ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

FD

リファレンズ(^^;

 望遠ズームレンズとの比較用(噛ませ犬とも言う^^)に単焦点の画像を上げておく。リファレンス用レンズという事でリファレンズ(駄洒落)だ。今後増やしていく。


★85mm

★100mm



★135mm


=FD 135mm F3.5 S.C.(28xxxx)=
fd13535sc
 New FDになる前のレンズ。あれS.S.C.ってあったっけ?まあ構成は全く変わらないが。

fd13535sct
 等倍。

fd13535sct2
 携帯アンテナ(300m)を写してみる。これを見るとやっぱり単焦点だなあ。左の壁面がボケボケだし(壁面は150m)、望遠レンズには被写界深度は皆無に近い事が判る。



★200mm


=MC TELE ROKKOR 200mm F4.5(159xxxx)=
trokkor20045_1
 ズームレンズ並みの明るさという事でこれを選択した。流石にピントが合ったところは細かいがハロが多いので優秀なズームレンズなら勝てそうな感じ(^^

trokkor20045_2
 上画像の等倍。解像力も大した事は無い(^^;

trokkor20045_3
 携帯アンテナを写す。開放等倍である。このように強入力だと飽和するのも昔のレンズならでは。

trokkor20045_4
 絞るとソコソコ良くなるがF8.0だからねえ。いずれ曇りの日に撮りなおすか(^^;

NEW FD 35-70mm F3.5-4.5②

CANON NEW FD 35-70mm F3.5-4.5


NEW FD 35-70mm F3.5-4.5①

 前回の続きである。今日は予告通りマクロ機能を使って撮影してみる。


★マクロ
 このレンズにはレンズ専業メーカーのズームのようにマクロ機能が付いている。特に売り物の無いこのレンズでこれだけが売り物と言って良い。

=開放=
macro035
 オッ!ちょっとハロっぽいけど意外といい線行っているな。遠景は良くなかったが近距離は良いのかな?

=F5.6=
macro056
 一段絞ってハロは消えた。やはりピントの合ったところに魅力を感じる。何と言うか滑らかな感じ。

=F8.0=
macro080
 普通の描写になった。コントラストも悪くないし充分に使えそうだ。

=F11=
macro110
 ピントが深くなっただけ。相変わらずイイ。

=F16=
macro160
 ピントが深くなっただけ。何か背景しか変化していないような気がする(^^;

=F22=
macro220
 チョイと真ん中の解像度が落ちてきた。ただ気になるほどではないのでピントの深さが欲しい時には使える。


★一旦終了
 前回のテストではボロクソだったがマクロテストでやや盛り返した。今から好んで手に入れたいレンズとは言えないが、長い間の腐れ縁で所有しているならマクロで使えば良いのではないか。

今日の作業[17/12/14]

 今日の作業は2017/04/28に540円で入手したAUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4(123xxxx)と2017/10/04に100円で入手したCANON FD 135mm F3.5 S.C.の掃除を行なった。


★CANON FD 135mm F3.5 S.C.
 まずはコイツや。前玉と後玉にそれぞれカビが生え始めている。この辺りで手を打たないとコーティングがヤバい。

fd135_barasi1
 分解と言っても単焦点だし、そもそも前玉と後玉を外すだけなので簡単だろう…と思ったらそうでもなかった。まず銘板を外した後のカニ目リングが外れない。カニ目の溝が恐ろしく浅いからだ。お陰で失敗して少々傷ついてしまった。これでもうヤル気が無くなってきた。筆者は妙な所だけ完璧主義なので失敗するともう全部パーにしたくなる(^^;


fd135_barasi2
 後玉も難しいだろうな…と思ったらこちらは意外にもアッサリと外れた。この筒のような玉押さえはプラ製だった。回していたらいきなりぽろっと取れたので玉が落ちてきてしまい方向が判らなくなって一寸動揺した(^^; 凹面が外側(後ろ)のはずだが殆ど凹も凸も無いレンズなので…。


fd135_barasi3
 でもまあ何とか完成した。ホコリが少々見えるが有害なカビは皆無になったのでこれで完成だ。ホコリや汚れは別にいいけどカビは下手すると進行するので出来る限り除去したい。ついでに言うと防湿庫にはカビ付きは入れられない決まりになっている。


fd135_test1
 まずはこのレンズにとって苦手な近距離と言うかマクロから。フル解像度の25%画像だがまあこんなモノかな。近づくとボケがぶれたようになるのがヤバい。近接できない仕様なのはこれが原因かも。


fd135_test2
 これはフル解像度の中央部原寸画像である。このようにF3.5開放でも解像度はソコソコだが、先日の官能ズームも結構良かったので単焦点としてはもうちょっとキレて欲しかったな。まあ官能だからこんなモノだろうと言う甘い採点をする(^^ なおF5.6ではハロがスカッと消えて更にシャープさが上がった事を付け加えておく。


fd135_test3
 うーむ、単焦点と言えどもこの程度ならば70-150㎜ズームの分だけCZ-715の方が良いのではないだろうか(^^; お粗末様でした。


★AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4(123xxxx)
 お次はこちら。ついでに何となく買ってしまったがかなりポンコツのPF58㎜である。F1.4でなかったらこの値段では買わなかったよ。絞りは簡単に直る読みだったのだが…。


pf58_barasi1
 ありゃ?銘板が全く回らないぞ!必死に回していたら何とその内側のレンズを止めているリングの方が先に外れてしまった(^^; 前玉だけ外したかったのでこれで良いけどなんだかなあ。


pf58_barasi2
 後ろはどうやって外すんだ?絞りの事もあるしバラすか。まずはネジで止まっている黒い金属板を外してみたが…何も起こらなかった。何のためについている板なんだろう?何の役割もはたしていないように見えるのだが。反射防止なのかな?しかしこれを外さないと後群ユニットが引っ掛かって外れない事が後から判った。邪魔してるだけじゃん(^^;


pf58_barasi3
 じゃあこのイモネジに違いない。筆者はイモネジが嫌いだ。そう思っていたら何とイモネジを床に落として行方不明にしてしまった。床には銀色の耐熱マットが敷いてあったので銀色のイモネジがどこ行ったのか分からない(^^; いずれ探すが知らない間に掃除機で吸い取ってアウトの可能性もある。


pf58_barasi4
 外してみたら今度は銀色の汚い輪っかが外れただけだった。この茶色い固体汚れって何なんだろう?この辺りでこのレンズと言うかミノルタ自体に嫌気がさしてきた(^^;


pf58_barasi5
 ヘリコイドから油っぽいのがしみだしている。ヘリコイドの動きが悪いのでここからCRC-556を吹き込んだという信じられないくらいのバカなオッサンをどこかで見た(^^; 頼むからもう人生を辞職してくれ。


pf58_barasi6
 このあとはヤル気が無くなって後群ユニットを取り出して凹レンズのカビっぽいのを除去しただけだった。この後群ユニットが曲者で、これをねじ込むだけの作業で30分もかかってしまった。何故かネジが噛まないんだよね…。当該品だけなのか他のもそうなのかは知らないけど要注意。

 結局絞りは修理できなかった。いや完全にバラせば出来るだろうけど、この時代のレンズは罠があるのでバラすのがイヤになってきて止めといた。どんなに安いレンズでもズームとF1.4では価値がダンチなのだ。イラついている今バラすと再起不能にしかねない(^^; このレンズは開放しか使わないレンズだからレバーに紙でも挟んで開放固定にしておけばいい。


pf58_test1
 さてテストしてみる。何だこりゃ?やたら画質が悪いな。一瞬玉の入れ間違いを疑ったが、考えてみれば前玉と後群ユニットを外しただけなので間違えようがない。後群ユニットはバラしていないし前玉は逆には付かない(^^; つまり平常運転で画質が悪いだけなんだね。尤もこのレンズは筆者の持っている一眼用F1.4の中でも最も古い部類に入るので仕方が無いと言えば仕方が無い。ちなみにこのレンズは正確に言えば60㎜だと思う。


pf58_test2
 もうちょっと離れてみた。アンテナまでは精々7m弱くらいだがやっぱり良くない。このサイズだとハッキリとは分らないけど。つまりVGA~XGA程度の画質でレンズについて語ってはいけないという事。ちなみに熱糞+K&Fマウントアダプターではオーバーインフだったけど都合が良いので直さない(^^


★終わり
 FD135㎜はまあまあ良かった。ROKKOR PF58㎜は絞りが直らなかったので開放専用になってしまったがいずれ活躍する日が来るだろう。と言うかこの記事が掲載される頃には既に活躍しているはずだ(^^

NEW FD 35-70mm F3.5-4.5①

CANON NEW FD 35-70mm F3.5-4.5


 たまには有名なレンズでもやってみるか?という事でCANONのNEW FD 35-70mm F3.5-4.5を引っ張り出してきた。通常HJCLでは標準ズームは取り上げないので珍しい。標準ズームはビンボーデジタル写真家にソコソコ人気があるのでネコマタギではないからだ。それを何故取り上げたかと言うと…それを書くのは止めておこう。焦点距離が短いので遠距離と中距離を合体させてテストする。


nfd35703545
 このレンズは2017/08/02に324円で入手したレンズである。例によって他に買うものが無かったので惰性で買ってしまった。がしかし買わない方が良かったかもしれない(^^; 今は宇宙の彼方に投げ捨てたい心境だ。

 T50/70の標準レンズであるが、状態はバラした跡も無く外見は全く問題無し。玉は普通でカビ・クモリも無く評価に問題は無さそう。メカもガタは無くグリスが気持ち劣化し始めている程度だ。このまま製品として評価をしても問題は無いレベルである。


★35㎜
 パッと見で判るようにタル型の歪曲がある。歪曲がハッキリ識別できるようにわざと周辺に直線を入れてみた(^^ 尤も28㎜以上の広角ズームと比べれば少ない方ではある。また形が素直なタルなので陣笠のような変な形よりはだいぶマシ。陣笠の1%よりはタルの2%の方が良いのである。

=F3.5開放=
035f035
 元々は35㎜フルサイズのレンズで、それをAPS-C(NEX-5)にて使用しているにもかかわらず周辺部がかなり酷い。開放では撮影する気にならないレベルである。尤もこのレンズで開放で風景を撮る人も居ないだろうが。ブレたようなボケは非点収差だと思われる。

=F5.6=
035f056
 一段絞って大分マシになったが、右の電柱のワイヤーハーネスの描写はやはりヤバい。

=F8.0=
035f080
 これで漸く全画面使えるようになった。思ったよりはよくやっているかな。

=F11=
035f110
 ピントが深くなった以外には変化は見られない。


★50㎜
 この50㎜より一寸短い辺りが歪曲が一番少ない。ワイド側=タル型、中間画角のどこかに歪曲が無い焦点距離、テレ側=糸巻型という教科書的な歪曲の移り変わりである。歪曲が気になる時は無理やりこの辺りを使えばいい。単焦点レンズにはできない芸当だ。

=開放=
050f035
 このレンズは80年代のレンズだが70年代のレンズのように画面全体ハロハロだ。日中なので特にハイライトの滲みが激しい。非点収差も相変わらずで実用にはちょっと厳しい。

=F5.6=
050f056
 一段絞るとハロはスッキリ消えた。ただ電柱の描写はやはりヤバゲ。

=F8.0=
050f080
 電柱の描写はまだちょっと気に食わないが大部分はこれでOKだ。

=F11=
050f110
 全画面最高画質に達する。


★70㎜
 ピントがあった所の画質はこの焦点距離が一番良いようだ。

=F4.5開放=
070f045
 ハロはかなり大きい。基本的に70年代テイストだな(^^; ボケもブレボケしていて気に食わない。

=F5.6=
070f056
 半絞りだがハロは消えた。ただ非点収差は本質的には改善しないのでぼかすとヤバゲな描写になる。

=F8.0=
070f080
 左側の描写は全焦点距離の中で一番良いね。右は距離の関係もあるだろうが良くない。

=F11=
070f110
 全画面最高画質に達する。


★次回に続く
 ネット上で評判が悪いレンズだったので期待したが遠景は良くない。設計時にキャビネ版くらいしか考えていないのだろう。廉価版レンズ→ビンボー人が使う→ビンボー人は大伸ばしなどしない→キャビネくらいで見られる画質で良い、となる。今で言うならキットレンズだが、やっぱり一眼レフを使うならおまけじゃなくてちゃんとしたレンズを使いたいものだ。長くなったのでマクロテストは次回に回す。

FD 100-200mm F5.6④

CANON FD 100-200mm F5.6 S.C.


FD 100-200mm F5.6①
FD 100-200mm F5.6②
FD 100-200mm F5.6③

 このレンズも最短撮影距離が2.5mなので近接撮影はほぼ不可能である。マクロ王の筆者としては欲求不満気味だ。そこでCZ-715の時に一寸テストしたプロクサー(今回はNo.1)で接写してみよう。実はプロクサー無しでもやってみたのだが、あまりに撮影距離が長いのでギブアップしたのだった。なおプロクサーはケンコーのMC版55φを使用している。


★100㎜
 撮影距離は望遠マクロとして手頃な約1mとなっている。

=F5.6開放=
100mc056
 さすがに開放だとボケボケだがハロが少ないのでそんなに悪くは見えない。作画意図によっては充分に使える画質である。大きさを気にしなければ100㎜レンズとして使える。

=F8.0=
100mc080
 絞って更に画質が向上。ピントもそれなりに深くなったので、ここらでもうカメラのある風景として使えそうだ。カメラの製品写真としてはピントが浅すぎるが。

=F11=
100mc110
 だいたいピントが来たね。書き忘れたがピントはレンズのレバーの赤い部分に合わせている。以前の写真でレンズ先端になかなかピントが来なかったのと、このレンズの特性として絞ると稍後ろにピントが下がるからだ。

=F16=
100mc160
 製品写真だとこのくらいのピントかな。回折によるボケは見られない。プロクサーを使用した写真とは思えないくらいコントラストも付いている。

=F22=
100mc220
 これでも充分に使えそうだが、厳密に言うと回折による劣化が始まっている。例を挙げれば中心部の解像感が落ちてきている。等倍で判る程度だが。


★200㎜
 中間は100㎜時と変化は無かったので拡大に挑戦する。撮影距離は100㎜時と変わっていない。

=F5.6開放=
200mc056
 御覧のようにかなりのアップが可能だ。中距離のテストで判っていたが流石にハロハロで特殊用途である(^^; ボケの感じは悪くないので人によっては「これは良い」と思うかもしれない。

=F8.0=
200mc080
 一段絞ってもまだハロっぽいが、このソフトさは結構一般人でも受けそうな感じ(^^

=F11=
200mc110
 ハロは消えて明快な描写になった。レンズの絞りの説明写真には使えそうだ(^^

=F16=
200mc160
 画質はあまり変化は無いがピントが深くなった。流石にこの距離だとオールピンは難しい。

=F22=
200mc220
 しかしここまで絞ってもあまり破綻は無いので使いたいシーンもあるかもしれない。


 最短撮影距離は長いけど、このようにアクセサリーを活用する事でそれなりのマクロ撮影は可能である。このレンズ一本だけポイと渡されても何とか写真を撮って遊べる自信がついた(^^


★一旦終了
 これで大体テストは終わった。もし次回があるとすれば一般撮影だが、これから寒くなると外に出るのが億劫なので無いかもしれない(^^; もしやるならプロクサーと三脚を持ってマクロ撮影をしてみたい。

 ジャンク箱の常連ネコマタギレンズではあるが「低倍率望遠ズームにハズレ無し」というレンズ格言の通りその実力は単焦点と変わらないものだった。いずれ何かのレンズの比較対象として引っ張り出される事もあるかもしれない。

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