ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

ZOOM-iota

SIGMA ZOOM-ι②

SIGMA HIGH-SPEED ZOOM-ι 80-200mm F3.5-4


SIGMA ZOOM-ι①

 今回は定型テストの前の一般撮影テストである。今回テストを行なったのはいつもの東伏見演習場ではなく関公園である。これは特に狙いがあるわけではなく図書館への道程の途中にあるからと、もう一つはクソ暑いので日なたの東伏見演習場より木陰の関公園を選んだだけである。この時期、東伏見演習場に人影は無いが、関公園の方はジジババがベンチに座って時間を潰していた。ここでは多いランナーもさすがに今日は一人しか居なかった。テスト環境は良さそうだ(^^ いつもの事だが特記無き場合全て開放である。


IMGP2630
 80㎜にて。日陰だが一応1/500なのでブレはあまり無いだろう。がしかし何となく甘さがある。自分の写真なら迷わずゴミ箱行きだ(^^;


IMGP2632
 80㎜にて。更に速い1/1000で切ったがやはりピントが悪い。何か重大な失敗をしているのではないかと不安になる(^^;


IMGP2633
 唯一の中間画角135㎜にて。1/160なのでちょっと厳しいが何とか止まっている。何だこの籠は?周りに浮き輪のようなものが付いているが…。


IMGP2635
 このレンズはクモリが出ている。なので厳しく画角内に光源を入れてみた。まあまあ頑張っているのではないだろうか。


IMGP2636
 200㎜にしてみた。半逆光だがやはり看板のコントラストが下がっている。これはクモリの影響だろう。


IMGP2637
 200㎜にて。手すりの上に置いて撮ったが、その手すりが傾いていたので微妙に水平線が傾いているような…。あとピントが悪い。


IMGP2639
 マクロ機能は無いがマクロ撮影してみる。右のボケが一寸と言うかかなりおかしい。あと何となく緑っぽさを感じるのは色収差だろうか?


IMGP2640
 80㎜にて。前玉に光が当たるとやはりカブリが出ている。70~80年代のコーティングなので致し方ない。実は今日の撮影では内蔵フードをわざと使っていない。解像力はそれほど低くは無いがキレがない。


IMGP2642
 200㎜にて。微妙にハロっぽさを感じるが球面収差はこの時期としては良く補正されている。解像度は低くないがキレは無い。この辺りで何となく向いている被写体が判ってきた。少なくとも今日の撮影対象は向いていない(^^;


IMGP2643
 ううーむ(^^; 写真と言うよりは絵になってしまったな。それならもっと明るくしてすっ飛ばした方が良かった。


IMGP2647
 80㎜のコントラストは悪くないですよ。ただボカすときは中途半端にぼかさないでこのように思いっきりぼかした方が良い。


IMGP2648
 200㎜はハロが多い。ハイライトが妙な形になっているのはクモリのせいだろう。ここまでボケるともうボケ味もへったくれも無い。


IMGP2650
 このような被写体が向いているだろうと思ったが、200㎜はハロが多くてコントラストが付かない。ちなみに今日は面倒だったのでJPEGで撮ってしまった。RAWで撮ればもっとマシになったに違いない。


IMGP2651
 80㎜にて。クモっている割にコントラストは悪くない。この画像は何処にピントを合わせたら良いか迷ってテキトーにシャッターを押してしまった(^^; 本来なら失敗作なのでゴミ箱行きだが画像が少ないので恥を忍んで載せる。


IMGP2653
 今日の撮影地である武蔵関公園。ここはオレ称で安倍球場門と呼んでいる南西端の出入り口だ。80㎜だがこの画像だけ絞りをF5.6に絞っている。一段絞ってもカリカリにはならない。向いている被写体はこのようなものではない事が判る。


IMGP2655
 帰りに武蔵野プール前でクレーンを撮ってみた。うぎゃー!スゴイにじみだ。やはり強入力には耐えられないか。だがこれはこれで面白いものが撮れそうだ。


★続く
 実はこの撮影はK100D Superの手ブレ補正を200㎜固定のまま80㎜まで撮ってしまっている。KAマウントではないので焦点距離がカメラに伝達できないため固定しか出来ないのだが、一部それと思われる手ブレ補正の誤爆が見受けられた。この辺りは旧KMマウント・ズーム流用の欠点と言えるかな。次回はそんな心配の要らない定型テストを行なうが、前回も書いたように暑いのと風が強いので秋までお預けになる可能性も高い(^^;

SIGMA ZOOM-ι①

SIGMA HIGH-SPEED ZOOM-ι(イオタ) 80-200mm F3.5-4


 今年の夏の暑さは尋常ではない。あまりに暑いので地表からの照り返しもハンパではない。その影響でseeingが大発生してHJCLの望遠レンズ定型テストが不可能になっている。そのため予定を変更して当該物件の状態を確認した後、まずは一般撮影テストからやってみる事にした。これである程度時間稼ぎをしているうちにseeingも軽減するかもしれない。ま、10月辺りまでは無理だろうけどね(^^;

 今回テストするのはまだ手に入れたばかりのズームιである。このレンズは初代ズームκと同世代のレンズで、製造番号のアタマにΣ-が付く世代である。HJCL的にはこの世代のΣレンズは当りという感触なのだが、当該品は中玉にΣクモリが発生しているのでいろいろ障害が出るだろう。それも含めて状態と性能の一端を確認したい。このズームιは"HIGH-SPEED"という冠号でも判るように一応当時としては大口径のズームの扱いである。筆者はこの製品が発売された当時はまだ写真を始めていなかったので後継があるかどうか知らないが、検索したところではIIやAFの存在は確認されていない。一発屋だったのかな?このレンズに関する情報はイソターネット上には皆無に等しい。実写記事などは皆無である。誰かが書いた不完全な製品情報を転載屋がコピペしまくっているのが現状だ。HJCLで取り上げる意義はあると言える(^^


iota_01
 御覧のようにコーティングは生きている。剥がれているとフラッシュの光を反射してしまいます。前玉に汚れが微妙に見られるがレンズクリーナなどで拭けば取れるレベル。前群にカビなどは一切なくて傷も無い事から状態は良いと判断される。

 全体の傷は中古品のレベルで言えば「中の下」と言ったところ。評価を下げているのはほぼフード前縁の傷で、これは恐らくジャンク在庫時に付いた傷である。入荷した時は上物だったとも考えられるのでもったいない。落下したと思われる傷も無いので鏡筒が歪んでいる事も無いだろう。ズームに限らずアルミ鏡筒は一度落とすと大なり小なり歪んでしまい決して元には戻らない。


iota_02
 このようにフードも生きている。この世代は植毛紙が貼ってある手の込んだフードである。この次辺りから溝が切ってあるだけだったり、最悪は組み込みフードではなくプラスチックの内側がツルツルの付属フードだったりする。別付けの方が効果が高いんじゃない?と思うかもしれないが、それがジャンクに付属していることは稀である。つまりカネが掛かるのだ(^^;


iota_03
 シールを剥がした痕跡は無い。この辺りが全く分解されていない事を表している。HJCLにとってはこの物件は「良い買い物」となる(^^

 絞りは軽快でクリックも歯切れよく完全な状態である。もちろん羽根に油などは回っておらず動きも快調だ。指でレバーを弾いた時の瞬発力も良好だ。但しこの時代のΣらしくズームリングのカラーは限界近い。まだスコンスコンにはなっていないし下を向けると下がってしまう事も無い。だが中間画角に合わせるのはちょっと難しくなって来ている。つまり動きがスムースとは言えない部分がある。但しピントリングはグリスも効いて非常にスムースである。


iota_04
 旧KMマウントである。マウントに傷や歪みは全く無い。レバーも正常∧曲りも無い。奥まった後玉周りにも傷は無いしカニ目を回した跡も無い。ネジロックを剥がした跡も無いので非分解品なのはこれで確定だ。やはりメカ的には「良い買い物」確定だろう。上記の通り中玉のクモリだけが唯一の光学的な瑕疵である。

 子細に観察すると後玉にホコリが積もっている。これは裏返したまま棚に置かれていたからだ。リヤキャップがあれば裏返しておく必要はないのでこれはジャンク品になってからの在庫が極度に長い事を表している。それを裏付ける証拠としてこのレンズは価格が改定されているのだ。この店では相当長い在庫でない限り価格が下がる事はあり得ない。


★続く
 状態はクモリが気にかかるがこのままテストしてみる。定型テストまでやってから分解掃除をしてみたい。このΣクモリは完全には取れないけどね。

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