ネコマタギ★レンズ研究所

ジャンク屋の箱の中で引き取り手が無いレンズを好んで研究するブログである。

ZOOM-kappa1

Σズームカッパー⑤

SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5


Σズームカッパー①
Σズームカッパー②
Σズームカッパー③
Σズームカッパー④

 前回は中距離(有限距離)の性能を見たが今回はマクロ域の性能を見る。


★マクロ1:9
 このレンズは基本的にワイドマクロなので焦点距離は100mm一本である。200㎜でも使えるが倍率は反って下がるし使う意味はない。まずは倍率1:9から。

=F4.5=
macro45_045
 ピントの合ったところの画質は申し分ない…がしかしボケ部分がマズイ。ブレボケ傾向にあり(二線ボケではない)震度3くらいかな(^^;

macro45_045t
 中心付近の等倍画像。滲みはあるが開放としては申し分ない。

=F8.0=
macro45_080
 FTの文字がまともになったのでずいぶん画質が上がったように見える。

=F11=
macro45_110
 筆者的にはこのくらいで使いたい。

macro45_110t
 中心付近の等倍画像。質感もあるし申し分ない。

=F16=
macro45_160
 ピントが深くなっただけで傾向は変わらない。

=F22=
macro45_220
 F22まで絞ってもオールピンとはならない。F16と比べ若干ピントが甘くなって来ている。


★マクロ1:4.5
 次に撮影距離最短=最大倍率の1:4.5だ。

=F4.5=
macro09_045
 最大倍率で開放だとボケまくる。APS-Cはボケないなんて誰が言ったんだ?と言いたくなるくらいボケる(^^ ブレボケ傾向は変わらないがボケ量が多いので目立たない。これで充分に使える。

macro09_045t
 中心付近の等倍画像。滲みは目立つがまあこんなモノでしょう。

=F8.0=
macro09_080
 開放で目立ったハロは消えた。どうせ全体にピントは来ないのでこのくらいで使うのが良い。

=F11=
macro09_110
 この辺りが最高画質かな。

macro09_110t
 中心付近の等倍画像。申し分なし。

=F16=
macro09_160
 ピントの深さ以外はほぼ変わらず。

=F22=
macro09_220
 ピントの深さ以外はほぼ変わらず。コントラストは修正可能なくらいまで復活しているのでもう実用になりそうだ。


★続く
 次回はまだ残っている色々な問題点について。

Σズームカッパー④

SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5


Σズームカッパー①
Σズームカッパー②
Σズームカッパー③

 意外にクモリが取れたので試しに定型テストにかけてみる。遠景は前回ある程度分かったので中距離で試す。全て画像は50%である。


★中距離100㎜

=F4.5(開放)=
100m045
 開放だと微妙にハロがあり周辺も甘くなっている。但しサイズがもっと小さいと全く問題はない。実用になる画質だ。

=F8.0=
100m080
 ハロは消えてビシッとする。ビニールテープやパンザーマストの質感も良い。これ以上絞る必要はないだろう。

=F11=
100m110
 画質に変化はない。ピントが深くなっただけ。

=F16=
100m160
 微妙に中央部が甘くなった気がするが特に問題無し。


★中距離120㎜

=F4.5(開放)=
120m045
 厳密に言うとハロがあるがサイズ次第。使える。ただアウトフォーカス部分にヤバゲなところがある。これは100㎜でもそうだろうがピントが深いので判らないのだろう。

=F8.0=
120m080
 ハロは消えて全画面に渡り問題が無くなる。

=F11=
120m110
 中央部は変わらないが四隅が向上。

=F16=
120m160
 中央は微妙に落ちるが特に問題無し。


★中距離140㎜

=F4.5(開放)=
140m045
 これまでの欠点がよりハッキリしてきている。

=F8.0=
140m080
 一段絞りでハロが消えるのは変わらない。

=F11=
140m110
 ボケ部分に不安があるのでピントが深い方が良く見える。これがベストかな。

=F16=
140m160
 微妙にボケている。


★中距離160㎜

=F4.5(開放)=
160m045
 短い方に比べるとハロが大きくなって来ている。ただそれもサイズ次第である。

=F8.0=
160m080
 一段絞りででハロが消えるのは変わらない。ピントは浅いけど良く見える。

=F11=
160m110
 ピントが深くなっただけ。

=F16=
160m160
 これもピントが深くなっただけ。


★中距離200㎜

=F4.5(開放)=
200m045
 この焦点距離のハロが最大だ。ボケている部分も目立つ。ブレたようなボケは好ましくない。

=F8.0=
200m080
 ここでハロが消えるのも他の焦点距離と同じ。ピントの合ったところが良いのも同じ。

=F11=
200m110
 さらに向上。これはピントが深くなったからで本質的には画質は変わっていないと思われる。

=F16=
200m160
 ここで微妙にボケ始めるもの他と同じ。


★続く
 デジタル画像ならコントラストは充分になった。フィルムだとまだ足りないかもしれないが。次回はマクロテストを行なう。

Σズームカッパー③

SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5


Σズームカッパー①
Σズームカッパー②

 前回クモリ取りを行なったのでそれの結果を確かめるべくテストを行なう。さてどこまで改善したか?


★前回と比較
100m050_045org
 前回はこれですよこれ!(^^; 濃霧注意報でも出ているの?と言うくらいの激しいクモリ。これではデジタル処理でもかなり厳しい。


050m_100mm
 でこれがクモリ取り後。劇的に改善した!もう同じレンズとは思えないくらい違う。ライトが上は曇りでこちらは晴天逆光なので違うが、コントラストが大幅向上しているのはハッキリ判るだろう。まだ全体的に薄らとカブリが残っているが、この程度ならデジタル処理抜きでも実用になる。これで実用できると満足するか、まだまだ全然ダメと思うかは人それぞれだろうが。


★遠景チェック
 無限遠のピントを見るべく遠景を写す。このマンションがちゃんと写っても正常とは限らないが、少なくともこれでボケていたら調整は狂っている事になる。


700m_200mm
 まず200㎜だがチョット700mには足りない感じ。いやこれでピントは合っているのだが700mギリギリという事は∞は無理なんだな。


700m_120mm
 次は120㎜。その前の140㎜も同じ傾向だったがこのレンズは中間画角で一番ピントが遠いのが判った。700mでもまだ余裕がある。補正がCZ-715のようなタイプだな。


700m_100mm
 100㎜もギリギリっぽいが深度が深いのでまあ満足できる範囲。という事でこのレンズの∞調整をするとしたらテレ端で無限を出せばいいのだな。但し筆者は余裕を見て少々オーバー∞にすると思う。


★続く
 40Aと同じくらいには改善されたので次回は定型テストをしてみる。

Σズームカッパー②

SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5


Σズームカッパー①

 前回の続き。今日はバラしてクモリ玉を取り出す予定。玉が磨ければ磨き、無理そうなら諦めて元に戻すだけだ。全バラではないので元に戻せるだろう(^^


★バラす
 ズームレンズをバラすのはレンズマニアにとってはご法度である。ズームレンズは一度バラすと元と同じに組み立てても完全に元通りになるわけではない。何故ならリングネジの締め付けトルクやカムの微妙な位置によって調整がズレて来るからだ。カムの経年摩耗でピント補正も変わって来るから性能が元とは全然違ったものとなる。これまでに見てきた素人修理で元通りに組み立てたモノは一杯見たけど全て調整はメチャ狂いだった。組み立てたあとでピントの移動がAFレンズ並みに大きかったらまず失敗だ。補正されていないという事だから。

 逆に自分でバラした時に何かの拍子に奇跡的に?調整が上手く行って、メーカー出荷時を越えるのではないかというスゴイ性能が(一部で)出る事もある。これはもう一度味わうと麻薬みたいなもので、それを見たさに分解していると言っても良いくらいだ。調子こいて所有レンズを全部バラしてしまわないように「バラしていいのは不具合のあるレンズだけ」というHJCLの掟を作って抑止しているわけ(^^

 閑話休題、前玉はクモっていないのでバラす必要はない。よって銘板リングを回す必要はない(尤もこのレンズに銘板は無いが玉止めのリングはある)。今回用があるのは中玉なので途中から分解する。


bunkai01
 分解の方法が判らないのでまずローラーのネジを外してみた。前後に1本ずつ、計2本である。するとヘリコイド枠が回って取り外せるのかと思ったがハズレた(^^; このネジは関係無い。外さなくてもいいのかな。


bunkai02
 実はこの穴から見えるネジを外すのだった。しかしそれにはピント表示位置調節ネジを緩めるか外さねばならない。ネジの頭が完全に露出しないからだ。前後2つ、合計4つのネジを緩めるか外す。その後頭が出たネジを外せばヘリコイド枠が外れる。

 このレンズは鏡胴の細身なところとか、直進ズームだけどヘリコイドとズームリングが二重になるところとかが瑞光に似ている気がする。尤もこのレンズはヘリコイドのガイド枠が直線で、瑞光は斜めに回転しながら進むから全く同じ機構と言うワケではない。


bunkai03
 そのすぐ下がクモっている玉である。このメーカーはこの時期ネジロックが厳しかったのでこのネジもなかなか回らないかと思ったが非常に緩かった。何となく誰かがバラした気もするが跡は全く分らない。4つ穴なのはそういう治具があるんだろうな。4つ穴だとバランスが取れるので治具に取り付けてそのまま回せる。


bunkai04
 外した玉はまず中性洗剤で洗う。汚れだとすれば油分なのでこれで取れなければガラスの変質による正式な?クモリであり復活は不可能に近い。酸化セリウムで磨けば取れるかもしれないが、その場合はコーティングも無くなりΣズームκではなくなるので意味が無い。我々はどんなものでも良いからジャンクを復活させたいわけではない。あくまでもΣズームκを復活させて使いたいのだ。


bunkai05
 だいぶクモリ濃度は下がったが、やはりガラス表面が変質しているのかある程度までしか改善しなかった。もっとも分解以前は向こうが見えないくらいだったのでこれでも充分だ。瑞光100200の似た形状の中玉が全く同じようにクモっていたがアレと同じガラス構成なのだろう。変質の触媒としてはグリスの中の成分だと思われる。貼り合わせ部分のクモリという事も考えられるが、それはいずれ瑞光の玉を剥がして確認してみたい。


★その他
 フードが汚れていたので外して洗った。勿論洗う前に反射防止布をクリーニングしてからだ。これにより反射はともかく見栄えは非常に良くなった。ジャンクではなくいつも使っているレンズに見える(^^


★続く
 クモリはあまりスカッと無くならなかったが、現状は覗いた時にコントラストが低いと感じる程度だ。それではダメだと思うかもしれないけれど、クモリ取りをする前は向こうがよく見えないくらいだったのだ。なのでこれでも改善していると思う。次回はこの稍クモリ取りバージョンをテストしてみたい。どのくらい違いが出るか楽しみ。

Σズームカッパー①

SIGMA ZOOM-κ 100-200mm F4.5


 これの後釜であるカッパⅢやカッパⅣは去年から所有していたが、これまでスルーされて全く記事にならなかった。これはこの初代を入手するまで保留していたと考えよう。念願が叶って手に入れた初代カッパ君は覗いて向こうが殆ど見えないくらいクモっている手負いの物件だった。これ直るのか?とても直りそうにないな…(^^;

http://fanblogs.jp/junklens/archive/12/0
https://blog.goo.ne.jp/ktai_blogzine/c/e1c63335c5352c51702a03397c341a90
 上の人たちがこのレンズでいくつか撮影している。写真は小さいが多分この人たちのはクモっていないハズなのでなかなか良さげに見える(^^ 他にも作例を探したが殆ど見つからなかった。ジャンクで出回っている本数を考えると世間では異常なまでに無視されているレンズと言える。もっとも世間の評価が不当だとは思わない。古いMF時代の低倍率望遠ズームなのだからその評価は当然と言える。それでこそ、このネコマタギレンズ研究所で取り上げる価値があるというものだ。


zoom_kappa1
 2018/02/28に入手したが、たとえジャンク価格であっても損した気分がするくらい酷い状態だ。元々「3と4が揃ったのでいっその事全部揃えちまうか?」といういい加減な理由で入手したわけで熱意は皆無に等しい。ピントリングのゴムはバラしに備えて外してある。ゴムは洗ったので非常にキレイな状態だ。

 本当のクモリであれば直らないが、実際は単なる蒸気クモリというただの汚れの可能性もある。バラして磨くか洗うのは無意味ではなかろう。今日はバラす前の現状保存という事で画像を残しておく。もし元に戻せなかったらこれが遺作となるわけだが…。ズームレンズは組み立て調整がシビヤーで、一旦バラすと元に戻らない可能性も高いので現状保存が必要なのだ。下手するとクモリが取れてもピントが悪くなる可能性もある。まあクモリが取れればコントラストは確実に良くなるだろうが、直接関係無いけどHJCLのズームβはバラしてからイマイチピント補正の調子が悪い。どうもローラーが割れかけているのを位置を変えて誤魔化したのが良くないらしい。やはりこの部品は交換しかないのだろう。


★遠距離700m

=100mm=
100f700_045
 100㎜ではピントに特に問題はない。

=200mm=
200f700_045
 200㎜では突き当りでも700mはギリギリ。月だと180㎜くらいで一杯だった。これはピントリングを無限に固定して月を見ながら焦点距離だけを変えてみれば判る。尤もマウントアダプタだとそれ(アダプタ)自体が狂っているので参考にならない。


★中距離50m

=100mm=
100m050_045
 強引にコントラストを付けたがノイズがかなり酷い。レンズの描写よりそれが気になってしまう(^^;

100m050_045org
 ちなみにJPEG撮影だとこうなる。上のまともに見える画像はSONYのダイナミックレンジ・オプティマイザーの強力なのを手動で掛けたと思ってもらいたい。


★中距離15m

=100mm=
100m015_045
 クモリは御覧の通りかなり酷いです。全く補正していないわけではないが、これ以上は補正しきれないので結果的に使えない事になる。

=200mm=
200m015_045
 200㎜になったところでクモっているのに変わりはない。


★マクロ
 このレンズは後出しという事もあって同焦点距離のFDに多くの面で勝っているが、その中で最も大きく勝っていると思われるのがこの機能だ。FDにはマクロ機能が無い上に最短撮影距離も長いので日常使用は不可能に近かったが、このレンズの場合は最大1:4.5までのマクロ機能があって日常使用も可能である。最大1:4.5といっても我々が使用するのはAPS-Cなので実際は1:3まで寄れる事になる。

=マクロ無し100㎜最短=
100s045
 マクロ機能を使わずにメイチ寄ったのがこの画像。マクロ撮影も全て開放だが特に気になるところは無い。コントラストが低いのはクモリのせいである。Σと言えばマクロだがこのレンズもマクロは良さそう。

=マクロ100㎜最短=
100mc045
 ここまで寄ると完全にマクロレンズの領域だ。クモリが無くなったらかなり良い絵になると思う。

=マクロ200㎜=
200mc045
 これまではワイド側の100㎜で撮影してきたが200㎜でも一応マクロ機能は使える。ただそれだとこのようにハロっぽくなりマクロ倍率も反って下がってしまう。レンズ全長が伸びてブレにも弱くなるしテレ側でマクロを使う意義は皆無である。


★続く
 低倍率望遠ズームという事でかなりピントは良さそうだ。こういうの描写を見せられるとギャンブルしてでもクモリを取りたくなる。次回はバラしてクモリを取りたい。

最新コメント
記事検索
livedoor 天気
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ