ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

ZOOM-beta

SIGMA ZOOM-β⑥

SIGMA ZOOM-β 70-150mm F3.5


SIGMA ZOOM-β①
SIGMA ZOOM-β②
SIGMA ZOOM-β③
SIGMA ZOOM-β④
SIGMA ZOOM-β⑤

 前回の続き。今回は東伏見に戻る。


18_ikoinomori
 最後は千駄山で解像力チェック!手持ちなのでテキトー。まずは70㎜だ。


19_sendayama
 70㎜等倍。


20_sendayama
 これは80㎜だ。


21_sendayama
 80㎜等倍。


22_sendayama
 次は100㎜だ。


23_sendayama
 100㎜等倍。


24_sendayama
 次は120mmだ。


25_sendayama
 120㎜等倍。この辺りが一番いいかな。


26_sendayama
 最後は150㎜だ。


27_sendayama
 150㎜等倍。


28_sendayama
 花も撮ってみる。この花もそろそろ終了だ。


29_sendayama
 こちらも早いのは枯れてますね。今月いっぱいで終わりか。


30_sendayama
 唯一の遊具、巨大滑り台。


31_sendayama
 筆者しか撮らないお得意の写真(^^;


32_sendayama
 タマゴの黄身のような色になった。


★おまけ
omake_1
 HJCLの近くのゴチャついたところを写してみる。ええねー。この状況だと前後は必然的にボケるわけだが、前も後ろもイヤなところが無い自然なボケだ。柱上トランスの描写も文句なく実に写真ぽい(^^ これは150㎜だな。


omake_2
 マクロ撮影でモノを撮ってみた。古いバリコンである。良いポートレートが撮れたのでこのバリコンはいつ捨てても惜しくない(^^ これが付いていた2バンド5球スーパーは高校時代まで使っていた。

SIGMA ZOOM-β⑤

SIGMA ZOOM-β 70-150mm F3.5


SIGMA ZOOM-β①
SIGMA ZOOM-β②
SIGMA ZOOM-β③
SIGMA ZOOM-β④

 だいぶ長い事放置していたβだが、もう一度バラす前に一般撮影テストをしてみる。一度バラして組み立てているのでもう失敗は無いだろうが、もし失敗しても思い残す事が無いように使い切っておく。ちなみに今度分解する時はカムのローラーを交換するのがメインだが、それに加えヘリコイドグリスの完全入れ替えを行なう。いよいよモリグリースの実戦投入だ(^^


google_zoombeta
 この検索画面はその人の嗜好によっても微妙に違うらしいが、筆者の所では一番上に表示されるようになった。これによりこのレンズがネコマタギな存在であると判明する。実にめでたい…と言うか誰も使ってねえのかよ!と呆れる。筆者個人としては「青箱の中の名玉」と言う評価になる。決してあなた方には薦めないけどね(^^


★一般撮影[18/05/24]
 いつものように千駄山演習場に行こうかと思ったが、今日はその前に他の公園も回ってみる。まずは北へ向かって市立文理台公園(東京文理科大→東京教育大グラウンド跡)に向かう。


01_bunridai
 ここは何もねえな(^^; 池も無いし起伏も無いので自分で被写体を持ってこないと厳しい。人とかモノとか。仕方なしに電話ボックスの横に咲いていたドクダミを撮る。何の薬だっけ?「毒矯み」か。

 他に撮りたいモノは無いので今度は西に向かう。東大原子核研究所跡のいこいの森公園だ。ここは文理台公園より広く池もあるので何か撮るものが有るだろう。


02_ikoinomori
 入口に花壇があってパンジーが植わっていた。スミレ科だけにかなり渋太い花だ。時間の関係で光が稍黄色っぽい(現在16時)。


03_ikoinomori
 マクロモード。球面収差でホヤホヤになるがこれはこれで悪くない。


04_ikoinomori
 マクロモードでパンジー。ホヤホヤはあまり目立たない。


05_ikoinomori
 アジサイの花が漸く咲き始めたね。


06_ikoinomori
 この公園には池があるが池のほとりのアジサイを撮ってみた。


07_ikoinomori
 石かと思ったら亀だった。生きてんのかなコイツ?


08_ikoinomori
 水辺の花。予想以上に木が成長していたので暗い。昔来た時は明るかったのだが。


09_ikoinomori
 まあ公園の名前がいこいの森だから当然かもしれないが森である。チョット予想が外れた。花しか撮るものが無い(^^;


10_ikoinomori
 ヒルガオ。割となじみが深く好きな花だね。


11_ikoinomori
 蒲公英のタネは球面収差でどうなるのだろうか?割と解像しているな。


12_ikoinomori
 あれっ?手ブレ補正の誤爆かな?このレンズはKAではないのでズームに追随しないため固定になっているのだ。


13_ikoinomori
 麦藁帽の美少女…ではなく犬の散歩のババアが写ってしまった(^^;


14_ikoinomori
 マクロではない普通の近接。


15_ikoinomori
 マクロモード。日陰だからか滅茶苦茶な色になってしまった(^^; 油絵みたいで面白い。


16_ikoinomori
 軒下にぶら下がっている植木鉢の花。逆光である。


17_ikoinomori
 これもアジサイかな。


★続く
 長くなってしまったので残りは次回。

SIGMA ZOOM-β④

SIGMA ZOOM-β 70-150mm F3.5(Σ-51xxxx)


SIGMA ZOOM-β①
SIGMA ZOOM-β②
SIGMA ZOOM-β③

 前回のテストで全く∞が出ていなかったので調整したい。また前群にカビが発生しかかっているので清掃する。


★前玉外し∞調整
 この時期のシグマは銘板が無くリングが露出している。この形式だとリングを回すと傷がモロに判ってしまうのでやりづらい。しかもリングが斜めに深くなっているので既存のゴム系では回しづらい。可能であればプラスチック製のカニ目回しが欲しくなってくる。それはさておき、二重のリングだが内側は前玉を止めるリングで、外側のリングで無限調整をするのだろう。


imoneji
 価格シールの下にイモネジがあった。これを緩めて回すのだろう。簡単だな…と思ったら大間違い!イモネジを外しても全くリングは回らない。試しにゴムで回したら中のリングが回ってしまって結局外す事は出来なかった。これってもしかしてネジロックではなく普通の接着剤で止めてないか?(^^; 20分ばかり努力したがカニ目が傷だらけになっただけでリングはビクともしなかった。イヤになって捨てようかと思ったがその前に鏡胴をバラしてみよう。


★ヘリコイド抜き
 ヘリコイドを抜くのはまずピントリングのゴムを剥がさねばならない。折角外すのだから後で洗っておこう。ピントリングのゴムは最も油や手垢で汚れるので洗いたい。ヘリコイドを何故抜いたかと言うと、このまま有機溶剤に浸けてネジロックか接着剤(^^; を溶かすのだ。


maedama
 で結論から言えば回す事が出来た。全くヒドイ目にあった。ネジロックは「ネジが自然に緩まないようにする」もので「ネジを回らなくする」ものではない。テキトーな奴がバラすとネジロックなんてしないから良いのだが、真面目な働き者(のバカ)がバラすとキッチリ止めるので困る。ガッチリ止めるなら調整を間違えるなよ(^^;


★ズームリングのガタ
 ズームリングはカム軸のプラスチックのワッシャというかカラーのようなものが割れていないかチェックする。上を向けるとストンと落ちてくるのはこれが割れている可能性が高い。割れていたり摩耗していると軸がユルユルになるからだ。


cam1
 このレンズは片側が割れていた。道理でリングがスカスカなわけだよ。


cam2
 もう一方は偏摩耗していた。カラーの換えは持っていないので当る方向を変える事で誤魔化す。少しまともになったがそのうち交換したい。このプラスチックには機械油を注してはいけない。そんなバカな奴はいないと思うが一度どこかのブログで見た事がある。無学なオッサンは悲しい。


tape
 カムを覆っていたテープは金属っぽくて硬くて厚みがある。そんなテープは持っていないのでダイソーのアルミテープで妥協する。貼ってみたらカムが当たっているのでこれだと拙いんだけど、グニャグニャのビニールテープよりはだいぶマシだろう。


hanbun_kansei
 これで前玉ユニット以外は全部完成した。本体は磨き上げたし、ピントリングのゴムを洗ったのでジャンク品→中古良品に格上げだ(^^


★∞調整
 ∞調整は100㎜で行なった。この焦点距離が一番∞から遠ざかっていたからだ。ここで調整するという事は他の焦点距離はオーバーインフとなる。望遠レンズを突き当り∞撮影する事は無いのでこれで良い。結果は失敗してオーバーインフになってしまった。まあ∞が出ないよりは行き過ぎの方がマシだろう。

 …なんかヘンだな?イモネジを締めるとヘリコイドが重くなるのだが…(^^; 何処かに当る要素は無いんだけどなあ。ひょっとして組み立てに失敗している?いずれグリスやカラーを入れ換えるのでその時にもう一度調整したい。


★テスト
 カビと言っても僅かな生えかけなので画質への影響は皆無だった。それより∞調整の方がはるかに重要だ。望遠レンズは∞撮影は通常行わない。せいぜい月の写真を撮る時くらいだろう。がしかし∞が出ていないのは不良品なのでキッチリ合わせたい。

after_100f035
 一番外れていたのは100mmだったのでそこで完全に無限が出るようにした。前回の無限テストとは比較にならないくらいシャープになっている。


★おまけ
gekirea
 激レア!の下に「50円で買った」記事が出ているのが良い(^^ この並びだとこのレンズの金銭的な価値が人々によく理解されてよろしい。激レア!でも超貴重!なモノでもないゴミ寸前の不人気レンズである。そしてそれで楽しく(←重要)遊べるのが我々HJCLなのだ。

SIGMA ZOOM-β③

SIGMA ZOOM-β 70-150mm F3.5(Σ-51xxxx)


SIGMA ZOOM-β①
SIGMA ZOOM-β②

 前回はマクロ撮影だったが、今回は中景(約10m)撮影テストをしてみる。全絞りだと面倒なのでタムロンの時と同じく開放~F11までとする。焦点距離はシルク印刷されたものをテストする。


★70㎜(対角線画角34度、APS-Cでは23度)
 まずはもっとも短い70㎜から行ってみよう。柱上トランスと言うよりその周りも含めた風景になってしまっている。

=開放F3.5=
070m035
 んー、コントラストが低いね。HJCLの09Aや旧17Aにソックリ(^^; 尤もこれは汚れによるコントラスト低下も含まれている。ピント自体は良好でバックのアウトフォーカス部分も破綻が無い。イイじゃないか。

=F5.6=
070m056
 一段(正確には一段半、以下同じ)絞ったらコントラストが向上した。汚れだけではなく球面収差の影響もあったようだ。このサイズなら申し分のない画質だ。

=F8.0=
070m080
 バックのピントが深くなっただけで画質に違いは見られない。

=F11=
070m110
 ほぼパンフォーカスに近くなっている。右下のエアコンの室外機のファン部分にモアレが出ているが、絞って画質が変わる度に変化しているのが確認できる。


★80㎜(対角線画角30度、APS-Cでは20度)
 お次は80㎜だ。何で80㎜かと言うとズーム目盛がそうなっているからという単純な理由だ。これを次回のクソレンズ王決定戦に出すかな(^^ F5.6ならだいぶ下の方になるはずなんだが。何しろ参加レンズは疵物が多くてね。

=開放F3.5=
080m035
 全画面に渡ってコントラストが低い。解像度もやや低下しているが、流れたりボケたりしている訳ではないので見られる画像だ。

=F5.6=
080m056
 開放よりわずかに引き締まった画像になった。70㎜との焦点距離の差は僅かなので画質の差も少ない。

=F8.0=
080m080
 室外機ファンのモアレがF5.6より増えた。解像度が向上しているのだろうか?

=F11=
080m110
 開放からここまで画質の変化が少ないのは特筆できる。F5.6まで絞ればもうあとは気にしなくて良さそう。


★100㎜(対角線画角24度、APS-Cでは16度)
 あまり変化が無いけど今度は100㎜だ。巷の「ズームレンズは中間画角が最強」というレンズ格言から言えば恐らくこの辺りが最高画質だと思うんだけど。

=開放F3.5=
100m035
 開放画質が70~80㎜に比べ明らかに向上しているのが判る。加えてアウトフォーカス部分の軸色も気にならない。この画像を見た限り普通に実用になる。この時期(70年代)のズームとしては驚きだね。

=F5.6=
100m056
 一段絞って更に画質が向上した。ただ差は僅かなので画質向上の為に態々絞るほどではない。

=F8.0=
100m080
 画質変化は少ないが右下の方の画質(特に窓枠)は非常に細かい良い画質だ。これは使える。

=F11=
100m110
 ピントが深くなっただけでF8と画質は変わらない。


★150㎜(対角線画角16度、APS-Cでは11度)
 最後に最も焦点距離の長い150㎜である。150㎜くらいだと望遠レンズとしての引き付けはちょっと物足りない。このレンズはポートレート焦点距離のレンズと言えるかもしれない。

=開放F3.5=
150m035
 パッと見た目では明らかに長い方が良い。70㎜にあったハロはこの焦点距離ではほぼ見られない。全体的にコントラストが低いがこれは筆者としては好ましい。目の悪いクッキリハッキリ爺さんはこの記事は読まないでください。

=F5.6=
150m056
 一段絞って画質は向上。ピントの合ったところ、例えばターンバックル部分や碍子の質感は申し分ない。

=F8.0=
150m080
 このサイズではもう画質に変化は無いが、等倍ではまだ画質が向上し続けている。

=F11=
150m110
 申し分ないね。ピントをシッカリ合わせてブレないようにする。注意するのはそれしかない。


★遠景テスト…ダメでした(^^;
 次に遠景テストをやろうと思ったらとんでもない事実が発覚した。何とどの焦点距離でも∞が出ていないではないか。しかもかなりヒドイ一目で判るようなボケボケレベル。何しろ無限突き当りのピントが数十メートルしかないのだ(^^; 恐らく目のロクに見えない奴が前玉外してその後テキトーに組んだのだろう。開けたようには見えなかったがこの結果を見れば開けたのは明らか。汚いネジロックもその時に塗られたものなのだろう。何てヒデエ仕事してやがるんだこのジジイは。下に等倍画像を示す。

=70㎜=
before_070f035

=80㎜=
before_080f035

=100㎜=
before_100f035

=150㎜=
before_150f035
 但しピントの合ったところはそれなりのシャープさを見せており、やはりこのレンズは良いレンズという事が判る。


 という事でまだ要調整なので気が早いけど結論を出してしまおう。比較的開放から使える、色収差が同時代の望遠では比較的少ない、長い方が高画質という事になるね。∞が狂っているのは至急直さねばならないな。キッチリ無限を出すために一寸オーバーインフにしてみても良いかもしれない。まあバヨネットなのでキッチリでも問題は無いだろうけど。


★一旦終わり
 いやーこれほど良いとは思わなかった。しかも新品同様ならまだ解るがカビ寸前+ムラ汚れ(注)の手負いレンズである。ここのところシグマに暗雲のように湧きあがった不審と疑惑はこれで吹き飛んだ。もしかしたらシグマはZENの頃が底辺なのか?まだ昔のは1本だけなのでこれだけかもしれないが。という事でこれからも一杯見ていかなくてはいけないな。これでBefore撮影も済んだし玉を掃除する準備は出来た。∞の調整も含めて次回があったら分解したい。

注:想像するに「冬の寒い日に外からいきなりストーブの点いた暖かい部屋へ」のような状況を繰り返されたのではないかと思う(内部に細かい水滴痕がある)。寒冷地で使われたレンズだったら最悪だね。


SIGMA ZOOM-β②

SIGMA ZOOM-β 70-150mm F3.5(Σ-51xxxx)


 前回の続き。今回はマクロ撮影テストしてみる。前回ちょっと書いたがこの撮影テストはマクロモードではあるが焦点距離が判らない。多分70㎜だと思うが違うかもしれない。


★マクロ撮影
 適当な被写体が無かったので、そこら辺で日光浴をしていたヤシカエレクトロ35GSを撮影した(^^;

=F3.5開放=
70mc035
 流石に70年代風でハロハロホヤホヤでんな。ピントは何処に合わせたら良いか分らなかったので「概ねカメラ本体にピントが来る」ようにしている。シグマはこれの後は開放からコントラストが付くレンズが多いのだが、このレンズに関しては70年代風でHJCL的には良い感じだね。

=F5.6=
70mc056
 一段(正確には一段半だが)絞ると、この通りハロがスッパリ消えるのも当時の教科書的だ。方々でピントが浅いのを除けばこれでもう使える画質。

=F8.0=
70mc080
 更に鮮明になり申し分は無い。レンズの先端が稍ボケているのはピントが浅いので仕方が無い。

=F11=
70mc110
 ありゃ?カメラ側のピントは飽和しちまったな。結果から言えばもうちょっと前にピントを出すべきだったか。球面収差の膨らみは結構大きいらしくピントの移動も感じる。この辺りが本来は最高の画質なのだろう。

=F16=
70mc160
 F16だと画像がちょっと明るくなっている。絞りが絞り切れていないのかも。或いは回折でコントラストが落ちてきたのか?これでも等倍だとレンズ先端はピントが来ていない(^^;

=F22=
70mc220
 やっとレンズ先端も満足できるピントが来たが完全にコントラストが低下している。全面にピントが欲しい時以外は使いたくない画質だ。


★次回に続く
 実は今回既に遠景のテストもやったのだが、一絞り半アンダーで撮ってしまい使えなくなった(^^; 次回改めてテストしてみる。見た感じでは良さげに見えた。

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