーがあるのでプラ製しかハマらない。アダプトールマウントのレンズがだいぶ増えたので、アダプトール用のちゃんとカバーされるリヤキャップが欲しい。何でもかんでも作る中華圏で作ってくれないかな~。マウントアダプターだって有るくらいだから。


★メンテナンス
 玉を覗くと大きめのゴミが3つ見えるし、買い物記事に書いたように1つだけ前玉に傷がある。製造後40年を余裕で超えるレンズなのでホコリも年代なりにある。がしかし特にメンテするほどの量ではない。撮影には影響しないだろうという事で、前後の玉をレンズクリーナーとペーパーで拭いてそのままテストする。ズームレンズはバラすとオリジナルと同じに戻らない確率が高いので出来ればバラしたくない。但し以前にバラされた跡がある。


★重い!これは無理っすよ(^^;
 当初はアダプトール2のSRマウントを付けて、SR-EアダプタでNEX-5に着けたのだがそれは無理だった。レンズが一度振れると暫く振れつづけるし、何よりマウントがヤバい!超ヤバい。なのでNEXは諦めて、アダプトール2のESマウントを付けて*ist Dsに着けた。これがアダプトールの強みだな。マウントアダプタでも三脚座付きであれば何とかなるかもしれない(未確認)。

cz825_istds
 ペンタに付けても多少剛性に問題が有るので本当は三脚座を付けるべきなのだろう。事実、絞りとズームリングの間にはそれらしき取付用のスペースがある。がしかし三脚座は所有していないし手にも入らないのでこのままテストする。耐えてくれ*ist Ds!


★遠景テスト
 まずは遠景だが全絞りやるのも面倒なので実用になる所まで絞る。被写体のマンションは無限遠と言うには近いが700m弱なので無限遠に近い。

250f038
 まずテレ側250㎜だが開放F3.8(4.5)では軸上色収差が目立つ。ハロも多少見られるが気にするほどではない。ESマウントだとオーバーインフだったのでピント合わせをマズったかな?(^^;


250f056
 一絞りでいきなりハロが消えるこの時代特有の球面収差である。デジタル時代から始めた人には何の事やら解らないだろうがこれが普通。軸色はまだ気になるがあまりボカさなければ何とかなる。


250f080
 二段絞りだと軸色も気にならなくなり完全に実用になる。これ以上絞っても特に何も変わらない。


150f038
 次は150㎜である。開放のハロはやや目立つようになってきた。ただ解像度は250㎜よりハッキリ上で、どうもこの辺りが一番画質が良い気がする。右の変圧器の辺りを見たら判ると思う。カタログにある開放でミリ当たり60本の高解像度…云々はこの辺りの焦点距離ではないだろうか。


150f056
 一段絞るとハロは消えた。軸色は元々少ないがこれで皆無に近い。コントラストは低いものの解像度は申し分ない。これでもう実用になるがさらに絞る。


150f080
 二絞りで全画面に渡って高画質になる。これ以上は被写界深度が変わるだけで変化は無い。


080f038
 次はワイド側80㎜である。開放のハロはさらに増大してソフトフォーカスのようだ。ただ軸色は目立たないのが救い。


080f056
 一段絞ってみる。ハロはほぼ消えて高画質になる。もうこの辺りで充分使えそうだが更に一段絞る。


080f080
 二段絞りで全画面に渡って最高画質になる。ただ150㎜にはどうやっても劣るかな。


 テレ側もワイド側も二段絞る事でかなりの解像力を発揮するが、あまり硬くならないのは時代的なものだ。デジタル時代の高コントラストのレンズ描写が疲れる筆者には好ましい。


★次回に続く

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